新訂 孫子 の商品レビュー
2000年以上前のものであるのにもかかわらず、現代人が読んでも多くのことを学べる本。本書は、古代中国(春秋時代)に活躍した孫武の兵法をまとめた戦術本であり、ゆえに戦争関連を中心に取り扱うのであるが、これは単なる戦術本ではない。この本は、組織論、諜報活動、政治、ビジネス等々、幅広...
2000年以上前のものであるのにもかかわらず、現代人が読んでも多くのことを学べる本。本書は、古代中国(春秋時代)に活躍した孫武の兵法をまとめた戦術本であり、ゆえに戦争関連を中心に取り扱うのであるが、これは単なる戦術本ではない。この本は、組織論、諜報活動、政治、ビジネス等々、幅広い分野において応用が利く優れた実用書だ。実際、ビルゲイツや孫正義など著名な実業家が愛読するほど、幅広く読まれている。そのため、本文自体は200ページ足らずの短い読み物だが、その中身は、普遍的な手法が組み込まれており、ゆえにどの箇所を読んでもためになる。これは本書に限らず、古今東西の名著に共通する。 評者は以前、大橋武夫『孫子 兵法』(PHP文庫)を読了し、岩波文庫版で実質2回目となるが、今回は白紙の部分に随時メモをとりながら精読した。改めて読んでみると、自分がここ1年で読んだ本で紹介されたスキルが、本書にふんだんに盛り込まれてたことを再度認識した。 それにしても、今回読んで思ったのが、日本がなぜ第2次世界大戦で敗北したのか、その答えが抽象的ではあるが十二分に書いてある(具体的な事例は『昭和16年夏の敗戦』、『失敗の本質』、『組織の不条理』が参考になる)。自国の資源が乏しい日本では、いかに自国では確保が難しい物資を隣国を通じて国益を守るのか、その重要性がわかる。本書の有名な文言「戦わずして勝つ」ためには、相手の具体的な情報を熟知しなくてはならない。これらの注意事項が本書で繰り返し警告されている。 また、ウクライナ侵攻以降のロシアとNATO、また台湾をめぐっての米中の緊迫した状況など、昨今の世界情勢を本書と照らし合わせて読むと、各国の動向、とりわけ中国の戦略が見えてくる。競争社会(国内、国外にかかわらず)で生き残る術も書いており、真に本質をついている。 これ以外にも、この本で紹介された兵法を、多くの分野、問題と併せて読むと、その実態、本質を見抜けるほど、さまざまなことが載っている。いずれにせよ、本書はあらゆる古典の中でも、年齢、個人的な性格や信条にかかわらず、誰もがなにかしら学べるのではないだろうか。
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現代にも通じる内容が多々あり、とても良い本だと思います。 色々な物語で引用されるので読んでおきたい一冊です。 あと単純に格好良いです。
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争いごとに勝利するための方法や心構えについてあらゆることが書かれています。 必勝を期すためにはいかに頭脳明晰な人間であっても、気の遠くなるような準備が必要であることがわかりました。 滅多なことで争いごとを始めてはいけない、周囲と争わずに落としどころを見つけ調和することが賢く生きる...
争いごとに勝利するための方法や心構えについてあらゆることが書かれています。 必勝を期すためにはいかに頭脳明晰な人間であっても、気の遠くなるような準備が必要であることがわかりました。 滅多なことで争いごとを始めてはいけない、周囲と争わずに落としどころを見つけ調和することが賢く生きることであると、この本は語っているのだと感じました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
どうてんちしょうほう 君主人心 将軍有能 土地 法令 軍隊強いか 訓練 賞罰 あざむくこと 敵を知り自分を知り土地や自然の巡りを知ると勝てる 戦わずして勝つことが最高 食料は現地調達 スパイは大事 迂直之計 仕事は目立たないもの
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本文を読む価値は言わずもがなですが、解説も丁寧に読む価値があります。戦いにおける突き詰めた現実主義、主導権を握る事の重要性、など他の孫子の解説本を読む前に是非読むべきなのではと思いました。 「彼れを知りて〜」で有名な文はありますが、私が1番気に入ったフレーズは、「故に明主賢将の動...
本文を読む価値は言わずもがなですが、解説も丁寧に読む価値があります。戦いにおける突き詰めた現実主義、主導権を握る事の重要性、など他の孫子の解説本を読む前に是非読むべきなのではと思いました。 「彼れを知りて〜」で有名な文はありますが、私が1番気に入ったフレーズは、「故に明主賢将の動きて人に勝ち、成功の衆に出づる所以の者は、(中略)必ず人に取りて敵の情を知る者なり。」ですね。要は知るためには、結局は誰が見てこないと現実は分からないって事なのでしょうが、それだけ知るという事は難しいし重要だという事で、SNSやネットニュースに囲まれる現代では耳が痛い話です。ビジネスで調査などする時にも、希望的観測だったり、上司の言う事を鵜呑みにするのではなく、自分で動いたりするって事も重要なのかなと思ったりもします。
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子供の頃にうっすら読んだ気がするのですが、全く覚えてないので、読みました。現代に役立つ部分は少なからずあると感じました。
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ドゥルルル・・ジャーン! 知ったか本選手権、第2位はこの本でした: 所蔵情報: 品川図書館 399.2/So48
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1.あらゆる一流ビジネスマンがこの本から学んでいることが気になったので、読むことにしました。 2.この本は原文、読み下し文、現代語訳の3段階構成に分かれています。かつて、中国にいた武将の戦争への思想が書かれています。 この本は兵法と書かれていますが、いかにして無駄に戦わないかを...
1.あらゆる一流ビジネスマンがこの本から学んでいることが気になったので、読むことにしました。 2.この本は原文、読み下し文、現代語訳の3段階構成に分かれています。かつて、中国にいた武将の戦争への思想が書かれています。 この本は兵法と書かれていますが、いかにして無駄に戦わないかを述べています。 例えば、戦争を長期化させることは無意味であったり、相手の意表を突くために自分たちのなすべき策を講じたりしています。 3.難しい部分があったので、全て理解できなかったという点で星3つにしました。 また、これを完璧に理解できるならそりゃ一流になれるわ(笑)とも思いました。人間の心理を徹底的に考え、国を安定させるとともに敵軍を討つということがどれだけ難しいことなのかが読んでいて伝わりました。 これを現代に置き換えると、企業であったり、家庭であったりに置き換えることができるのだろうなとも思いました。 ただ、自分には、置き換えられるだけの実力はなく、まだ読むには早いと感じました。
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中国古典。 非常に示唆に飛んだ1冊。 戦争というのは、強力しないほうがよい。 無血降伏が重要。 優れた将軍は自国の消耗を極端に抑え、 また、敵国についても無用な殺生などはしない。 そのためにも如何に相手を知り、自分を知り、 実情に沿った理解をし、計画を練るか。 計画で成功しな...
中国古典。 非常に示唆に飛んだ1冊。 戦争というのは、強力しないほうがよい。 無血降伏が重要。 優れた将軍は自国の消耗を極端に抑え、 また、敵国についても無用な殺生などはしない。 そのためにも如何に相手を知り、自分を知り、 実情に沿った理解をし、計画を練るか。 計画で成功しなければ実際には成功しない。 計画を疎かにするものへの指摘もある。 情報の重要性、 物事を行うための準備の大事さを学んだ。
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好戦的な内容では無い 彼を知り己を知れば百戦危うからず に集約される内容 自国の国民の為にも戦争は長引かせて良いことはない 戦って打ち負かすことより無傷で降伏させることがベター
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