櫻の園(文庫版) の商品レビュー
「河よりも長く..」が男子高校生を描いているものだとすれば、これは女子高校生たちのオムニバス形式の物語。 思春期の頃は些細なことで傷つき、悩んでいた。いつまでこの苦しみが続くんだろうと思っていたが、思い返せば長い人生であんな繊細な感情を持つ時期はほんの一瞬だ。少女から女性に変わる...
「河よりも長く..」が男子高校生を描いているものだとすれば、これは女子高校生たちのオムニバス形式の物語。 思春期の頃は些細なことで傷つき、悩んでいた。いつまでこの苦しみが続くんだろうと思っていたが、思い返せば長い人生であんな繊細な感情を持つ時期はほんの一瞬だ。少女から女性に変わる正にその一瞬の時期を見事に描き出している作品。それぞれの短編につけられた題名もいい。中でも「花冷え」に関してはネットをざっと見ても非常に評価が高い。私も勿論「花冷え」を含む全ての物語が好きだが、初読の時は「花酔い」で初恋のお兄ちゃんの前で清水さんが泣いてしまうシーンにぐっときた。当時彼女達と同じくらいの年齢だった私は「そうだよね、これは泣くよ」と頷いた覚えがある。何故なのか理由はうまく言葉で説明できないのだが、これを丁寧に描き出す吉田秋生はすごいなと思う。
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どうしようもない、逃げられない、女としてのたくさんの感情。 あの子も、あの子も、わたしに似ている。とそう感じられるはず。とにかく素晴らしい。女ならよめ!ラストがとくに素晴らしいとおもったなー。これはすごい。
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思春期の少女の恋がリアルに描かれた作品です。 時代は違っても考える事は同じだなって思いますね。 私が小さくて可愛い女の子だったら誰か好きになってくれたかな とかね。 切ないぜチクショー! おーんT_T
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「しかしマジでチャランポランをやるにはこのぐらいでめげてはいかんのだよ」(p85) 「少女」の物語。チェーホフの名作「桜の園」を演じる少女達の、役柄と本人の重なり合い、女性性についてのとまどい、そして同性・異性への感情。そんな内容。登場人物はほぼ同じなんだけど、連作短編とでも云う...
「しかしマジでチャランポランをやるにはこのぐらいでめげてはいかんのだよ」(p85) 「少女」の物語。チェーホフの名作「桜の園」を演じる少女達の、役柄と本人の重なり合い、女性性についてのとまどい、そして同性・異性への感情。そんな内容。登場人物はほぼ同じなんだけど、連作短編とでも云うべき、少しずつ内容がリンクしていく、その感じが素敵。
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作品だけがもつ時間の流れがあります。小学生のときに購入して以来、何回もの書棚整理をくぐりぬけ、いまだ書棚に並んでいます。映画も別の味わいがあっていーのです。
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吉田秋生の青春モノはとても良いものが多いのですがこちらも秀作です。BANANAHISHとはまた違った雰囲気の一冊。思春期の少女達の心の動きがとても瑞々しくキレイに描かれています。静かな雰囲気の中揺れ動く少女達の気持ちは心地よい波紋となってこちら側に届きます。「櫻の園」とはチェーホ...
吉田秋生の青春モノはとても良いものが多いのですがこちらも秀作です。BANANAHISHとはまた違った雰囲気の一冊。思春期の少女達の心の動きがとても瑞々しくキレイに描かれています。静かな雰囲気の中揺れ動く少女達の気持ちは心地よい波紋となってこちら側に届きます。「櫻の園」とはチェーホフのあれです。
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時代は違えど、思春期というのはいつの頃も似たようなものだなと思う。私は共学に通っていたけれど、もしあの頃、女子高に通っていたら何かが違っていただろうか。
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櫻の園と呼ばれる女子高校の少女たちの話。すこし時代背景が古いこともあってか、郷愁を誘う。思春期ってこういう時期だな、と思う。
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映画にもなりました。吉田秋生さんのマンガも短編のほうが好きです。この本は構成がすごくいいと思うのです。
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