黄色い目の魚 の商品レビュー
読み始めて3分の1くらいまで短編集だと思っていました。登場人物の心の機微が丁寧に描写されていて、かなり共鳴しました。特に「似鳥ちゃん」。 とても印象に残ったフレーズがありました。「俺はサッカーについて、あまり深く考えたことがなかった。…ガキの頃からずっとやってて、ボールを蹴るのも...
読み始めて3分の1くらいまで短編集だと思っていました。登場人物の心の機微が丁寧に描写されていて、かなり共鳴しました。特に「似鳥ちゃん」。 とても印象に残ったフレーズがありました。「俺はサッカーについて、あまり深く考えたことがなかった。…ガキの頃からずっとやってて、ボールを蹴るのも身体を動かすのもそれなりに楽しくて、何より、そこには気の合う仲間がいつもいた。サッカーをやっていると、俺は自分のポジションを見つけられた。試合でのポジションじゃない。学校、世の中、人生、そんなものの中でのポジションだ。居心地がよかった。サッカーをやる連中は、サッカーをやらない連中より好きになれた。それで、いいじゃねえか。プロになりたいわけじゃねえし。国立でやりたいわけじゃねえし。上昇志向がすべてと思うなよ。」
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もう青春!!みのりがだんだん変わっていく過程がいい。何度もすれ違っても結局はつながってるんだね。高校生活はまだ体験してないけど、後悔しないようにしたい。
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大学時代まで女性が苦手であった自分にとって、高校時代の女子の気持ちという部分を、小説という架空の世界ではあるが、手にとって感じ取ることができるのは、新鮮である。娘がいる自分にとって。 村田からの視点が好きで、どんどん読めていった。 青春っていいなぁ。
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めっちゃ面白かった! どんどん登場人物に引き込まれた! みんなの気持ちが解った! この、自分の歳ならではの、 なんとも言えへん気持ちがすごくいとおしいと思った。 こんな気持ちをちょっとでも持ったまま、 忘れないまま大人になりたいと思った。 ちゃんと夢を探そうと思った。
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あぁ、なんか青春だな、という感じ。物語全体は高校生の男女の立場で交互に綴られて行くんだけど、その全ては繋がっている。お互いになんだかどこかで毎日の生活に満足出来ていなくて。お互いの関係も微妙なもので。自分の気持ちもよくわからないって感じ、何だか大昔に返った気分。普通の人たちだけど...
あぁ、なんか青春だな、という感じ。物語全体は高校生の男女の立場で交互に綴られて行くんだけど、その全ては繋がっている。お互いになんだかどこかで毎日の生活に満足出来ていなくて。お互いの関係も微妙なもので。自分の気持ちもよくわからないって感じ、何だか大昔に返った気分。普通の人たちだけど、なんだか彼らの青春を垣間見るだけでそれが普通ではない感じになってしまったから不思議だ。
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こういう形の恋愛、すごく憧れる。 自分も木島みたいに全力が尽くせないところがあってうんうんって頷いてた。
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レビューはブログにて。 http://tempo.seesaa.net/article/66568276.html
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『一瞬の風になれ』 『しゃべれどもしゃべれども』 『神様がくれた指』 に続いて読む。 爽やかで気持ちのいい小説。 佐藤さんの本を読むと、 うまくなくてもいい、何かに真摯に取り組む 人たちが等身大で描かれていて、そこに共感を覚える。 この本は、若い人たちにも読...
『一瞬の風になれ』 『しゃべれどもしゃべれども』 『神様がくれた指』 に続いて読む。 爽やかで気持ちのいい小説。 佐藤さんの本を読むと、 うまくなくてもいい、何かに真摯に取り組む 人たちが等身大で描かれていて、そこに共感を覚える。 この本は、若い人たちにも読んで欲しい作品。
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映画化された『しゃべれどもしゃべれども』の原作者が書いた青春小説。 目次に りんごの顔 7 黄色い目の魚 65 からっぽのバスタブ 103 サブ・キーパー 153 彼のモチーフ 213 ファザー・コンプレックス 277 オセロ・ゲーム 351 七里ヶ浜 421 とあって、何...
映画化された『しゃべれどもしゃべれども』の原作者が書いた青春小説。 目次に りんごの顔 7 黄色い目の魚 65 からっぽのバスタブ 103 サブ・キーパー 153 彼のモチーフ 213 ファザー・コンプレックス 277 オセロ・ゲーム 351 七里ヶ浜 421 とあって、何も考えずに初めから読んでいったら、最初の「りんごの顔」と次の「黄色い目の魚」が全く違うお話だった。 あ、これは短編集だったのか、と思いました。 それにしては1話目は寂しい終わり方だったな、と思いながら3話目を読むと、2話目に出てきた女の子みのりが成長して登場。 あれ?といぶかりつつ読み進むと、その後登場したみのりの同級生の木島という男子が、1話目の男の子の成長した姿だと4話目でやっと気付いた。 なかなか凝った構成じゃないか、と思ったら、あとがきに「黄色い目の魚」は10年前に短編として発表した作品であり、それを骨子として新たなキャラクター・イメージを育て、長編に仕上げていったと説明してありました。 いざ短編を並べてみると、さすがに10年前の作品は微妙に違うけれども、書き直すと壊れてしまう気がして、そのままの姿で残しました、とのことです。 だから短編集ぽく感じたのね、と納得。 内容は、周りに合わせて妥協することが苦手な女の子と、その子を凄いなと思っている男の子の物語。それぞれのエピソードが生き生きと描かれています。 いいかげんな自分がちょっと恥ずかしくなる。 まっすぐに生きるっていいな、と素直に感動できる純文学でした。 こういうまっすぐな小説を書ける人が羨ましいです。
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この人の文章ってぶつ切りというか、、ちょっと独特ですよね。読みやすくていいけど。 この話、良かったー。思春期のどうしようもない苛立ちとか、よく表現できてて。面白かったです。
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