絆 の商品レビュー
1947年生まれ。 登場人物が同世代の人々である。 データベス社会に勤めているかたわら、 書いたと思えない文章の緻密さ。 <構想力>が実にすぐれている。 「障害者」という社会の底辺に 位置づけられている人をめぐって「健常者」 からのよぶんな゛気くばり゛ーそして「意識」 障...
1947年生まれ。 登場人物が同世代の人々である。 データベス社会に勤めているかたわら、 書いたと思えない文章の緻密さ。 <構想力>が実にすぐれている。 「障害者」という社会の底辺に 位置づけられている人をめぐって「健常者」 からのよぶんな゛気くばり゛ーそして「意識」 障害者側からの視点も明らかにしてある。 「仕事をとおして生きる喜びをあじわい、 成長していくわけです。」 とても美しい女性ー 「奈緒子」と精神薄弱な弟をもった悲劇。 互いに「過去の事件」を背負っているがゆえに 「かばいあっている。」
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「絆」 日本の、法廷物ミステリーの名作をご紹介。 ミステリーでは、裁判で真実を暴く、というのが王道ですが、小杉作品は「暴いてはいけない真実もあるのではないか、真実とは何か?」が大きなテーマとなっている作品が多いですね。社会的弱者を題材にした作品を数多く発表していますが、「絆」はそ...
「絆」 日本の、法廷物ミステリーの名作をご紹介。 ミステリーでは、裁判で真実を暴く、というのが王道ですが、小杉作品は「暴いてはいけない真実もあるのではないか、真実とは何か?」が大きなテーマとなっている作品が多いですね。社会的弱者を題材にした作品を数多く発表していますが、「絆」はその中でも感動的作品です。
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私自身法廷ミステリーは初めて読みました。質疑応答が淡々と繰り返されるため、落ち着いて冷静に読みすすめることができました。おかげで、障害者の気持ちや精神障害者を受け入れるために社会がどうあるべきなのか、などをじっくり考えることができました。
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法廷ミステリーものですが、一気に読みたくなるとても面白い展開です。小杉健治の本は初めて読みましたが、なかなか良かったです。
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先日、コミックスで「家裁の人 全10巻」を読み終えたばかり。 カバーのかかった「次に読む本」候補、数冊の中から目をつむって選んだのが、この本。 帯の「書店員さん大絶賛」の惹句に思わず購入。第41回(1988)推理作家協会賞受賞作。 これほど上手い文章は久しぶりです。 展開に無駄...
先日、コミックスで「家裁の人 全10巻」を読み終えたばかり。 カバーのかかった「次に読む本」候補、数冊の中から目をつむって選んだのが、この本。 帯の「書店員さん大絶賛」の惹句に思わず購入。第41回(1988)推理作家協会賞受賞作。 これほど上手い文章は久しぶりです。 展開に無駄やゆるみが全然ないんです。 時間が空いたのでちょっとだけ読もうと、ページを繰っていたら、あっという間に10ページは進んでいます。おまけに活字を追っているのも忘れてしまうほど没入してしまいます。 法廷劇です。夫殺し罪を認めている主婦の裁判を、幼馴染でもあり、かつては憧れてもいた新聞記者の私が傍聴します。 3分の1くらいで、大体、犯人の予想はつくのですが、その予想が、途中で2転3転します。そのうちに、自分は完全に新聞記者の私になりきってしまいます。 読後感良好!! なぜもっと早くにこの作家に出会わなかったことが悔やまれます!!
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裁判を軸とした推理小説。 続々と暴かれる真実は推理小説の常套だが、この本では精神障害を持つ子供と言う大きく重いテーマについて考えさせられる。 障害児本人は不幸など感じていないこと、社会の受け入れ方が不幸な状況を生み出すのだ、ということを改めて認識させられた。 思った以上に良い作品...
裁判を軸とした推理小説。 続々と暴かれる真実は推理小説の常套だが、この本では精神障害を持つ子供と言う大きく重いテーマについて考えさせられる。 障害児本人は不幸など感じていないこと、社会の受け入れ方が不幸な状況を生み出すのだ、ということを改めて認識させられた。 思った以上に良い作品だった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
【絆】 小杉健治さん 会社社長、弓丘勇一が殺害された。そして 彼の妻である奈緒子が犯人として逮捕された。 彼女は当初犯行を否認していたが、アリバイも無く 証拠品が発見され、ついに犯行を認めた。 彼女と弓丘氏の間には離婚話も出ていたのだ。 裁判では、当初水木が弁護に当たっていたが 水木は、この裁判の弁護を原島に委託した。 原島は、かつて自分の妻と娘を殺した犯人を 弁護したことのある弁護士だった。 彼は「人間の尊厳を守ることは、真実をおいて ほかに無いと確信する」という信念をもって 弁護にあたる弁護士だった。 彼は、奈緒子は犯人ではないが、何かの理由で あえて、殺人犯として罪を受けようとしていると 考えていた。 奈緒子にとって、真実を暴かれるコトは 殺人犯として、起訴されるよりもツライコトだとは 分かってはいても、彼は彼の信念に基づいて 奈緒子の秘密を暴き、裁判を進めていく。 障害者の家族を持っていた奈緒子。 彼女が殺人犯の汚名を受けてまで、 庇おうとするモノは何か。。 障害者への偏見や、障害者を持つ家族の苦悩。 そして、隠し続けてきた過去。 ソレを原島弁護士があらわにしてゆく。 ☆ 小杉さんの法廷ミステリーシリーズの中の一冊。 奈緒子の弟で障害者の寛吉。 彼の優しさと、あえて家族を捨ててまで、 身を隠さなければならなかった彼の哀しさ。 そういうモノが強く心に伝わってきました。
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父ちゃんが「面白いから読んでみな~」と薦められて読んだ一冊。 ほんとに良い作品でした。 自分が障害児教育に関わっているからということもあると思うんだけど、 すごく考えさせられる作品でした。
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法廷小説の裏側に、家族に障害を持った者が生まれたら、人はどうするのか、どうあるべきなのか? という深い内容が盛り込まれていて、それが「絆」というタイトルに結びついているように思った。 「自分を犠牲にしてまでも、守らなければならないもの」 今の私にはないかもしれない。 でも、子ど...
法廷小説の裏側に、家族に障害を持った者が生まれたら、人はどうするのか、どうあるべきなのか? という深い内容が盛り込まれていて、それが「絆」というタイトルに結びついているように思った。 「自分を犠牲にしてまでも、守らなければならないもの」 今の私にはないかもしれない。 でも、子どもを産んだら、迷うことなく、「私の子ども」と言うだろう。 「障害」そして「絆」について深く考えさせられた作品だった。
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夫殺しを自白している被告人。 しかし弁護士は、 一見何も関係ないと思われる過去の事件(出来事)を探し出し、 被告人が冤罪であることを主張する。 過去に隠された絆の深さが切なくも心を打つ。 法廷モノはとても重いが、読後感は悪くない。良かった!
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