神々の沈黙 の商品レビュー
それほど昔ではない昔(紀元前1000年ごろ)まで、人には「意識」はなく、共同体の中で共通の倫理を体現する「神」の声を直接聞いてそれに従っていた。意識もないので、意識の中で自分自身の比喩となるイメージはなく、内省もなく、時間の空間化もなかったという大胆な説を展開している。とにかく心...
それほど昔ではない昔(紀元前1000年ごろ)まで、人には「意識」はなく、共同体の中で共通の倫理を体現する「神」の声を直接聞いてそれに従っていた。意識もないので、意識の中で自分自身の比喩となるイメージはなく、内省もなく、時間の空間化もなかったという大胆な説を展開している。とにかく心理学、哲学はもとより古典文学、歴史学への知識の深さと広さに舌を巻く。危うく丸め込まれそうになるが、いささか我田引水も目立つことは確か。しかしこの本、40年前のものとは思えないほど新鮮ではある。
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当然ではあるが意識は宗教と歴史の発生に深く関わっている。ジュリアン・レインズの主張は実に刺激的だ。3000年前の人類に意識はなく左右の脳は分裂状態に置かれていた。当時の人類は右脳が発する神の声に従う自動人形であった。そして脳が統合され意識が誕生する。と同時に神の声は聞こえなくなっ...
当然ではあるが意識は宗教と歴史の発生に深く関わっている。ジュリアン・レインズの主張は実に刺激的だ。3000年前の人類に意識はなく左右の脳は分裂状態に置かれていた。当時の人類は右脳が発する神の声に従う自動人形であった。そして脳が統合され意識が誕生する。と同時に神の声は聞こえなくなった――というもの。つまり人類全体が統合失調症だったわけだ。 http://sessendo.blogspot.jp/2014/08/blog-post_33.html
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図書館の哲学書のコーナーにあったので一応人文の枠に 登録したが、人間の「意識」についての今までに無い 画期的な、そして一つ間違うとトンデモ系になって しまう恐れすらある新説を書いている本なので、科学の 枠でも良かったかもしれない。 かつて言葉を習得する前の人類は意識というものを...
図書館の哲学書のコーナーにあったので一応人文の枠に 登録したが、人間の「意識」についての今までに無い 画期的な、そして一つ間違うとトンデモ系になって しまう恐れすらある新説を書いている本なので、科学の 枠でも良かったかもしれない。 かつて言葉を習得する前の人類は意識というものを 持たず、右脳からの発信を左脳が神の声として受け取り、 それに従って生きる「二分心」というあり方であった というその説は、簡単に信じられるものではないが、 著者は、細かな事実を積み重ねることによって、 ひょっとしたらそうだったのかも知れないとまで 思わせるに至る。この説によって説明することができる 事例の多さと来たら! ただ、いかんせんこの説の真偽は確かめようがないと 思う。彼の説に寄れば我々はすでに意識を獲得して しまった後なので、その前の人間がどういうあり方で あったかは想像するしかないと思うのだ。そこを突破 するにはさらに状況証拠を積み重ねていくしないと 思うのだが、残念ながら著者はこの1冊を書いたのみで 鬼籍に入られているとのこと。この考え方を引き継いで 研究しようという人間、果たしているのだろうか。 この本を読んでちょっと「意識」について興味がわいて きたので、しばらく関連本を読もうと思います。
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内容は衝撃であり、知的な探究心を大いに刺激してくれる。 だがトンデモと断ずる人がいるのも確かだろう。 しかし、少なくともヴェリコフスキーやフォン・デニケンと同列に扱うことは躊躇われる本だとは自信を持って言える。
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索引まで入れると600頁超の大著であったが、読み始めるとつい引き込まれて最後まで読んでしまった。 何より、その仮説がおもしろい。 3千年前までは、人類は「意識」というものを持っていなかった、というのだ。 詳しくは中身を徴していただきたいが、全編を通して「意識」とは何だろうと自問す...
索引まで入れると600頁超の大著であったが、読み始めるとつい引き込まれて最後まで読んでしまった。 何より、その仮説がおもしろい。 3千年前までは、人類は「意識」というものを持っていなかった、というのだ。 詳しくは中身を徴していただきたいが、全編を通して「意識」とは何だろうと自問することが屢々であった。 個人的には、第3部の統合失調症についての章が興味深かった。統合失調症が預言者の遺伝子とは! 人間の意識についての他の著作も読んでみたくなった。
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人間は思っているより最近まで右脳左脳の連携がうまく働いておらず、三千年くらい前までは右脳由来の発想を左脳がキャッチする際にエラーが生じていた。その結果、幻聴や幻覚が見えていて(つまり統合失調症だ)それが神の正体ではないかという一歩間違えるとヴェリコフスキー級にアレなアイデアの本で...
