格闘する者に○ の商品レビュー
図書館で。三浦しをんさんってこれがデビュー作だったんだ… 自分も記念受験って訳でもないけど出版社受けて筆記試験受けたなぁなんてぼんやり思いだしました。バスに乗った人の写真を見て小文を書けってのだったな。懐かしい。 それに、何百人単位の試験場で監督しているのって社員って訳でもないん...
図書館で。三浦しをんさんってこれがデビュー作だったんだ… 自分も記念受験って訳でもないけど出版社受けて筆記試験受けたなぁなんてぼんやり思いだしました。バスに乗った人の写真を見て小文を書けってのだったな。懐かしい。 それに、何百人単位の試験場で監督しているのって社員って訳でもないんじゃないかなぁ…なんて思いました。いや、社員も居るだろうけど。そう言うバイトしてた子も居たしな。 まあ結局のところ主人公の彼女は就職が決まるわけでもなく、家業(笑)を継ぐわけでもなくのんべんだらりと日々の生活に戻っていく、という辺りあまりすっきりしない結末ですがまあそんなものなのかなと思ったり。 ただ、主人公がイイとこのお嬢さんって設定が…色々と無理があるような… お里が見えるというか、うん。素直に一般家庭で良かったじゃないの?なんて思いながら読み終えました。
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解説の重松氏が、本書を『吾輩は猫である』になぞらえているが、自分の感想は『坊っちゃん』だ。おそらく国会議員である父を持つ裕福な家庭の主人公・可南子の独白を中心とした語り口調。そして、実在の出版社を容易に想像させる就職試験での試験官を、心の声で罵倒する様は、まさにそうだ、と強弁して...
解説の重松氏が、本書を『吾輩は猫である』になぞらえているが、自分の感想は『坊っちゃん』だ。おそらく国会議員である父を持つ裕福な家庭の主人公・可南子の独白を中心とした語り口調。そして、実在の出版社を容易に想像させる就職試験での試験官を、心の声で罵倒する様は、まさにそうだ、と強弁してしまう。また、どこか遠いところに森見氏を感じるのは私だけだろうか? 本書のタイトルが、まさか就職試験の試験官がのたまった読み間違いだとは……笑える!
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面白い。ナイス青春小説。デビュー作でこれは凄い。色々しゃらくさい登場人物とか設定も目につくけど、テンポが良くて一気に読めた。
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漫画が好きだから出版社に行きたい主人公の可奈子。筆記試験(作中ではスパイ試験と呼んでいる)や「平服で」と書いてあるのにスーツで行かなければいかない就職活動独特のきまりに疑問を感じる可南子に強く共感しつつ、設定がまるで自分のことみたいでタイムリーだと思い、読んだ本。 政治家の娘で、...
漫画が好きだから出版社に行きたい主人公の可奈子。筆記試験(作中ではスパイ試験と呼んでいる)や「平服で」と書いてあるのにスーツで行かなければいかない就職活動独特のきまりに疑問を感じる可南子に強く共感しつつ、設定がまるで自分のことみたいでタイムリーだと思い、読んだ本。 政治家の娘で、実の母はもう亡くなっていて義母とはあまり上手く言っておらず、弟も家出して、友人にはホモだと告白されて、恋人は70歳のおじいちゃんで、、、と出版社への就職活動を軸に、濃い要素をこれでもかと詰め込んでいる作品。でも不思議としっちゃかめっちゃかにはならずに絶妙なバランスでまとまっている。 三浦しをんのデビュー作なわけだが、本当に作品によって文体が変わる作家さんだなあと思う。この作品は可奈子の古風な喋り方がいい味を出していた。 「風が強く吹いている」や「まほろ駅前シリーズ」、「舟を編む」といった有名な三浦作品と比べるとイメージが異なるかもしれないが、これはこれで面白いと思う。軽く読めて笑えるので時間があまりない時にもおすすめ。
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デビュー作というだけあって、「風が強く吹いてる」や「舟を編む」ほどの完成度はありませんが、語り口は面白く、ストーリーも意外性があって、十二分に楽しめるエンターテイメント小説でした。今ならライトノベルでもありのような設定とストーリーですが、文章は端整で文学的。やはり直木賞作家の本で...
デビュー作というだけあって、「風が強く吹いてる」や「舟を編む」ほどの完成度はありませんが、語り口は面白く、ストーリーも意外性があって、十二分に楽しめるエンターテイメント小説でした。今ならライトノベルでもありのような設定とストーリーですが、文章は端整で文学的。やはり直木賞作家の本ですね。
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主人公は漫画を読むのが大好きな女子大生・可南子。義母と弟の3人暮らしで家庭はどこかぎくしゃくし、恋人は脚フェチの爺さんで、友人にはホモかもと打ち明けられる。そして本人は就活真っ最中!これが三浦しをんさんのデビュー作なのね!面白かったです。
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漫画が好きだから、就職先は出版社。 難関志望な割に、がつがつ必死に頑張る風でもない女子大生、可南子。 そのだらだら振りは、代々続く政治家の家の娘だからか?とも思え、物語序盤は腹立たしくもなる。 そんな可南子も、就職試験で、上から目線、どうせ女がまともに勤まるわけがないという容赦...
漫画が好きだから、就職先は出版社。 難関志望な割に、がつがつ必死に頑張る風でもない女子大生、可南子。 そのだらだら振りは、代々続く政治家の家の娘だからか?とも思え、物語序盤は腹立たしくもなる。 そんな可南子も、就職試験で、上から目線、どうせ女がまともに勤まるわけがないという容赦ない偏見を浴びせられる。 大手出版社の就職試験って、いまだにこんな風なのか?と思いつつ、思わず応援したくなる。 妙に大人びた異母弟、旅人や、可南子の足をこよなく愛する老書家の西園寺さん、自分が「ホモ」じゃないか、それが周りにも気づかれているのではないかと思っている可南子の友人の二木くんなど、味のある人物が周囲にいる。 それもこの作品の魅力だろう。
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少しややこしい家族の中で,就職活動する女子大生の一風変わった奮闘記.漫画への凄まじいばかりの愛に圧倒される.古風なおじいさん書道家との温もりを求める雛鳥のような恋愛?もその後の旅立ちを見送る別れも印象的だ,
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当初、書名の意味がよくわからず、 どういうことだろうかと思いながら読み進めるにつれ、 中盤に差し掛かり、種明かしがされ、爆笑。 シューカツの話としても、溜飲が下がることは、 多々あるだろうし、いかんせん、読みやすい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
再読。私的作家フェア5年目(①村上②宮部③恩田④伊坂)。順番を間違えて「月魚」からスタートしてしまったが、これがデビュー作。文庫化まで5年かかってる。やはり私の好きな作家さんはデビュー作から完成度が高い。就活話でありながら、就活そのものより、大学生と社会人の境目にいる若者の心を鮮やかに描いている。そうだよ、誰もが高らかに社会人デビューするわけじゃない、就活なんて苦行でしかなかった、と遠い昔を思い出しました。脚を愛でてくれる西園寺さん、いいわ。重松清さんの解説がステキ。お二人はどういうつながりなんだろ?
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