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鉄道員 の商品レビュー

4.1

315件のお客様レビュー

  1. 5つ

    113

  2. 4つ

    114

  3. 3つ

    55

  4. 2つ

    16

  5. 1つ

    3

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2018/05/03

誰しも心に封印してきた記憶があると思う。そんな記憶を一つひとつ開放してくれるような短編集だ。設定も趣も異なる8つの物語が、様々な方向から心を打ってくる。思いもよらず涙をこらえた物語がいくつもあって、自分に驚いた。

Posted byブクログ

2013/10/26

『大人の御伽話』の短編集。コトバとは裏腹に、決して奇麗事で済ませられない一癖も二癖もある人間や、人生に疲れ気味の中年男性、ザラザラとした人間関係が背景にある主人公達が織り成す時に残酷ですらあるお話はメルヒェンと呼ぶにはあまりに現実的。しかし、惨い、切ない展開故に最後は人の持つ哀情...

『大人の御伽話』の短編集。コトバとは裏腹に、決して奇麗事で済ませられない一癖も二癖もある人間や、人生に疲れ気味の中年男性、ザラザラとした人間関係が背景にある主人公達が織り成す時に残酷ですらあるお話はメルヒェンと呼ぶにはあまりに現実的。しかし、惨い、切ない展開故に最後は人の持つ哀情(愛情)を的確に描き出す浅田次郎という作家の筆力はさすがと舌を巻かずにはいられない。表題作『鉄道員 ぽっぽや』は仕事人故に家族を犠牲にしてしまった後悔を背負った主人公の生き方は『昭和』という時代の哀しい幽霊なのかも知れない。

Posted byブクログ

2013/08/27

まるで昭和のオムニバス映画を見たようだ。 どの短編にも不思議な懐かしさがあり、疲れた心を癒す奇跡がある。 疲れ果てた主人公たちが、過去を回想し、助けを求めたときにミラクルは起きる。それは不器用ながら実直な主人公たちへの神のプレゼントなのだろう。

Posted byブクログ

2013/08/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

俺は、ポッポヤとしてしか生きられない。 娘を病で亡くした日にも鉄道員の仕事をし、それ以降も一人で北海道の片田舎の駅を守り続けた。 でも、廃線が決まった。 そんな駅員のもとに、彼の娘が成長を追うように小さい姿、小学生、中学生ぐらいの姿で現れ、主人公と少しの時間を一緒に過ごした。 少女が主人公の娘だと気付いたときのあたたかさに感動した。 その他の短編も、人が生きていく苦しさ、その中に見える一筋の光をほんわりと描き出している。

Posted byブクログ

2013/07/23

個人的には当たり外れが大きい短編 やはり映画化されてるものはいいんだけど、そうでないものは「で?」といった読後感 当たりの鉄道員とかラブレターはもっと長編で読みたい 短編としては角筈が好きかな そういえば、浅田次郎ってあんまり読んだことないなぁ

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2021/12/13

表題の長い物語と思ったら、短編集だった。 ぽっぽや を読んで、その見事な物語の短編が 心に切り込んできた。 苦しいことや哀しいことがあり、始まりがあり、終わりがあり。 そんな中での 駅長の一生が 映し出される。 うまいなぁ。 映画で見たけど、この短編のキレ味は何とも言えない。 ...

表題の長い物語と思ったら、短編集だった。 ぽっぽや を読んで、その見事な物語の短編が 心に切り込んできた。 苦しいことや哀しいことがあり、始まりがあり、終わりがあり。 そんな中での 駅長の一生が 映し出される。 うまいなぁ。 映画で見たけど、この短編のキレ味は何とも言えない。 ラブレター 不条理とはなにか と大上段にかぶらなくても 実に巧みな構成で、不条理を描く。 それでも、優しいと思う 白蘭がすごい。 悪魔 少年時代には 大人の世界がわからないが 壊れていく中で 悪魔が存在することを 願わざるを得ない。 少年の おさない 憧憬。 角筈 幼なじみと結婚して、商社で働いていたが あることが起こって、アルゼンチン支店長となる。 新宿にある。角筈。その地名が古い街の名前だった。 伽羅 ブティック伽羅を食い物にする 服飾メーカー。 お嬢ちゃん育ちでは、手に負えない職種なんですね。 うらんぼえ 子供埋めないちえ子が、離縁される。 親族もないちえ子に、おじいちゃんが啖呵を切ってやってくる。 ろくでなしのサンタ 大きなスヌーピー、シクラメン、豚まんが サンタの贈り物。 少しの心の動き オリヲン座への招待 京都 西陣 という地名は ないけど 西陣と呼ばれる。 幼なじみで結婚したが、二人は 時間が経って 別居し、それぞれ パートナーができた。 そんな二人に オリヲン座からの招待状が届いた。 オリヲン座は 仙波留吉とトヨが ずっと維持してきたのだが 閉館することになった。 この短編集のキャッチフレーズは 「あなたにおこる やさしい奇跡」 小さな奇跡は 心の中で 巻き起こす。 やはり、ぽっぽや が一番よかった。

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2013/07/05

映画は見ていないのですが、 原作がこんなに短いとは思っていませんでした。 短編集だったのですね。。。

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2013/07/03

第117回直木賞受賞作短編集。★★★★★ 「鉄道員(ぽっぽや)」「ラブ・レター」「悪魔」「角筈にて」「伽羅」「うらぼんえ」「ろくでなしのサンタ」「オリヲン座からの招待状」 ローカル線「幌舞線」の終着駅・幌舞駅の駅長である鉄道員。定年退職と同時に路線廃止の時を迎えようとしていたあ...

第117回直木賞受賞作短編集。★★★★★ 「鉄道員(ぽっぽや)」「ラブ・レター」「悪魔」「角筈にて」「伽羅」「うらぼんえ」「ろくでなしのサンタ」「オリヲン座からの招待状」 ローカル線「幌舞線」の終着駅・幌舞駅の駅長である鉄道員。定年退職と同時に路線廃止の時を迎えようとしていたある日、一人の少女が現れる。優しい奇蹟の始まり。 「ポッポヤは涙のかわりに笛を吹き、げんこのかわりに旗を振り、大声でわめくかわりに喚呼の裏声を絞らなければならない」 たった40P足らずの短編だが、写真で切り取ったように絵が浮かび人生が浮かぶ。浅田次郎の短編は読んだことがなかったが、これほどキレのある短編はそうない。他の短編も至極。

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2013/06/12

浅田次郎食わず嫌いしてたけど、 鉄道員もよかったし、うらぼんえもよかった。 オリオン座からの招待状も!

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2013/06/04

数少ない何度も読んでいる本の1冊。 鉄道員、角筈にて、うらぼんえ 3作品は毎回涙が止まらなくなる。 浅田次郎さんが紡ぐ温かい言葉が琴線に触れる。

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