乱れからくり の商品レビュー
けっこう好き。隕石直撃というとんでもない事態から始まる連続殺人。タイトルからしてからくりが絡んでくることは初めから想像がつきますが、予想を上回るからくり模様です。伏線もトリックも凝ったものでありながら丁寧で理解しやすく、突っ掛かるようなところがなくすいすいと読んでいけます。からく...
けっこう好き。隕石直撃というとんでもない事態から始まる連続殺人。タイトルからしてからくりが絡んでくることは初めから想像がつきますが、予想を上回るからくり模様です。伏線もトリックも凝ったものでありながら丁寧で理解しやすく、突っ掛かるようなところがなくすいすいと読んでいけます。からくり人形の薀蓄を読むのもとても楽しい。そして、それらをつなぎ合わせ重層的に広がりを見せていく物語展開には魅せられました。 本作では、偶然性に頼るようなトリックや、隕石直撃というありえないような出来事が物語に組み込まれており、無理筋な話と捉える見方もありますが、人の因縁や運命といった人の身にはままならないものの無慈悲でグロテスクとも言える側面を、からくりという自動機構と絡めて強調することで、作品に余韻と深みを与えているのではないかなあと思っています。
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ぜんまいを巻けば独りでに走り出す自動人形。 五角形の迷路。 切っても切れない馬の首。 仕込み玩具でごてごてと飾り付けた馬割家連続怪死事件。 悲恋に溺れた元ボクサーに男勝りなおばさん探偵などの活き活きとした人物達が踊る舞台で、死のからくりを乱れ打つ。 バタンと倒れてキューと死ぬ。 ...
ぜんまいを巻けば独りでに走り出す自動人形。 五角形の迷路。 切っても切れない馬の首。 仕込み玩具でごてごてと飾り付けた馬割家連続怪死事件。 悲恋に溺れた元ボクサーに男勝りなおばさん探偵などの活き活きとした人物達が踊る舞台で、死のからくりを乱れ打つ。 バタンと倒れてキューと死ぬ。 驚きは古今愛され続ける娯楽である。
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玩具の歴史や世界の建築物のうんちくネタ満載で連続殺人事件も興味津々。 ミステリーとして有名な一冊ついに手に入りました。時代は昭和を感じさせるモノだけど、内容的には十二分に今の評価に耐えられる本です。 ただ、真犯人の死因が「え!」で、これにはトリックも真相も無い点が唐突でした。
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評判に違わぬ傑作。 登場人物が皆とても活き活きしており、初期長編から小説としての完成度の高さは、他のミステリ作家より頭一つ抜けていたようです。 事件の構図自体は有りがちなものですが、その構図に読者が考え至らないように、仕掛けられた罠が巧妙すぎます。こういう部分で魅せてくれるミステ...
評判に違わぬ傑作。 登場人物が皆とても活き活きしており、初期長編から小説としての完成度の高さは、他のミステリ作家より頭一つ抜けていたようです。 事件の構図自体は有りがちなものですが、その構図に読者が考え至らないように、仕掛けられた罠が巧妙すぎます。こういう部分で魅せてくれるミステリって最近無いですよね… 氏が得意とする言葉遊びも健在で、あっと膝打つ驚きと、悔しさを提供してくれます。
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…別にエッチな小説ではない。 玩具会社部長から自分の奥さんを尾行するよう依頼を受けて、依頼主と奥さんの乗る車を尾行するが、途中、隕石が落ちてきてその依頼主は死亡。奥さんは助かったものの、葬儀が終わらないうちに子供が亡くなり、その後も家に不幸が続く。犯人は誰なのか?そして何の為に...