人間は思っているより最近まで右脳左脳の連携がうまく働いておらず、三千年くらい前までは右脳由来の発想を左脳がキャッチする際にエラーが生じていた。その結果、幻聴や幻覚が見えていて(つまり統合失調症だ)それが神の正体ではないかという一歩間違えるとヴェリコフスキー級にアレなアイデアの本でした。 でも個人的には信じないからいいの。トンデモでもシェアードワールドの元ネタになるじゃんこれ!という興奮が味わえればそれでいいの。 メソポタミアあたりに関して言えば石碑のデザインや碑文、神話、叙事詩の描写が洗練されていく様を追っていくと確かにアッシリア帝国の侵略以前につくられたもの(まあ現存しているものに限りますが)には一切、内観というものが出てこないので「い、言われてみれば・・・ゴクリ」的な内容でしたけど散逸してしまった古文書が更に沢山出てきてくれないと検証のしようがないのと著者がしんじゃったのでさらなる論考の積み重ねが読めないのがひたすら残念。 結局、行動域が広まり異文化交流が始まって言葉が違う人とガチのやりとりをするうちにしくじると殺されてしまうこともあってエラーが減り、現在の我々は神様の声も聞こえず幽霊にもあえなくなってしまいましたとさっていう。 ネパールのクマリって言う少女の生き神様の事をどうしても思い出しちゃうね。クマリは幼女の時に選ばれるんですが選定の儀式が動物の生首が沢山ある部屋に閉じ込められるとかその手の確実に精神衛生に良くないものなので強引に統合失調症にして神様の声を聞かせているのではとかそんな理由でね。
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前2000年期までは人間たちは意識を持たず、「二分心」の命令に服従していたという仮説を打ち立てた本。 意識とは言語の比喩から形成されるものであって、言語が生成される以前には意識は存在しないとし、言語が開発される以前は確固たる意識がなく、「二分心」を持っていた。意識は言語の獲得と同...
前2000年期までは人間たちは意識を持たず、「二分心」の命令に服従していたという仮説を打ち立てた本。 意識とは言語の比喩から形成されるものであって、言語が生成される以前には意識は存在しないとし、言語が開発される以前は確固たる意識がなく、「二分心」を持っていた。意識は言語の獲得と同時に二分心を崩壊させいわゆる「心」を作り出す。この二分心の名残としてイーリアスや初期旧約聖書文献、ヘシオドス等を紹介しつつ、仮説を組み立てていく。 二分心とは、そもそも脳の可塑性に注目されて作られた仮説である。脳は、左右二つの半球から出来ており、一部の脳の機能が失われれば、それを補う形で脳のほかの部分が発達し、その機能を補完する。この可塑性に注目し、左半球が失われた人たちの脳に注目し、右半球にも左半球の言語野に相当する部分があったのではないかと推測する。その結果、脳梁が発達する以前の左右半球が分割されていた時代には、左右半球に言語を司る部分があったのではないかと推測されるわけである。右半球の言語野から発せられた声は、今のニュアンスで言うところの神の声と同じ作用を及ぼすことが推測される。そのことを立証するために、統合失調症における幻覚を例にこの仮説を立証していく。
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壮大なる妄想か、人類の謎を解く真実か・・・ 興味深く読めました。 半分泣き顔と笑い顔で、右利きの人は左半分が笑った顔を笑い顔だと認識するというあたり、左利きの人に見せたら、やはり反対の顔を笑い顔だと認識した。 へー、おもしろいね、と思いました。 脳の研究がどこまで進んだら、こ...
壮大なる妄想か、人類の謎を解く真実か・・・ 興味深く読めました。 半分泣き顔と笑い顔で、右利きの人は左半分が笑った顔を笑い顔だと認識するというあたり、左利きの人に見せたら、やはり反対の顔を笑い顔だと認識した。 へー、おもしろいね、と思いました。 脳の研究がどこまで進んだら、この説が立証されるのでしょうか。
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第2章までは今でも充分説得力がある。第3章以降は経った年月の関係もありややトンデモ的な印象を受けるが、それでも魅力的な主張ではある。
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意識って何だろう?って 考えていた時期が自分にはあった。 そのころ何となく思い描いていたことを 実際に研究されいた人がいるとは?!。 ギリシャ叙事詩「イーリアス」など 本書で引用されている文献に対する 予備知識はさっぱりだったので、 かなり苦痛でしたが、言いたいことはわかる。 ...
意識って何だろう?って 考えていた時期が自分にはあった。 そのころ何となく思い描いていたことを 実際に研究されいた人がいるとは?!。 ギリシャ叙事詩「イーリアス」など 本書で引用されている文献に対する 予備知識はさっぱりだったので、 かなり苦痛でしたが、言いたいことはわかる。 おれもそう思う。
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