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神々の沈黙 の商品レビュー

4.2

39件のお客様レビュー

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2021/08/21

意識とは何か。意識がなくても文明は作れるしむしろその方が良い文明だった、と言われているように感じる。著者は何かの優劣について話している訳ではないと思うけど。 二分心のもう一つの心は今でも右脳にひっそりと佇んでいて左脳の意識のコントロールが弱まる時に現れる、のか?その時それが神の言...

意識とは何か。意識がなくても文明は作れるしむしろその方が良い文明だった、と言われているように感じる。著者は何かの優劣について話している訳ではないと思うけど。 二分心のもう一つの心は今でも右脳にひっそりと佇んでいて左脳の意識のコントロールが弱まる時に現れる、のか?その時それが神の言葉として語られるとしたらそれぞれ別の神が好き勝手なことをいうのか。著者の書き方だと今は聞こえなくなった二分心のもう一つの心の声は人類あるいはある共同体の中で共通の神を声を語るように感じる。二分心の心はどうやってその共通の神の基盤を持てるのだろうか。

Posted byブクログ

2020/02/16

難しい本である。完全に理解できたかは疑わしいが、人の古い精神構造が「二分心」であり、文字と比喩の発達にともなって、その構造が崩れたことで「意識」が発生したいうアイデアには説得力がある。

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2019/11/22

これ、この本です。 中野信子女史が「読んでみた」「異様に長かったですよね」 などと一評を与えていましたよね。 あれです。「脳・戦争・ナショナリズム」文春新書内です。 確かに長いな。。。よくもまあ和訳許したものだと。

Posted byブクログ

2019/01/04

読み進めるうちに、「そんなわけがない」が「そういったこともあるかもしれない」に変わり、最後には「きっとそうに違いない」とまで自らの認識を変えてくれるような本にはそうそう出会えるわけではない。その点で本書、『神々の沈黙』は驚くべき一冊である。 我々は人間の意識というものはア・プリ...

読み進めるうちに、「そんなわけがない」が「そういったこともあるかもしれない」に変わり、最後には「きっとそうに違いない」とまで自らの認識を変えてくれるような本にはそうそう出会えるわけではない。その点で本書、『神々の沈黙』は驚くべき一冊である。 我々は人間の意識というものはア・プリオリなものとしてホモ・サピエンスの誕生と共に生まれたものだと思い込んでいる。しかし、1972年に出版された本書が提示するのは、わずか3,000年前まで人類は意識を持っていなかったのではないか、という大胆な仮説である。即座に「そんなバカな」と反応してしまいそうなこの仮説が、本書を読み進めるうちに冒頭のように受けとめられてくるのである。 シーナ・アイエンガーが『選択の科学』で明らかにしたように、無数の選択肢の中から何かを選ぶような意思決定とは、端的に言って人間の心理にとってストレスとなる。それはかつての人類においても当然そうであり、現代以上に生死を分けるような選択が多かったに違いない古代社会においては、そのストレスは現代よりも大きなものだったのではないか。そこでかつての人類は神託や預言という仕組みを用いて、”神々”にその意思決定を委ねることでストレスから逃れようとした。 その証拠として本書で提示されるのは、ホメロスの『イーリアス』に代表されるような古代の文学作品である。そこでは人間という主体が意識的に何かを思考するのではなく、常に”神々”に命じられるがままに受動的に行動する人類の姿が浮かび上がってくる。一方、人類が言語を意のままに操るようになるにつれて、その言語表現が複雑さを増していくにつれて、徐々に人間は意識を手に入れ、神託や預言に頼らない能動的な意思決定が出来るようになったのではないか。かくして人間の意思決定をサポートしていた”神々”は沈黙するに至る。これが本書が提示する大胆な仮説である。 直接的な証明は不可能なこの仮説について、前述のような古代文学の叙述表現の変遷や、言語処理を操る左脳と感性処理を操る右脳の脳科学的な違い、統合失調症などの観察を踏まえて、読み手はこの大胆な仮説の信頼性が高まり、自らの常識が変化する様を驚きと共に体感できる。

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2018/11/24

読了 はっきり言って、科学的な精神からすると、乱暴過ぎるし、論を重ねるほど辛く、さすがに読み飛ばしたところも少しあるのは正直なところ しかし、それでもこの仮説自体のズバ抜けたセンスと魅力を損じるものではない 個人的にはかなり重要で有望なのではないかと思う ここから捉え直すべきこと...

