ミカドの肖像 の商品レビュー
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[ 内容 ] コクドはなぜ旧皇族の土地を次々と取得し、プリンスホテルを建てることができたのか。 その謎と西武王国・堤家支配の仕組みを、“ミカド”の禁忌に触れまいとする日本の“不可視のシステム”の存在とともに、ひもといてゆく。 また、欧米人から喝采を浴びるオペレッタ「ミカド」をめぐって、世界史のなかに天皇制がどのように位置づけられていったかを探る。 さらに、なぜ明治天皇の「御真影」が西洋人の風貌になったのかを解き明かす。 近代天皇制に織り込まれたさまざまな記号を、世界一周取材で丹念に読み解いた、渾身の力作。 [ 目次 ] 第1部 プリンスホテルの謎(ブランドとしての皇族;土地収奪のからくり;天皇裕仁のゴルフコース ほか) 第2部 歌劇ミカドをめぐる旅―デォオ“MIKADO”との二度目の対話(ミシガン州ミカド町へ;ミカドゲームと残酷日本;西洋人の日本観と歌劇ミカド ほか) 第3部 心象風景のなかの天皇―デォオ“MIKADO”との三度目の対話(天皇崩御と世界の反応;つくられた御真影;ジェノヴァから来た男 ほか) [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
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前半は各地のプリンスホテルの由来がわかって興味深い。後半のオペレッタ「ミカド」を軸にした日本人の価値観論的な部分は少し誰てしまったように感じる
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フランスでは、ポッキーがMIKADOという名前で売られているとか。 プリンスホテルの話は大変興味深く読ませてもらいましたが、オペレッタ・ミカドの件はよく(こんな誰も興味ないことを)取材したなぁという感じでした。 著者のトルコ観がちらっとだけ伺えました。
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長い。西武のところは面白かったけれど、後半とばしてしまった。このボリュームを1冊にまとめる必要がなぜあったのか。
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3月の東京アウトプット勉強会の課題本。 衝撃の言葉で始まる、この本。バルトの「いかにもこの都市(東京の事)は中心をもっている。 だが、その中心は空虚である」という言葉は本質をついているなと。 海外から見ないとこの現象はわからないと思う。 日本の中心の東京が空虚であり、また日本人の心のなかも空虚である。 日本人にとって天皇とはなんだろうか? 明治時代であれば、天皇は神であるという一種の信仰に持ち上げることで、 日本という国を作っていった。 この場合は国(諸藩の統合をするという意味で)を一つにするために天皇中心であれば都合がいい。 ただ戦争が終わり、今は天皇は国の象徴であるということだが、 果たしてそれがどれほどの効果があるのだろうか? 一部の人には非難を承知で言うが、僕にとって天皇家はかわいそうでならない。 人間という扱いを受けず、絶えずゴシップのネタになっている。 常に周りから見られているし、日本人の模範たれと言われている。 天皇の果たす役割は海外では重要かもしれない。 外遊された時に日本という国の良さを天皇家が伝えるのは非常に効果的でもある。 でもあなたにとって、天皇がどのようであるべきなのか? 少なくとも天皇がいてもいなくても自分の人生が変わらない気がするし、 いたとしても自分たちの心のなかは空っぽなのだ。 この本を読んで、アイデンティティというものを再度考えるきっかけになった。 一方で本の中身はというと、猪瀬東京都知事の本を読むのは初めてで、 彼の取材力、描写力はすごいなと感じた。 日本人が知らなかった、 ミカドという言葉が実は西洋のオペレッタですごく有名であるということ、 西武グループのプリンスホテルの土地買収劇、 明治天皇のご真影が実は書かれた物であったなどという事から通して 得られる一連の日本文化論は面白いと言えば面白い。 日本文化に触れるために、今回初めて着物もきた。 それでも僕はアイデンティティの危機まではいかないけど、 自分とは何ぞやと考える。 これは僕にとっての永遠のテーゼなのかもしれないね。
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取材力の高さに驚く。「ミカド」をキーワードにしたそれぞれのつながりはあまりない内容が複数あり、3冊くらいに分けてもいい内容を900ページの1冊の本にまとめましたという印象。オペレッタミカドの話は比較文化論的手法での日本研究という読み方が出来て興味深かった。
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面白い内容で著者の賢さが表れてますが、もう少し分かりやすい文章で書いてもらいたい。私の読解力の問題もありますが…
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東京都知事の猪瀬直樹氏の著書。 文庫で約900ページという厚さに圧倒されつつ読了。 日本の天皇制って一体なんなのか。私たちが知らないところにも、象徴としての天皇が君臨している。 タブーと言われるところまでぐいぐい踏み込む取材力がとにかく凄い!猪瀬直樹さんは知識が豊富で頭がよくて...
