恋 の商品レビュー
登場人物と事件を追いかける語り手である新聞記者の眼を通して追いかけるお話です。 大きな事件の陰で忘れられたもう一つの時代の犠牲、さらにその影の奥で繰り広げられる人間ドラマ。 どろどろしていてさらっとしていて、ファンタジーのようなリアルのような、人と人との触れ合いの物語です。 ほん...
登場人物と事件を追いかける語り手である新聞記者の眼を通して追いかけるお話です。 大きな事件の陰で忘れられたもう一つの時代の犠牲、さらにその影の奥で繰り広げられる人間ドラマ。 どろどろしていてさらっとしていて、ファンタジーのようなリアルのような、人と人との触れ合いの物語です。 ほんの少し官能的に描かれた男と女とただの人がゾッとするくらい見せてくれる作品でした。 そういえば二年位前に同じ著者の『欲望』っていう本も読んだのですが、 アレはなかなか官能艶美なお話でした。失楽園とかに似た感じかな。 エロスの中に人間関係が色濃く書かれてて読み応えあったなあ。
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1972年冬。全国を震撼させた浅間山荘事件の蔭で、一人の女が引き起こした発砲事件。当時学生だった布美子は、大学助教授・片瀬と妻の雛子との奔放な結びつきに惹かれ、倒錯した関係に陥っていく。が、一人の青年の出現によって生じた軋みが三人の微妙な均衡に悲劇をもたらした…。全編を覆う官能と...
1972年冬。全国を震撼させた浅間山荘事件の蔭で、一人の女が引き起こした発砲事件。当時学生だった布美子は、大学助教授・片瀬と妻の雛子との奔放な結びつきに惹かれ、倒錯した関係に陥っていく。が、一人の青年の出現によって生じた軋みが三人の微妙な均衡に悲劇をもたらした…。全編を覆う官能と虚無感。その奥底に漂う静謐な熱情を綴り、小池文学の頂点を極めた直木賞受賞作。 これぞ直木賞という惹き込み。怠惰で情熱的で、憧れを抱かせる何か。。。疲れるけど。
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容も、ページ数も、 まさに「ずっしり」と重たい一冊でした。 連合赤軍が浅間山荘事件を起こし、日本国中を震撼させた1972年冬、に起きていたもうひとつの事件―。 とてもとても普通の感覚では理解の出来ない 三角関係が引き起こした悲しい出来事。 頭で理解するというよりは...
容も、ページ数も、 まさに「ずっしり」と重たい一冊でした。 連合赤軍が浅間山荘事件を起こし、日本国中を震撼させた1972年冬、に起きていたもうひとつの事件―。 とてもとても普通の感覚では理解の出来ない 三角関係が引き起こした悲しい出来事。 頭で理解するというよりは、心で読まないと 腹に落ちないんだろなぁと、感じます。 人間の本能に迫っているという感じです。 大作です。
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私は気に入った小説は何度も読み返す派です。 この作品も例外なく3回読み返しました。 映像化した場合のキャスティングを考えるのも趣味です(妄想癖あり)。 布美子・・堀北真希 信太郎・・木村拓也 雛子・・・大塚寧々 大久保・・松山ケンイチ 45歳の布美子は黒木瞳で、鳥飼は役所広司...
私は気に入った小説は何度も読み返す派です。 この作品も例外なく3回読み返しました。 映像化した場合のキャスティングを考えるのも趣味です(妄想癖あり)。 布美子・・堀北真希 信太郎・・木村拓也 雛子・・・大塚寧々 大久保・・松山ケンイチ 45歳の布美子は黒木瞳で、鳥飼は役所広司です! この通りに映像化されないかな・・・
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私が手に取った初めての恋愛物。そして初めて読んだ小池真理子さんの本であった。なんとも切ない気持ちになった記憶がある。また、いつか読んでみたい本のひとつ。 今思えば、私が小説を沢山読むようになったのもこの本に出会ったからかもしれない。
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直木賞受賞作。 ラストシーンではほろ苦く温かいものがこみ上げてきて、じわりと涙が浮かんだ。 決して常識から考えたら正しいとは言えない布美子と片瀬夫妻の関係。しかし、今もなお片瀬夫妻の庭に生きるマルメロの木が3人の過ごした時に清らかな愛が確かに存在してことを証明している気がした。「...
