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の商品レビュー

4.2

190件のお客様レビュー

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2024/06/14

この本は本当にすごい、凄まじく素晴らしい。不可解で退廃的な魅力と不思議な清らかさ。三度目の読破ですが、いつも変わらぬ衝撃を受けます。圧倒的です。 

Posted byブクログ

2024/05/03

軽井沢の魅力的な風景、学生運動の渦巻く時代に伴った心理描写やその他の要素。 何より「恋」という率直ながら大仰しい題名に向き合った、悲しくて耽美な物語。  文章も巧みで、読み応えがありました。

Posted byブクログ

2024/01/28

第114回直木賞受賞作。 読み進めるのに苦労したというか… 辛い気持ちにさせられるというか… 女子大生が奔放な結びつきの大学教授夫妻に惹かれて、その関係に陥っていく物語。 『恋』とは… どう表現したらいいのだろうか。

Posted byブクログ

2023/09/27

著者の作品は過去に何作か読んだことがある。短編集が読みやすい印象があった。 久しぶりに著者の作品を手に取った。 浅間山荘事件の時代、昭和の真っ只中が描かれ、官能のシーンが情景が浮かび上がるように丁寧に表現されている。主人公に共感は出来ないが、彼女の揺れ動く心、胸の内は理解出来る不...

著者の作品は過去に何作か読んだことがある。短編集が読みやすい印象があった。 久しぶりに著者の作品を手に取った。 浅間山荘事件の時代、昭和の真っ只中が描かれ、官能のシーンが情景が浮かび上がるように丁寧に表現されている。主人公に共感は出来ないが、彼女の揺れ動く心、胸の内は理解出来る不思議な体験ができた。やはり3人が強く繋がっていたことがわかるエンディングで救われる。

Posted byブクログ

2023/09/14

タイトルの壮大さから、どんな物語か想像つかず読み始めたら色々な設定がとんでる部分があり、「またまた…無理あるでしょう」と序盤は冷静に眺めていました。 読み進めていくと、布美子、信太郎、雛子たち登場人物がとても立体的に思えてきて、一緒にラストまで落ちていくようにさえ感じました。 ...

タイトルの壮大さから、どんな物語か想像つかず読み始めたら色々な設定がとんでる部分があり、「またまた…無理あるでしょう」と序盤は冷静に眺めていました。 読み進めていくと、布美子、信太郎、雛子たち登場人物がとても立体的に思えてきて、一緒にラストまで落ちていくようにさえ感じました。 恋って言うとなんだか響きがよく、キラキラした印象を受けますがこの本でかなりイメージを覆されました。恋という曖昧な言葉の、醜いところや虚無感をかなり凝縮したようなお話。

Posted byブクログ

2023/08/05

なんか…恋っていうレベルが違いすぎて正直布美子の気持ちは理解できなかったわ。大人って…恋って複雑だ…難しいね。

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2023/05/21

久しぶりに小説らしい小説を堪能しました。 殺人罪で10年の服役を終えた後、世の中から隠れて静かに生きてきた女性の葬儀から始まり、死の前、彼女からその犯罪に至った真相を聞いたノンフィクション作家の回想となります。 事件は、彼女が女子大生の時、学生運動の終焉浅間山荘事件のその日に起こ...

久しぶりに小説らしい小説を堪能しました。 殺人罪で10年の服役を終えた後、世の中から隠れて静かに生きてきた女性の葬儀から始まり、死の前、彼女からその犯罪に至った真相を聞いたノンフィクション作家の回想となります。 事件は、彼女が女子大生の時、学生運動の終焉浅間山荘事件のその日に起こりました。 エネルギーはあるけれど、退廃的な学生運動と、彼女がのめり込んでいく、ブルジョアな奔放的享楽の生活が、反しながらも、その時代に共鳴していくような。 彼女は、大学教授夫妻とアルバイトを通じて知り合い、夫婦それぞれの魅力と、二人の倒錯的な関係性に魅了されていく。“恋”は、この三人のバランスの上に成り立つ、特異な純愛感情でした。永遠に続くと思われたこの関係が、異分子が入り崩れていきます。 最後まで、官能的で虚無感漂う魅惑的な作品でした。

Posted byブクログ

2023/03/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

恋  小池真理子 23-3-5 主人公である矢野の葬式から回想するようにしてこの物語は進んでいく。導入めちゃかっこよかった。 矢野が慎太郎と雛子に出会い、歪とも言える関係を築く前半、物語は全体的に官能的でどこか神秘的な雰囲気を持ちながら進んでいく。 「ひょっとすると自分たちこそが世界であり、自分たちを取り巻いているこの満天の星空のほうが世界の外側にあるのではないか。」これはローズサロンに出てくる一文なのだが、3人の関係は書かれている通りローズサロンそのものであり、進むにつれその関係はより閉鎖的に、より密度を大きくしていったように思う。矢野は夫婦に恋をして、依存して、また夫婦もそれを受け入れた。 そして後半、封鎖的に作られた3人の空間は雛子の新たな“恋”によって崩れ始める。狭い空間を築いていただけに雛子が抜けてできた穴からは大量の水が流れ込み残された二人を飲み込んだ。破滅的なラストを迎えるとわかっているのに、ページが進むにつれ息苦しさは増し、指が震える。 淡々と破滅に向かって進んでいくこの物語には、ところどころ矢野の後悔が生々しく散りばめられている。矢野が起こした事件によって得られた成果と言える現実を矢野は知ることなく死んでいった。 終盤、息が苦しかった。もう少し救いがあってもいいはずだった。 こんなに読みながら震えてハラハラした小説は初めてだった。人、風景、心情どれをとってもとても美しい描写だった。 挑戦的なタイトルと導入。そしてそれを上回る化け物みたいな中身だった。最高。

Posted byブクログ

2023/01/15

なかなか読むのに苦労してしまった。ホラー小池真理子しか読んでなかったんで、思ってた小池真理子と印象が随分違うのと、大部分を占める独白部分がなかなか読み進められず。それを挟む序章と終章は穏やかでとても情緒深い。変に感動を取りに行かないのも良かったが、その分一層悲しい。

Posted byブクログ

2022/11/23

文句なし!全くの無駄、誤謬なし! 精緻すぎるほど美しい物語と情景描写 直木賞や芥川賞の作品はいくつか読んだけど、現時点では「恋」に勝るものはないと感じた ただただ美しい、そして、物悲しい… 小池真理子の真髄を見た気がした

Posted byブクログ