14歳からの哲学 の商品レビュー
何と深く、分かり易い問いかけの言葉の数々!中学生への問いかけの形をとりながら、すべての人類の根源に迫るような考えさせる言葉。ある意味で私自身も子どもの頃からふしぎに思っていた問いの数々かもしれない。圧倒された。「考える」「言葉」「自分とは」「死」「他人」「体」」「心」「恋愛」そし...
何と深く、分かり易い問いかけの言葉の数々!中学生への問いかけの形をとりながら、すべての人類の根源に迫るような考えさせる言葉。ある意味で私自身も子どもの頃からふしぎに思っていた問いの数々かもしれない。圧倒された。「考える」「言葉」「自分とは」「死」「他人」「体」」「心」「恋愛」そして更に視野を広げた「宇宙」「歴史と人類」「善悪」「自由」「宗教」「人生の意味」「存在の謎」など。まずは「生きていることは素晴らしいか、つまらないか」から始まる。そして「悩むべきではなく、考えるんだ!」と勧める。「わからない、ということは答えではなく、問いなのだ」一々うなずける主張である。考えることを求めるこの本は、デカルトの「考えるゆえに我あり」に匹敵する思想ではないだろうか! 特に次の言葉は私のような大人にとっても大きな励ましだった。「考えるということは、ある意味で、自分との対話、ひたすら自分と語り合うことだ。だから、孤独というのは、決して空虚なものではなくて、とても豊かなものなんだ。もしこのことに気がつい たなら、君は、つまらない友だちとすごす時間が、人生においていかに空虚で無駄な時間か、わか るようになるはずだ。 ただ友だちがほしいって外へ探しに行く前に、まず一人で座って、静かに自分を見つめてごらん。そんなふうに自分を愛し、孤独を味わえる者同士が、幸運にも出会うことができたなら、そこに 生まれる友情こそが素晴らしい。お互いにそれまで一人で考え、考え深めてきた大事な事柄について、語り合い、確認し、 触発し合うことで、いっそう考えを深めてゆくことができるんだ。」「生きる苦しみや死ぬ怖れに出合って、人はそのことの意味や理由を求める。そうしなければ、その苦しみを納得できないと思うからだ。でも、いいかい、納得できないということなら、宇宙が存在する、なぜ存在するのかわからない宇宙がなぜか存在するというこのこと以上に、納得できないことなんかあるだろうか。 宇宙が存在するということは、神が創ったのではない宇宙が、しかし存在しているというこのことは、とんでもないこと、ものすごいこと、まったく理解も納得もできないことではないだろうか。 これは、奇跡なんだ。存在するということは、存在が存在するということは、これ自体が驚くべき奇跡なんだ。存在するということには意味も理由もない、だからこそ、それは奇跡なんだ。」 そして次の言葉は圧倒的な感動!この人は神を信じていたのだろうか。「この不思議の感覚、奇跡だという感情は、おそらく、敬虔な信仰をもつ人が神様に捧げる祈りに似ている。自分を超えた存在や力に自分の心において出会うんだ。人は、驚きと同時に、深い畏れを知る。 そして、この苦しみは神から与えられたものだと、ごく自然に思えるようになるのだろう。 このような信仰こそ美しいものだ。それは、考える精神が、考えに考えた果てに至り着く感覚と同じものだ。感謝という感情があるね。君は、人に何かをしてもらった時、感謝して 「ありがとう」と言うね。 あの「ありがとう」とは、もともとは、この奇跡の感情を言うものなんだ。 在る理由のないものがなぜか在る。 この驚きに発するものなんだ。だから、存在への驚きを知る人や敬虔な信仰をもつ人は、苦しみにすら感謝して、「在り難う」と言うだろう。苦しみや、むろんのこと喜びという経験 を、この身に経験することができるのは、宇宙が、自分が、なぜか存在するからこそだ。 やっぱりこれはものすごく在り難いことだと思わないか。」
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こういう風に考えることは新鮮だった何が何だかわからないけどわからないままわからないなりに考えていきたいと思った、でもやっぱり難しいなあ〜 読むのにも結構体力がいる…
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14歳の頃に出会っていれば、とは思わなかった。 むしろ、批判的な考えを持つことも出来て、経験を積んでなるほどと思える部分もある今読んでよかった本。 面白い章とそうでない章が顕著に別れていた。 「親は君が生まれるまで君の親ではなかった」など、なるほど!と思わされる部分もある反面、た...
14歳の頃に出会っていれば、とは思わなかった。 むしろ、批判的な考えを持つことも出来て、経験を積んでなるほどと思える部分もある今読んでよかった本。 面白い章とそうでない章が顕著に別れていた。 「親は君が生まれるまで君の親ではなかった」など、なるほど!と思わされる部分もある反面、ただの新しいもの嫌いでは?と思わされる部分も多かった。 科学の発展と、流行の文化に対しては頭ごなしに否定している印象。 科学も哲学も、もっと知りたい•もっと良く生きたいという願望から生まれている点では同一なはずなのに、なぜ一方だけが正しいことになっているのかはちょっと理解不能。流行の文化にしても、今生きている人が今の社会を見て作ったものなんだから、古典と違ってフィルターをくぐっていないからという理由でそこまで批判される謂れはないような気がしてしまう。 なんでも触れて考えてみようというタイプの自分としてはむしろ14歳には読ませたくない本に分類されるかもしれない。大人が考える材料として使うには分かりやすい本。
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若松英輔先生の『詩を書くってどういうこと?』からのつながりで読んでみた。けど、若松先生の著書で読んだ時ほど響くものはなかった。事実誤認に基づく内容もあったので、星2つ。
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興味の唆るタイトル。学校では教えることのできない真実。とにかく考えること。既成概念の無い真っ白な時に出逢いたかった。「過去」でもなく「未来」でもない。今を考えながら生きる。
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本当に難しかった。しかし今まで本を読んできて良かった。この本に出会えて良かった。自分の存在についてなんて考えたこともなかった。一生かけて辿り着く世界への補助線がこの本によって引かれた。自分がなぜ存在するのか=宇宙はなぜ存在しているのか。 考え続けたい
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哲学をゼロから学んでみたいと思い、手に取った一冊 これまで当たり前だと思ってきたことも、改めてよく考えてみよう、という著者のメッセージが明確で、読んでいてよく考えさせられる 表紙に書かれた「考えるための教科書」というサブタイトルに妙に納得 おそらく10年後も20年後も色あせ...