直木賞受賞作。 ラストシーンではほろ苦く温かいものがこみ上げてきて、じわりと涙が浮かんだ。 決して常識から考えたら正しいとは言えない布美子と片瀬夫妻の関係。しかし、今もなお片瀬夫妻の庭に生きるマルメロの木が3人の過ごした時に清らかな愛が確かに存在してことを証明している気がした。「精神!目に見えないもの。形のないもの。そのくせ変幻自在で、まとまりのつかないもの。肉体に比べて、常に高尚な役回りを担っているもの……そんなものだけを求めるなど、不潔な行為としか思えなかった。」 (07年8月10−11日)
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欲望 に引き続き積読より引っ張り出して・・・ 若手の作家さんが増え、登場人物がどんどん若くなっていく中、年上作家さんの著書は臨場感のある時間の共有と、尊敬を感じながら読めます。 私は学生運動あとの世代なので、まわりには一人もそれらしき人はいなかったけど、浅間山荘事件も全共闘も今...
欲望 に引き続き積読より引っ張り出して・・・ 若手の作家さんが増え、登場人物がどんどん若くなっていく中、年上作家さんの著書は臨場感のある時間の共有と、尊敬を感じながら読めます。 私は学生運動あとの世代なので、まわりには一人もそれらしき人はいなかったけど、浅間山荘事件も全共闘も今と同じ身長になってからの出来事ですから、記憶も鮮やかです。 主人公のふーちゃんは推定私より5歳上な感じ・・著者の小池さんと同じくらいな歳設定です。 軽井沢と東京が舞台となりますが、当時の軽井沢が目に浮かびます。 元子爵の別荘の別邸の位置も18号から辿って行けるくらい鮮やかに浮かびます。 私が物心付いた頃から見ていた同じ浅間山を、登場人物たちも見ていた気がしました。 読んでて思ったのが、ヨーロッパの映画みたいだな・・・ってこと。 今は子爵とか死語になりつつありますが、私の幼い頃にはまだ『元子爵』って言葉は、親の世代の人たちの口から聞ける言葉でした。 子供ながらに優雅で美しい響きと受け取っていました。 母方の祖母のお供で旧道の別荘を訪問したりすると、手伝いの人たちから『みほさま』って呼ばれてびっくり!な時代だったんですよ・・今は昔のお話です・・・(笑) 新しいもの好きの私ですが、ここのところあの頃手に取っていただけで『あなた・・●●なの?』って分けられるような気がして読めなかった本、今ならなんの躊躇もなく読める歳になりました。 もう本に影響されたり、人生を左右される恐れもありませんからね^_^; これからはちょっと古い本も読み直したいってせつに思い始めました。
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小池真理子にはまったきっかけの一冊です。彼女の作品を初めて読んでそしてはまりました。 今考えると中学生には少し早い気がします。ここから小池真理子読み漁りました。
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題名から想像したストーリーと違っていて、小説的なストーリーでした。 現実的でないから、楽しめるという見方もできますが・・・。
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友達に借りて読んだ本☆ 主人公の気持ちが手に取るように理解出来ちゃったのが怖ぃ。 自分がその状況におかれたら同じ事はしないけど、、一歩間違えるって言うのが怖ぃ。 内容はあるライターの人が過去に人を殺してしまった女の人に話を聞いて、その話の内容ががストーリーになってるって感じ...
友達に借りて読んだ本☆ 主人公の気持ちが手に取るように理解出来ちゃったのが怖ぃ。 自分がその状況におかれたら同じ事はしないけど、、一歩間違えるって言うのが怖ぃ。 内容はあるライターの人が過去に人を殺してしまった女の人に話を聞いて、その話の内容ががストーリーになってるって感じです。 そんな簡単な話じゃないんですけど、大まかに言うとそんな感じ(σ・∀・)σ 最初は三角関係になるのかな・・と思ったけど、そんなんじゃなくてそれぞれが恋してるって感じだった。 美男美女のカップルを見て私も昔思ったゎ。。2人で一つみたいな。 特にその男の人を好きになるでもなくて、2人は一緒にいて欲しいなって。 なんか不思議な気持ちを思い出した、、。男の人もそんな事思ったりするのかな?? ストーリーと恋ってタイトルが結びつかなかったけど、最後は何となく分かった気がする。 人は本当に恋をしちゃうと何も見えなくなっちゃうんだなぁって(´;ω;`) 今までの生活を捨てても、その人と一緒に居たいって思うんだな。それははっきり良いとは言えないけど。 あと、浮気について。 体の浮気なら許せても、心の浮気は許せないもの?? どっちも嫌だろうけど、やっぱり心が動いちゃうのが一番辛いんだなぁ。 夫婦でもさ、風俗に行くのは許せるって人は居るよね。 しかも行くのが当たり前みたいに言う男も居る。 そこは双方の無言の理解があってなんだろうけど、そんな風にはならない事を希望( ̄▽ ̄;) 何で主人公が人を殺したのか最後まで分からなかったから、続きが気になって面白かった( ^ー゜)bファンタジーとはかけ離れた現実感がさらにょい。
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