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墨攻 の商品レビュー

3.9

105件のお客様レビュー

  1. 5つ

    22

  2. 4つ

    40

  3. 3つ

    29

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

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2024/03/16

墨子の弟子、革離一人で城郭を守る。裏切りで横死する点が、漫画と違う。マンガはその後まで続いていく。墨子軍団の思想を抑え、息詰まる文章力である。

Posted byブクログ

2023/02/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

中国戦国時代に兼愛(博愛)・非戦などの思想を説いた墨子が築いた墨家集団という集団があった。 三代目の指導者・田襄子ともなると当初の思想が徐々に変化し権力と結びつく事を模索していた。 そんな中、、趙の大軍に攻め込まれようとしている小国の城主からの援軍の依頼が入るが、指導者は動こうとしない。 墨子本来の非戦思想を貫こうとする主人公・革離は指導者の命に背いて単身小城を守りに入る。 非戦と言っても戦わないのではなく卓越した軍事技術で攻撃を撃退し城を守り抜く事が目的。 墨家の協力が得られないまま、革離はたった一人で村人をまとめあげ、百戦錬磨の将軍率いる趙軍を相手に獅子奮迅の働きで徹底的に城を守る。 小説と言うより短編と言う感じの150頁程のお話。 大変面白かったです。 このお話自体はもちろんフィクションですが、実在した墨家集団はどういう組織だったのか大変興味深い。 墨子の書物は一部が散逸してしまっているとの事ですが、現存する資料の分析も未だ十分では無いとの事です。

Posted byブクログ

2022/07/30

酒見賢一さんの墨攻。 どこで見聞きし興味を持ち読んでみたいと思ったのか忘れたが古本屋で発見し購入した。 すごく薄い文庫本で表紙もなんかユルいので不安はあったが気になったら読まずにはいられず読んでみたのですが、凄く面白かった。 前もって知っておく必要のある事もなくシンプルに楽し...

酒見賢一さんの墨攻。 どこで見聞きし興味を持ち読んでみたいと思ったのか忘れたが古本屋で発見し購入した。 すごく薄い文庫本で表紙もなんかユルいので不安はあったが気になったら読まずにはいられず読んでみたのですが、凄く面白かった。 前もって知っておく必要のある事もなくシンプルに楽しめます。 強いて言えば、戦国期などの攻城戦や籠城戦に興味があれば楽しめると思います。 本当にこんな事が出来る人達、思想を持った人達がかなり昔に存在したのかと疑いたくなるほどよく出来ていて爽快でした。 2022/7

Posted byブクログ

2022/07/24

守るに徹する戦い… こんな戦い方もあるんだ!というのと、やはり戦は残酷だな…というのと… スピード感あって、あっという間に読めました。

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2021/02/19

たしか、漫画に掲載されたものを見て、文庫を手に取る。春秋戦国の世に、このような技術集団が本当にいたのだろうか、始皇帝の焚書坑儒が惜しまれる

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2020/09/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

墨子教団については色々不明な点が多いらしいが、強きを挫き弱きを助ける「任(任侠)」を尊ぶ思想らしく、開祖・墨子の平等性を重んじる次の言葉が象徴的に引用されている。 「一人の人間を殺せばこれは不義であり、必ず一死罪にあたる。(中略)しかし、それがこと戦争となるとそうではない。他国を攻めて大いに人を殺しても、不義であると言わないばかりか、かえってこれを賞賛して義であるとする。(実に不合理で不可解なことである)」 まるで子供の疑問のようだけどまったく正当な話で、墨子の頃から2千年の間、ほとんどの人間が蓋をして避けてきた素朴で重大な疑問に対し、はっきり立場を示している言葉で、しかも教団まで作り守りの戦を研究・実践していたことをはじめて知り、熱い気持ちになった。 史実的な話が序盤に少しあり、その後は墨者の革離という人の田舎の城郭を守るための奮闘が描かれる。 上層部の指示を突っぱねてまで、覚悟をもって臨んだはよいが、守るべき城の城主親子はバカだし、やるべきことは山ほどあるし、規律を守るため、結果的に守るべき農民達を非情に処罰もしなきゃいけないしで、革離には同情しっぱなし。自分ならすぐ辞めている。 革離はなんのために一生懸命になっていたかというと、墨者としての誇り、尊敬する先達や自分のこれまでを肯定するための戦いだったのだろうけど、剛直さと余裕のなさが仇となり小さなところで歪みと無理が生じ、志半ばで倒れてしまう。 最後の際で、兵法について一つ学んだことでニヤリと笑い死んでいくのは、あとがきで作者が書いている「職人のプライド」であり、墨者としての使命に殉じた的な描写なんだろうけど、これ系の心理はいまいちぐっとこない。 これまで、三国志や古代中国もののマンガ等でたびたび読んできたが、城郭攻めは面白い。 本書でも圧倒的な物量かつあの手この手で攻める敵を、近代的な知恵と技術で対抗する様子は単純に楽しい。 戦闘準備からラストまでは革離の忙しさの高まりとともに怒涛の展開だが、革離は常に冷静だし文体もたんたんとしていて、時折入る南伸坊氏のイラストに和まされ、ドライブ感はあってもこちらも冷静に読める。 墨子教団の思想と実践についてはものすごく興味が湧いた。

Posted byブクログ

2020/08/02

中国を舞台にした小説は、ほとんど読んだ記憶がありません。古本屋で見つけて、ちょうど時間潰しに良さそうな厚さの文庫本でしたので、全く期待しないで読みましたが、面白かったです。英雄的な主人公の戦略に魅せられます。墨子の思想というものを少し掘り下げて知りたくなりました。

Posted byブクログ

2020/06/30

たまたま書店で見つけて購入。茶化した感じの軽いノリの小説かと、言わば“半信半疑”で読み始めた。しかし、良い意味で予想を大きく裏切り、大変よくできており面白くてならなかった。お勧めの1冊。

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2018/10/25

戦国時代の墨家を現代からの解釈で描いた作品 ひととき隆盛しながらなぜ突然断絶したのか 教理と実践が結びついていないのになぜ一定の支持を集めたのかといった 魅力的な謎が描かれる 当時の諸子百家にあって そもそも現在との前提の違いがその鍵でありミステリであり歴史ファンタジー 前半導入...

戦国時代の墨家を現代からの解釈で描いた作品 ひととき隆盛しながらなぜ突然断絶したのか 教理と実践が結びついていないのになぜ一定の支持を集めたのかといった 魅力的な謎が描かれる 当時の諸子百家にあって そもそも現在との前提の違いがその鍵でありミステリであり歴史ファンタジー 前半導入は良いけど 後半冗長過ぎかも あとがきも相俟って

Posted byブクログ

2018/09/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

再読。 何度読んでも面白い。 興味深い描写がてんこ盛り。 職人気質な主人公や属する集団が魅力的。 墨子対孫氏なんて物語を読んでみたいし他の墨子たちの物語も読んでみたい。 これから何度も読み返したくなるほど毎回満足。

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