…別にエッチな小説ではない。 玩具会社部長から自分の奥さんを尾行するよう依頼を受けて、依頼主と奥さんの乗る車を尾行するが、途中、隕石が落ちてきてその依頼主は死亡。奥さんは助かったものの、葬儀が終わらないうちに子供が亡くなり、その後も家に不幸が続く。犯人は誰なのか?そして何の為に? 男勝りの女流探偵と新米助手の物語、というのが粗筋。視点は新米助手なので、主人公はこちらになるのかな。 作者の名前は知っていたのだけど、今まで読んだことがなく、機会があればと思っていたところ、他の本の紹介文で見かけて本作品を選んでみました。日本推理作家協会賞受賞というのもポイントだったかな。 タイトルの通り、からくりに関する話がたくさん出てきます。不幸に見舞われる家が玩具会社、というのもありますけど、人によってはこの蘊蓄にうんざりするかもしれません。特別に読み辛い文章ではないし、物語と全く関係ないというわけでもないので、個人的には許容範囲内だと思うけれども。 文章は読みやすいです。 1978年に賞を受賞したとあるので、公開されたのもその辺りになるのかな。これと比べると、「りら荘事件」の方が少し読みにくい気がする。ただ、本作品では探偵役が事件を追う理由が少々弱いような気がします。探偵役が昔の汚名を晴らすための証言を集める云々ということで、依頼主の家にこだわっているようなのですけど、その辺りの描写からはあまり必死さが伝わって来ないんですね。男勝りということが手伝っているのかもしれないけど、もう少し探偵する理由を感じさせてくれたら良かったかな。 トリックについては、昔の作品だからというのもあるのでしょうけど、分かりやすいです。勘のいい人は解けてしまうんじゃないかな。伏線の張り方も丁寧ですし、ミステリを読み慣れていない人でも苦にはならないような気がします。 でも、個人的には分かりやすいトリックだけど、少々強引じゃないかなと思うものもあるので、ミステリに慣れている人からすると、却って分からないかもしれない。 最後に。 他の本の紹介文で見かけて本作品を読んでみようと思ったわけですけど、その他の本というのは「そして誰もいなくなった」でした。 …言わない方が良かったかな。
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理屈は通っているが、実際はとても不可能だろうと思われるギャンブル的な殺人トリックの本格物。後半の探偵役に恋愛感情が入る展開はちょっと強引な気がする。からくり玩具のウンチクはやはり文章では伝わりにくいので、こんなに詳しく書かなくてもいいような。
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これはHな作家のHな本だとずっと思っていました ^^;; ポリポリ。 先日読んだ本(確か恩田の「MAZE」)の後書きかなんかで、迷路が出てくる本として紹介されていて「?」と手に取った次第。 2/3ほど読み進んだところですが、からくり玩具に関する 記述が多くて話が進まない、つ...
これはHな作家のHな本だとずっと思っていました ^^;; ポリポリ。 先日読んだ本(確か恩田の「MAZE」)の後書きかなんかで、迷路が出てくる本として紹介されていて「?」と手に取った次第。 2/3ほど読み進んだところですが、からくり玩具に関する 記述が多くて話が進まない、つまらないなら読み飛ばせるのにこれがまた面白い・・・・ その昔、御手洗シリーズでカタリ派やハイデガーにハマッたこともあった・・・進歩ない私・・・・ といいつつ、密かに(?)一族内で既に5人が、それも いちいち違った方法で殺されてはいる。 伏線も張られまくりで、これが残りでちゃんと収斂されていくのか、もうドキドキですわ~
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名作と知りつつも読んでなかった。読んでよかった。損はない。 最後の謎解きのときは 「えー、そんなオチかよー。なにが名作だ!」 と、いかにボロクソに書いてやろうかと思っていたのだけど、あれよあれよと話は違う方向で、大どんでん返し。 なるほどねー。今ではちょっと古びた感は否めないけ...
名作と知りつつも読んでなかった。読んでよかった。損はない。 最後の謎解きのときは 「えー、そんなオチかよー。なにが名作だ!」 と、いかにボロクソに書いてやろうかと思っていたのだけど、あれよあれよと話は違う方向で、大どんでん返し。 なるほどねー。今ではちょっと古びた感は否めないけど、時代性を考えるとやはり名作認定して間違いない本。
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うーん、って感じかな。オールタイムベストかね?って感じでもある。からくり人形に関しての薀蓄、ここまで盛り込む必要あるか?会話文をふんだんに盛り込んで、テンポよく進む展開は望むところだけど、その会話文がまた…。特に、ある意味苦痛にすら感じたのが、金沢に行って現地人と会う章。金沢人感...
うーん、って感じかな。オールタイムベストかね?って感じでもある。からくり人形に関しての薀蓄、ここまで盛り込む必要あるか?会話文をふんだんに盛り込んで、テンポよく進む展開は望むところだけど、その会話文がまた…。特に、ある意味苦痛にすら感じたのが、金沢に行って現地人と会う章。金沢人感ゼロでしょ、これ。ローカルじゃない人が無理して関西弁を使って、変に四国弁まで混ざっちゃいましたみたいな言葉、強烈に抵抗がありました。北陸、関係ないし。からくりを使ったトリックは、それなりに面白かったけど。
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「ミステリ界の魔術師」の異名を持つ泡坂妻夫の『乱れからくり』を読了。 一言で言えばトリックのオンパレード。タイトルどおりのからくり乱れ打ち。古今東西のからくりが作中で紹介されていたのですが、全然知らないものが多く、とても楽しめた。 最後の最後、犯人が明らかになるまで疑われてい...
「ミステリ界の魔術師」の異名を持つ泡坂妻夫の『乱れからくり』を読了。 一言で言えばトリックのオンパレード。タイトルどおりのからくり乱れ打ち。古今東西のからくりが作中で紹介されていたのですが、全然知らないものが多く、とても楽しめた。 最後の最後、犯人が明らかになるまで疑われている人物がいるのだが、そのまま終わりだとあまりに釈然としない。結局はどんでん返しがあるわけですが、驚きの結末を迎える。なかなか意外性のある犯人と言えた。 残念な点を挙げるとするならば、登場人物に魅力がなかったということと、ありえない程の偶然の出来事が起きた上での事件だということ。 とは言っても、偶然の出来事は他の作品にもあることだし、それがまた本作の魅力を引き出しているとも言える。
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