そして扉が閉ざされた の商品レビュー

岡嶋二人(著者)

2016/01/10

こいつが犯人だろ。ってのは、結構簡単に分かってしまうのだが、まあ、そんなことはどうでも良くって面白い。

もっとも、犯人予想は伏線があってそっから読み取れるってわけじゃなく、メタ的な予想だから話の出来が悪いってわけではない。

ただ、なるほどなー、と思わせる部分もあるけれど、結構、予想できる範囲でのストーリー展開だけに満足感はあまりないかも。

分量も多くないから気軽に読み解いていく。そんな軽い気持ちで読めてしまうのが良いところかもしれない。

2015/12/04

密閉された核シェルターのなかで関係者4人が3カ月前の事件の真相を推理する。設定は面白いが、内容的にあまり入り込めなかった。結末はテレビの2時間サスペンスみたいだったし。

2015/11/08

富豪の一人娘が不審な事故で死亡。数ヶ月後に彼女の遊び仲間だった四人の男女が遺族の手で核シェルターに閉じ込められ、脱出を試みながら真相を推理していく、という物語。

閉じ込められるのが核シェルターということもあって、究極のクローズドサークルと聞き、本作品を読んでみました。この作家さんの作品を読んだことがなかった、というのも選んだ理由ですね。

この作品、とても読みやすいです。

物語は始終、核シェルターの中にいる会話と主人公の回想から成り、派手さはないのだけどテンポがよく、長さの割に飽きてきません。主要メンバーが四人というのも分かりやすい。事件は、被害者一人に容疑者四人なので関係者を合わせると五人となるわけですから、その少なさに読んでいるこちらが心配になりますね。すぐに犯人が分かってしまうのではないかと。

当然、四人全員が犯行を否定します。そこで、各人の行動を聞いたり、主人公が回想したりして、少しずつ行動や時間的な事実から真相を論理的に積み上げて行きます。裏表紙には「四人が死にものぐるいで脱出を試みながら推理した意外極まる結末は？」とあるのですけど、本当に丁寧に推理していくので、正直なところ「意外極まる」ということはないかな、と思います。落ち着くところに落ち着いた、という感じでしょうか。

クローズドサークル、と聞いた時どういったシチュエーションを連想するでしょう？私は”吹雪の山荘”。外部から侵入の形跡がなく、容疑者が限定された空間での殺人劇であり、警察などの科学的捜査が及ばない中、事実を考察して犯人を探し当てる、というものです。

今回の作品は、そういった意味で少々クローズドサークルからは外れるのかな、と思います。

実際に事件が起こったのは、核シェルターの外ですし、一応事故として処理はしたものの警察が介入しています。閉じ込められた四人が実地検分できないという意味では、安楽椅子探偵に近いんじゃないかな。ですので、”吹雪の山荘”を想像して読むと多少ガッカリするかもしれません。

それでも、適度な緊張感はありますし、登場人物の多さに混乱することもないので、読みやすく（文章自体も）、個人的にはミステリ初心者に是非お薦めしたい作品です。

ちなみに。

島田荘司さんによる解説が添えられていますが、読了前に読まない方がいいかもしれません。ネタバレというほどではないんですけど、物語の推論が丁寧なので、解説は読まずに本文を読みながら一緒に考察してほしいです。

2015/10/16

読みやすく、先が気になる展開でサクサクと読み進めました。
登場人物全般に魅力を感じなかったのですが、舞台と、トリックと展開、どれも申し分ない良作でした。

核シェルターという密室に閉じ込められた4人。

事故死と思われていた死亡原因を密室から脱出するため4人が会話しながら推理する。

各シェルターというミニマムな舞台で、登場人物も最小限。
この著者の他の作品も読んで見たいと思わせる作品でした。

2015/08/29

信じられないところに閉じ込められた4人だけで進むミステリ。舞台や進め方、最後にえ？と思わせる鮎美の笑いとセリフ。なかなか。

2015/07/31

密室の恐怖が伝わって来て、また徐々に明らかになる過去の秘密が知りたくて一気読み。
真犯人には腰を抜かしたが、そんなんある？って思ってしまった。

2015/05/09

「このミステリーがすごい！」から選択。
これも「そして夜は甦る」同様、88年の作品。
でもこっちは古臭さがないし飽きない。
これだけのネタでこれだけ引っ張れるのはすごいしね～
でもさぁ、１日一緒にいただけで、そんなに人を好きになれるか？
突っ込みどころは違うかもしれないが。
それにしても、これはフェアなのか？
「クラインの壷」も好評なようだけど、どうしようかなぁ。
プロフィールを見たら、岡嶋二人というのは徳山さんと井上さんというお二人のペンネームだそうだ。
面白い。というか、そんなの初めて読んだかも！

2015/03/12

これぞミステリーという感じ。シンプルながら楽しませてもらいました。

目が覚めたら、数ヵ月前に会った四人が謎の空間に閉じ込められていた…。

『インシテミル』みたいな展開になるのかな？と思いきやそうではなく、その数ヵ月前に起きたとある事件の真相を探っていくというもの。
ラストに明かされる意外な真実には驚きました。

2014/11/25

男2人女2人が地下の核シェルターに閉じ込められた状態から話が進む。4ケ月前に金持ちの咲子が転落事故死したが本当は殺されたのでは？と疑いを持った咲子の母親が容疑者を閉じ込めたのだが…あまり緊迫感が無く密室で犯人探しを仲間内でやってる展開、真相は意外だったが咲子がクソ女だったせいで同情も湧かない話だった。

2014/10/13

地下シェルターに4人の男女が閉じ込められちゃうお話です。娘の死を不審に思うお母さんがとの駆引きや4人の男女のやり取りがリアルです。そんなに緊迫感、圧迫感がないので読み易いと言えば読み易いです。