東京都知事の猪瀬直樹氏の著書。 文庫で約900ページという厚さに圧倒されつつ読了。 日本の天皇制って一体なんなのか。私たちが知らないところにも、象徴としての天皇が君臨している。 タブーと言われるところまでぐいぐい踏み込む取材力がとにかく凄い!猪瀬直樹さんは知識が豊富で頭がよくて行動力がある人なんだなと思う。 鋭い視点で天皇(ミカド)関連の事を日本から世界まで探してて面白いけど、話の幅が広すぎて一冊にするような本じゃないような気がする。 日本史や世界史をちゃんと理解してれば、もっと楽しく読めるんだろうけど、私には難解すぎた。 こういう本って掴みが大事だから、例に漏れずプロローグが一番分かりやすくて面白かった。 この本の一番の収穫は新都知事がどんな人かなんとなく分かったところ。猪突猛進な印象だから、都民の気持ちは考えてくれるのかちょっと不安になった。 ☆内容☆ 西武王国・堤氏支配の仕組みを解き明かす! 昭和末日本を騒然とさせた、あの名著がいま甦る。 天皇と日本人、伝統とモダン。近代天皇制に織り込 まれた記号を、世界を一周する取材で丹念に読み解 いた、渾身の力作。プリンスホテルはなぜ旧皇族の 土地を次々と取得し、一大グループをつくり上げる ことが出来たのか。その謎と西武王国・堤家支配の 仕組みも解明。なぜ、いま、コクド(旧・国土計 画)による西武鉄道支配が問題になってきたのかが 手に取るようにわかる。第18回大宅壮一ノンフィク ション賞受賞作。
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読了。本来なら2年前、著者の猪瀬直樹氏と接触した折に真っ先に読むべきだった。ようやくとりかかる。2010年末のあの騒動の折には、もちろん誰からもこの著書の話題が出た。読まないでいたひとつには、この文庫本がなかなか書店で見かけることがなかったので、購入できずにいたため。また、猪瀬氏...
読了。本来なら2年前、著者の猪瀬直樹氏と接触した折に真っ先に読むべきだった。ようやくとりかかる。2010年末のあの騒動の折には、もちろん誰からもこの著書の話題が出た。読まないでいたひとつには、この文庫本がなかなか書店で見かけることがなかったので、購入できずにいたため。また、猪瀬氏の著書には三島を取り上げた『ペルソナ』、太宰をテーマにした『ピカレスク』など、個人的に読みたいものが先にありそちらを優先するうち後回しになってしまっていた。著者が都知事となった最初の紀元節のこの日に読み始めるのもまた何かの符丁であろう。枕に出てくるミカドゲームという遊戯。ポランスキーの映画『水の中のナイフ』でヨットの中で3人が戯れる将棋の山崩しに似た竹串のゲームがあって「なんだこのゲームは?」と思ってたけど、あれがその「ミカドゲーム」だったとは。 我が家は自分が生まれる前から西武沿線で、その歴史についてはまったく無頓着だった。実体験として知っているのはマルブツデパートがPARCOになったことくらい。その西武グループのプリンスホテルがなぜあんな一等地にばかり立地しているのか、この書でよく知ることができた。 沿線住民にとって西武ブランドはまさに絶対的な存在と誇るべきブランドだった。西武の崩壊はショックだった。
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丹念に取材して難しいテーマにしっかり切り込んでいるのはスゴいと思いますが、筆者の自己顕示欲から強引な展開で、読むのが辛くなりました。20年以上もたっているで人格も変わっているでしょうが、こんな人が都知事して大丈夫かなあ、というのが正直な感想です。
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