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告白 の商品レビュー

4.2

125件のお客様レビュー

  1. 5つ

    55

  2. 4つ

    30

  3. 3つ

    21

  4. 2つ

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2012/01/29

「自分の思想と言語が合一するとき自分は滅亡する」 人間のほとんどが自分の本心を上手く器用に隠してきれいに整えて言葉に表し、それで人付き合いをしている。しかもそれを無意識のうちに。 主人公の熊太郎がそれができなくて苦悩し、自分の本心と向かい合い、突き詰めていった最期の時に思ったこ...

「自分の思想と言語が合一するとき自分は滅亡する」 人間のほとんどが自分の本心を上手く器用に隠してきれいに整えて言葉に表し、それで人付き合いをしている。しかもそれを無意識のうちに。 主人公の熊太郎がそれができなくて苦悩し、自分の本心と向かい合い、突き詰めていった最期の時に思ったこと……。 この苦悩をぜーーーんぶ、文章で表現した町田さんはすごい。 すごいなんて言葉じゃ薄いな。すいません。 本当に自分にとって重く深いテーマであるが、要所要所に笑いのツボをついてくる描写が多いのも最高。笑える! 人生で一番の本に出会ってしまった。

Posted byブクログ

2012/01/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

世間的にはただの荒くれ者にしか見えないのだろうが、実は誰よりも純粋な心を持っていたりする。筆者の書き方には、そんな熊太郎への愛情が感じられ、読んでいて温かい気持ちになる。 同時に、皆が当たり前に抱えるエゴに、ひときわ怯え、振り回される熊太郎が不憫でたまらない。 人は、聖人にはなれない。

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2012/01/26

ちょっとすごい。 てゆーか長い。 なんだか心境が分かるようで分からないようで、堂々巡り。 けど、人生ってこんな感じ。

Posted byブクログ

2012/01/05

夢中になって読んでたら圧倒されて読後ひたすら放心。 とりあえず、まだこの本を超えるオレベストワンには出合えていない。 なので今年もまだ心のヒットチャート第一位キープ中。

Posted byブクログ

2011/12/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

不条理をこんなに正しく書ける人はいないと思う。 ただただせつない。 あと。 酢醤油と不条理は似ていますね。

Posted byブクログ

2011/12/27

友人の強力な薦めにより図書館で。 展開が面白く、自然とぐいぐい読んでしまった。 数年気になっていたものの、主人公がおっさんなのと河内弁に意欲を削がれずっと読んでなかった。今回読み始めたら意外と面白くてびっくり・・・

Posted byブクログ

2011/11/17

思いを言葉で上手に伝えられない主人公、熊太郎のつらさ、滑稽さ、哀しさ。コミュニケーション万能時代に深く矢を刺す傑作。

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2011/11/06

町田康、この名を知ったのは、ラジオ版学問のすすめのPodcast。司会の蒲田健とボソボソと猫の話をするおっさんというイメージであった。パンクのロッカーだっと聞き、不思議な感じがしていたのだが、なんと布袋寅泰が殴った謹慎していた相手、それが町田と知った時は驚いた。彼の著書を読んでみ...

町田康、この名を知ったのは、ラジオ版学問のすすめのPodcast。司会の蒲田健とボソボソと猫の話をするおっさんというイメージであった。パンクのロッカーだっと聞き、不思議な感じがしていたのだが、なんと布袋寅泰が殴った謹慎していた相手、それが町田と知った時は驚いた。彼の著書を読んでみたくなる。図書館で予約すると非売品の「告白」という作品が。河内音頭にちなんだ物語とか、それに興味がわき読み始める。  河内音頭には昔からなじみがある。堺の生まれで盆踊りといえば河内音頭。当時は鉄砲満三郎の河内音頭が堺中の盆踊りの会場で流れていたと記憶している。その河内音頭といえば「河内十人斬り」と告白の本の中にある。富田林の水分なる部落に城戸熊太郎なる人物あり。彼の幼少のときから、亡くなるまでを記述した作品。この熊太郎、めっぽう悪い、乱暴であり、盗みもやる、無論ばくち好きだ。博徒の道に入った男。十代の半ば、石室に入り、殺人を犯す。盗掘もした。殺した弟に似た同郷の人物に利用され、逆に金をせしめられる。その男、松永熊次郎の弟、寅吉は熊太郎の妻、縫と姦通。結局、恨み骨髄の松永一族、村会議員の家長傳次郎はじめ熊次郎、その幼い子供、縫、そしてその母親も皆、斬殺並びに鉄砲で射殺。そして熊太郎自身は一緒に襲った可愛い舎弟谷弥五郎も射殺、自身も銃で自殺。凄惨な事件。それが河内音頭の名曲として唄い継がれているという。  同郷の堺人だけに言葉と地の利が共通、よくわかる。忍び込んだ石室は自分自身もよく遊びに行った仁徳天皇陵の濠付近にあったもの、懐かしく読む。町田康、彼は川端康成賞初め数々の賞に輝くも、自分の文体を踏襲しないという。一回一回断ち切り、パターンを作らないという。ロック魂で本を書き続けるこの男、しばらく注目したい。

Posted byブクログ

2011/09/24

長期海外出張にちょうどいいや。と思って買ったのですが、1日で読み切ってしまうほど惹きこまれました。小説は専門外なのですが、今まで読んだ本の中で、一番印象に残っています。こんなに涙がボロボロでるとは思いませんでした。主人公が、作者独特の文章との相乗効果で非常に異端であるような感想が...

長期海外出張にちょうどいいや。と思って買ったのですが、1日で読み切ってしまうほど惹きこまれました。小説は専門外なのですが、今まで読んだ本の中で、一番印象に残っています。こんなに涙がボロボロでるとは思いませんでした。主人公が、作者独特の文章との相乗効果で非常に異端であるような感想が多いようですが、むしろ、誰にでもある、皆が持っている、人間的弱さを、主人公に私は感じました。だからきっと、主人公に感情移入ができたのだと思います。圧倒的な人間は、世の中と折り合って生きることとを強いられていて、折り合えない人を笑ったり蔑みますよね。そして、実際、折り合えない人間にとって生きることは大変辛いわけですが、折り合って生きていくことも実は辛い。実は辛いから、折り合えない人を笑ってしまうわけであります。生きていくうちに妙に賢くなった自分を慰めてくれるような一冊でした。

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2011/07/17

あかんではないか。 阿呆で見栄張でまったくの駄目人間の熊太郎という男が村人を大量に切り殺す物語。というと陰惨・残酷度極まりなく、それこそ現代でいう秋葉原大量殺人事件ではないか、ばかもの、と決め付けるのはちょいと待って一考を。こいつはわたしたちのお話で、つまりは熊太郎は阿呆で見栄張...

あかんではないか。 阿呆で見栄張でまったくの駄目人間の熊太郎という男が村人を大量に切り殺す物語。というと陰惨・残酷度極まりなく、それこそ現代でいう秋葉原大量殺人事件ではないか、ばかもの、と決め付けるのはちょいと待って一考を。こいつはわたしたちのお話で、つまりは熊太郎は阿呆で見栄張でまったくの駄目な現代人の映し鏡であって、まあ、つまり読めばわかるということだってえことや、な、熊やん。

Posted byブクログ