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告白 の商品レビュー

4.2

126件のお客様レビュー

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2023/10/13

河内十人斬りという実際に起こった事件をもとに、主人公の熊太郎の心情を描いている。 自分の中にある気持ちをうまく言語化できない熊太郎がだんだんと社会からはじかれていくさまが、事実そのようなことがありそうだと思わせる。 自分の気持ちをわかってもらえないだろうという絶望は人をやけっ...

河内十人斬りという実際に起こった事件をもとに、主人公の熊太郎の心情を描いている。 自分の中にある気持ちをうまく言語化できない熊太郎がだんだんと社会からはじかれていくさまが、事実そのようなことがありそうだと思わせる。 自分の気持ちをわかってもらえないだろうという絶望は人をやけっぱちな気持ちにさせるのかもしれない。また、自分の気持ちがうまく言語化できないということは往々にしてあることで、熊太郎ほどではないにしても、口にした途端それが嘘であるかのような薄寒い気になるのは誰でもあることなのではないだろうか。 自分の気持ちを言語化できない、してもわかってもらえない、言葉の通じなさを感じる者達がドロップアウトしていく者達の共通項とは言わないまでも、そういう感覚を持つ者が一定数いるのではないか、そしてそれを押し殺しつつ生きている者もいるのではないか、それを無視して生きる、無視して生きることに慣れきってしまっているのではないか、などと深く考えさせられてしまう。

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2023/08/20

読んで20年以上経つが、コロナ明けのどこかのまちで河内音頭を聞いた瞬間、内容、というより本の熱量を鮮やかに思い出した。もう一度読んでももうハマれないけど、一度ハマって、良かった。

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2023/05/12

すごい本だった。 小さな絶望を積み重ねていってどんどん悪い方へと堕ちていく熊太郎、なんて不器用なんだろ。 思った事を上手く口にだして言えないもどかしさはとても共感でき、最後の弥五郎に告白する場面は不器用でたどたどしいけれど素直で純粋で愛おしくも感じた。

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2022/08/19

うわぁ、なんという怪書。思弁のかたまり。頭の中で思っていることと出てくる言葉がうまく一致させられないもどかしさ。 作者の言い回しがツボって何度も笑った。

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2020/07/05

カイジのように人の弱さや欲をうまく表現していた あたかも徳を積んでいるかのような思い込み、しかし偽善でしかないあらゆる行動 少し長すぎ

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2019/06/18

676ページと大変ボリュームのある本ですが、隅々まで面白く、読み応えありました。 P299 熊太郎と谷弥五郎の再会のシーンが何故か特に好きで、何度も繰り返し読んでしまった。

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2019/05/09

評価が分かれる作品だと思うが、挑戦的で野心的な小説であることは間違いない。後は好みの問題か。 恐らく人間誰しもが持ちながらも、自分でも上手く説明出来ない思弁的な部分や心の揺らぎを見事に表している。実際、凶悪事件の犯罪者の心理はこういったものかもしれない。 反面、やや冗長的に感じ...

評価が分かれる作品だと思うが、挑戦的で野心的な小説であることは間違いない。後は好みの問題か。 恐らく人間誰しもが持ちながらも、自分でも上手く説明出来ない思弁的な部分や心の揺らぎを見事に表している。実際、凶悪事件の犯罪者の心理はこういったものかもしれない。 反面、やや冗長的に感じるほど同じようなストーリーが続き展開が少ない部分もあり(もちろん、そのことがより 主人公のキャラを強く特徴付ける効果があるのだが)、何度か挫折しかける。 読み終わってから実際に起こった事件がモチーフと知って驚愕。

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2019/04/07

まあハチャメチャな熊太郎。直情型で一気に行動を起こしちゃうんだよね。こういう人が実際にいると思うと、怖い。

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2018/07/20

これは、身を切られる程の共感。 大人になるにつれ、社会が広がるにつれ、おむすびがコロコロ転がるように自己が内面へと引きこもってガチガチに強張ってしまう、それはただ不幸なのか努力不足なのか。 読んでいて歯痒い。 どうして、その選択をしたのか。できなかったのか。 ただ、こういう主人公...

これは、身を切られる程の共感。 大人になるにつれ、社会が広がるにつれ、おむすびがコロコロ転がるように自己が内面へと引きこもってガチガチに強張ってしまう、それはただ不幸なのか努力不足なのか。 読んでいて歯痒い。 どうして、その選択をしたのか。できなかったのか。 ただ、こういう主人公みたいなひとは、生き残れない部類のひとだろうと思う。 生きるイコール幸せ、にならないひとの部類。その哀しみ。 花火みたいな破滅にしか生きられない。それはでも、他人からしたら羨望にもなる。みたいな。

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2017/02/10

世の中には2種類の人間しかいない。架空の笛を吹いた者と吹かなかった者である。吹かなかった者に吹いた者のことは、正味、分からない。かといって、吹いた者同士が分かり合えるかと言うと、そんなことはなく、つまり吹いた者のことは誰にも分からないのである、正味。

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