安政五年の大脱走 の商品レビュー
安政五年、井伊直弼に謀られ、南津和野藩士五十一人と、美しく才気溢れる姫・美雪が脱出不可能な絖神岳山頂に幽閉された。直弼の要求は姫の「心」、与えられた時間は一カ月。刀を奪われ、逃げ道を塞がれた男達は、密かに穴を掘り始めたが、極限状態での作業は困難を極める...。恋、友情、誇りが胸を...
安政五年、井伊直弼に謀られ、南津和野藩士五十一人と、美しく才気溢れる姫・美雪が脱出不可能な絖神岳山頂に幽閉された。直弼の要求は姫の「心」、与えられた時間は一カ月。刀を奪われ、逃げ道を塞がれた男達は、密かに穴を掘り始めたが、極限状態での作業は困難を極める...。恋、友情、誇りが胸を熱くする、痛快!驚愕!感動の娯楽大作。
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あの崖 登っていけないでしょう普通・・・・・。内容は面白いが、ありえない展開満載で突っ込みどころ満載。
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脱走というと牢屋から脱け出すイメージが強かったが、この脱走は地味ながらも根気強く、この時代だからこその気迫と忠誠心に溢れている部分に読んでいて引き引き込まれた。ちょっとあり得ないと笑ってしまうけど綺麗な文章で読みやすかった。
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五十嵐作品、初対面からは印象の良い出会い、のあとここんとこ2冊続けて「なんか違う。。」感を味わったので、もうこれが合わなければ私別れる、この恋あきらめるわ。。くらいの棘の分かれ道だったんですが、この作品はキタねー。これはぞっくぞくした。「リカ」なんかよりよっぽど、人間というものの...
五十嵐作品、初対面からは印象の良い出会い、のあとここんとこ2冊続けて「なんか違う。。」感を味わったので、もうこれが合わなければ私別れる、この恋あきらめるわ。。くらいの棘の分かれ道だったんですが、この作品はキタねー。これはぞっくぞくした。「リカ」なんかよりよっぽど、人間というものの怖さと強さを思い知る。1章の終わり、 「何も無い部屋の真ん中に、藍色の菖蒲が一花活けてある。その濃い青が、鉄之介の瞳を染めた。」ここは痺れた。やっぱりこの作者さんはどえらい創作の泉を内に持ってる。この一文は私が高校国語教師なら、後の井伊直弼である鉄之介の心情とともに解釈を書かせる授業をするね。深い失意と恨みと諦念が襲うこの場面、瞳を青に染めたのは涙なのか心を覆った闇なのか。でもそのあとの話も、五十嵐さんの完全な創作なのかこれに近いことがあったのかは知らないのだけれど、最後まで息をつかせず読み進めなければ心落ち着かない、すごい魔力がありました。カンタンに言ってしまうと桜田門外の変で有名な井伊直弼が引き金になる物語。でも主人公は彼じゃぁないんだなぁ。究極の脱走劇です。パピヨンやショーシャンクより。章タイトルは井伊直弼の恋、桜庭敬吾の岳、堀江竹人の土、亀井美雪の空、犬塚外記の忠、その後のこと。津和野藩、学びの藩、今の島根県かな。行ってみたくなったな。武士の道というのはこういう形もあるんだなぁ。これを映像化してしまうと、どうしても不衛生な不快感の伴う映像になってしまいそうだからこの作品は本で出会うのがきっと一番いい。2章、一転して権力者となった直弼へ献上されたさまざまな品を外記がいろいろ手にとり殿にお見せする、そこにさらっと出てきたとあるひと品、これがなんという伏線。。!!バテレンのヒントにも気付けなかった、そうか、そういうことなのか、とわかったときには全身鳥肌が立った。藩士の“命”を守るために身を差し出すのはたやすい、でも藩士の“誇り”を守るためには自分は逃げなくてはならない。美雪の英断も胸を打ちます。最高にクレバーなヒロイン。津和野の侍の魂を再確認する場面も良かったなぁ。「わしらは津和野の侍にござりまするぞ。なぜもっと早く言ってくださらなんだか」もう涙、涙。徹底して人間味のない長野主膳もだからこそキイパーソンだった。真の誇りが打ち勝つときの爽快感は、逆にいえば彼の存在が引き立ててくれるから。忠のために死を厭わず、それも武士の道、だけど誇りのためにどんな屈辱にも苦境にも耐えて生き抜く、それも武士の道。ラストの終わり方がいいなぁ。明記せずにこうもハッピーエンドを確信させるやり方は何て憎らしい。やっぱり好きだ、この作者さん。これは手元に置いて何度も読みたいし息子たちにもいずれ読んでほしい。甘えが出た自分が情けなくなったときにまた読みたい。これは名作だとおもいます。綾織りのようにひとりひとりが誰かのために、極限の条件下で知恵と勇気を支えあい、細い糸が重なっていつしか強い輝く羽根になっていくようなこの物語の美しさ、あなたの心にもきっと残るはずです。
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脱走計画途中までは絶対に失敗するだろう〜と思ってて、案の定失敗したらこの展開?という印象。 最後の脱走後のくだりは必要なかったかな・・・。
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この大脱走計画は気が遠くなる それによくもまぁごまかせたものだと 姫の脱出劇には正直驚いた 2重の計画を用意するのは妥当だと思うけど 穴を掘るほうの計画があまりにも無謀すぎ ま、姫が熱気球でっていうのも 危険性という意味では同等かも知れないけど そしていつもどおりの感想にな...