哲学をゼロから学んでみたいと思い、手に取った一冊 これまで当たり前だと思ってきたことも、改めてよく考えてみよう、という著者のメッセージが明確で、読んでいてよく考えさせられる 表紙に書かれた「考えるための教科書」というサブタイトルに妙に納得 おそらく10年後も20年後も色あせないであろう内容で、何度も読み返したいと同時に、まだ幼少期の自分の娘、息子が将来この本を読んだとしたら、何を感じたるのか語り合ってみたい 言葉遊びでは?と感じられる部分も個人的にはあるものの、文章自体は難しくなく読みやすい ドキッとした一言 精神が豊かであるということだけが、人生が豊かであるということの意味
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生きる って素晴らしいこと?つまらないこと? 誰でも一度は思うことからはじまった一冊は 考えるということ、正義とは、生死、恋愛、善悪、宗教、宇宙…と30章に分かれて進んでいく。 著者は、『答え』は示さない。 しかし読んでいくうちに、考え方や、考えるまでのヒントがある。 正直...
生きる って素晴らしいこと?つまらないこと? 誰でも一度は思うことからはじまった一冊は 考えるということ、正義とは、生死、恋愛、善悪、宗教、宇宙…と30章に分かれて進んでいく。 著者は、『答え』は示さない。 しかし読んでいくうちに、考え方や、考えるまでのヒントがある。 正直読みにくい。それは、ごくごく簡単で当たり前のことを深く考える時にぶつかる壁のようなもの。 私は特に、善悪の章が深く刺さった。 この本を読んで、なるほど!と思うことは少ないが、それがいい。 本を読んで知ることと、自分で考えることは違う。 考えるきっかけづくりとして本書は良い本だ。 大切にしていきたい一冊!
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「本当にそう思う」ことと、「本当にそうである」ことは違うこと。「考えること」が、全世界を測る正しい定規になる。 言葉の意味は、すべての人に共通してたったひとつ。「正しい」という言葉で考えると、「正しさそのもの」は、我々の共通認識の中にある 「社会」は、それぞれの人のうちの観念...
「本当にそう思う」ことと、「本当にそうである」ことは違うこと。「考えること」が、全世界を測る正しい定規になる。 言葉の意味は、すべての人に共通してたったひとつ。「正しい」という言葉で考えると、「正しさそのもの」は、我々の共通認識の中にある 「社会」は、それぞれの人のうちの観念以外のなにものでもない→社会を責めることに意味はなく、自分自身を変えなければならない。 世の全ては人々の観念が作り出しているものであり、自分の外側に存在するわけではない。「社会の動き」とは、「人々の観念の動き」に他ならない。 善悪の判断は、社会がなすべきことではなく、自分が内側でなすべきこと。(その結果法律を破ったら、罰を受けることを覚悟しなければならない) 孤独を愛することができる人は、自分を愛することができる人。自分を愛することができる人が、他人を愛することができる人。 自尊心を大切にする。自尊心と虚栄心は微妙に違い、自尊心は自分の価値を知ることであり、自分の価値より他人の評価を価値とすることであれば、自尊心ではなく虚栄心だ。 【殺人はなぜ悪いの?】 絶対的な「よい悪い」も、殺人、売春のような相対的な「良い悪い」のおうに、具体的な形があるものだと、人々は勘違いしている。しかし、道徳や法律は、時代や国という自分の外にあるものによって変わるため、絶対ではない。 善悪の基準を自分の外に求めるという思い込みは、とにかく深い。正解は、「良いと悪いを判断する基準は、自分の内にしかない」ということだ。それは、「よい」「悪い」という絶対的な価値の言葉を、自分の内に、確実に所有しているから。 →「よい」と思うことを、人はしている。 悪いことをする自由がないのは、「自分にとって悪いことだから自由なことではない」ということ。 自由というのは、他人や社会に求めるものではなく、自分で気が付くもの。精神さえ自由ならば、人間は完全に自由でありうる。 【生きることはむなしいことか?】 死ぬということは「無」に帰すということ。しかし、無は「ない」ため、「ない」ことを「ない」自分が嘆くことはできない。つまり死は「ない」、死を前提にして生きることはできない。 →死は無いのだから、生の時間は、終点としての死へ向かって前方に直線的に流れているものではなく、ただ、「今」があるだけ。
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哲学とは、諦めない学問のことを言うのかもしれないと、この本を読んで思いました。 気高い精神について説く文章を読んでいるとき、ジョジョの奇妙な冒険を読んでいるときと同じ類の熱さを感じました…。気高く飢える!孤独は素晴らしいもの。格好いいです…。 自分とは何か、という問いは、世の中...
哲学とは、諦めない学問のことを言うのかもしれないと、この本を読んで思いました。 気高い精神について説く文章を読んでいるとき、ジョジョの奇妙な冒険を読んでいるときと同じ類の熱さを感じました…。気高く飢える!孤独は素晴らしいもの。格好いいです…。 自分とは何か、という問いは、世の中の様々な疑問について考えるときに、常に付随してくるものなのだと思いました。
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