この大脱走計画は気が遠くなる それによくもまぁごまかせたものだと 姫の脱出劇には正直驚いた 2重の計画を用意するのは妥当だと思うけど 穴を掘るほうの計画があまりにも無謀すぎ ま、姫が熱気球でっていうのも 危険性という意味では同等かも知れないけど そしていつもどおりの感想になるが なんだかなぁと思いつつも すーっと読めてしまう著者の筆力には脱帽
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時代小説の形を取ったアクション小説(?) いわれのない罪で山上の収容所に閉じ込められた武士達が脱出を図る物語 なんやけど、最後のどんでん返しは「なるほど」という感じ。 ただ、せっかくのどんでん返しが結構あっさりと描かれていて、爽快感が あまり感じられなかったのが残念。 変に人情話...
時代小説の形を取ったアクション小説(?) いわれのない罪で山上の収容所に閉じ込められた武士達が脱出を図る物語 なんやけど、最後のどんでん返しは「なるほど」という感じ。 ただ、せっかくのどんでん返しが結構あっさりと描かれていて、爽快感が あまり感じられなかったのが残念。 変に人情話にしてしまっているのも、個人的には余り好みではなかった。 もっと単純に楽しめる娯楽小説にしとけばいいのに・・・。
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2008/1/20 アシーネ ダイエー甲南店にて購入 2009/11/3~11/7 毎回違った趣向の作品で楽しませてくれる五十嵐氏であるが、今作は時代もの。大老井伊直弼が小藩の南津和野藩の姫、松井美雪を見初め、輿入れを要望するが断れらてしまう。どうしてもあきらめきれない直弼は、...
2008/1/20 アシーネ ダイエー甲南店にて購入 2009/11/3~11/7 毎回違った趣向の作品で楽しませてくれる五十嵐氏であるが、今作は時代もの。大老井伊直弼が小藩の南津和野藩の姫、松井美雪を見初め、輿入れを要望するが断れらてしまう。どうしてもあきらめきれない直弼は、南津和野藩士51名に謀反の疑いをかけ、姫もろとも険しい山上に幽閉してしまう。姫が輿入れの要求を呑まなければ、51名の命が危うい。一計を案じる南津和野藩士であるが、果たして... 忠義にいきる武士達の奮闘を描く快作。美雪姫はほんとに魅力的である。いやあ読んでよかった。
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井伊直弼に見初められてしまった南津和野のお姫様。絶壁の山頂に幽閉され人質となった南津和野藩士51名が必死の大脱走計画を練る。 井伊直弼の若い頃の苦難のお話から始まるので、悪者側にも一分の共感を抱きながら読むのですが、いくら権力があっても、人の心は想い通りにはならない、無理は通ら...
井伊直弼に見初められてしまった南津和野のお姫様。絶壁の山頂に幽閉され人質となった南津和野藩士51名が必死の大脱走計画を練る。 井伊直弼の若い頃の苦難のお話から始まるので、悪者側にも一分の共感を抱きながら読むのですが、いくら権力があっても、人の心は想い通りにはならない、無理は通らないという、素直に楽しめるお話でした。 2006/9/16
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