読了 はっきり言って、科学的な精神からすると、乱暴過ぎるし、論を重ねるほど辛く、さすがに読み飛ばしたところも少しあるのは正直なところ しかし、それでもこの仮説自体のズバ抜けたセンスと魅力を損じるものではない 個人的にはかなり重要で有望なのではないかと思う ここから捉え直すべきことがたくさんあるし、旧約聖書のヤハウェの限界が、ヨブによって明かされ、キリストによる新約を予言した、というユングの話にも直結する つまり、意識以前の人間を導いていた幻聴による神から、意識を得た人間を導く神が用いるようになったのは個々人の倫理なんだ、と それは、バラモン教から仏教が、というところでも見られる 古事記・日本書紀的世界観から仏教になるなかで日本も得たものだろう とにかくまぁ、批評精神をしっかり持って読まないとかなり危ないとこのある本だけど、読んでみとくべき本だ んで、10年後の後記がこの本には載ってるけど、10年でさすがに洗練されてるようで、後記はかなりベター 論文以外はこの本1冊の著者なので、まぁ、ものはためしです

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2018/10/28

何で買ったのか全く忘れたが、ずっと面白そうと思ってる。嬉しいことに千夜千冊でも取り上げられていた。 【要約】 ・ 【ノート】 ・

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2018/08/26

人間が意識を獲得したのは今から3000年前からであるとの衝撃的な仮説の表明から始まります。 人間の脳は論理的思考を司る左脳と想像力を働かせる右脳から構成されていると言われてますが、紀元前1000年頃まではそれまでは神々の声を聞く右脳とそれに従う左脳であったとして、これを神々と人間...

人間が意識を獲得したのは今から3000年前からであるとの衝撃的な仮説の表明から始まります。 人間の脳は論理的思考を司る左脳と想像力を働かせる右脳から構成されていると言われてますが、紀元前1000年頃まではそれまでは神々の声を聞く右脳とそれに従う左脳であったとして、これを神々と人間の二分心と名付けています。 古代の粘土板、彫刻、碑文や「イーリアス」、「オデッセイア」などのギリシャ文学、旧約聖書などを分析して精神構造の二分心から神々の声が聞こえなくなっていく様子から現在の意識への変化を検証すると共に、神託や宗教といった社会制度さらには憑依、催眠、統合失調症などの心理学的現象も分析して二分心の痕跡を見出すのが、600ページにも及ぶ本書の内容です。 とても信じられないトンデモ本のような仮説展開ではありますが、検証や分析にとても説得力があったことと、まだまだ未解明な人間の意識問題なので、こんな説もありだなと思いとても興味深く読めました。また、最初は創造主である人間の指示で動いていた人工知能も、だんだんと人間の指示を逸脱するようになって。。。などとSF的な想像も楽しめました。

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2017/09/13

意識のちょびっとに、広大で壮大な無意識、その中心に神があるとゆうのが、ずっと変わらない自分の考え方。 意識の膨張につぐ、膨張によって、神の声や神の目を持たなくなる。だから、その神の声や神の目を思い起こさせるためにこの本はみんなから愛されるのだと思う。 目には見えない、心のこと、...

意識のちょびっとに、広大で壮大な無意識、その中心に神があるとゆうのが、ずっと変わらない自分の考え方。 意識の膨張につぐ、膨張によって、神の声や神の目を持たなくなる。だから、その神の声や神の目を思い起こさせるためにこの本はみんなから愛されるのだと思う。 目には見えない、心のこと、神のことを書いているから。 その意識に始まりが、残虐性、自我の発露とゆうのはまさしくそうなるだろうとゆうことで面白い。恐竜を連想させる。恐竜には、神が見出せないことに、滅びがあった。 そこから、宗教があり、霊能者、ひいては、精神病とゆうのは誠にそうだ、神の存在としかいえない。 要は、我々は神に操られている。暗示があるとゆうことだ。 それを自我は、神々を沈黙させることが可能だ、それを煩悩と呼ぶ、激情とよび、怒りとよび、恨みと呼ぶ。 それじゃあ、そもそも、動物的な本能はなんなのだ、邪魔ではないか、なぜそれを生まれさせた? 神は自分に従う者だけを作れば良いではないか! そこには必ず、神は異なった者同士をぶつけさせる。日本の鎖国からの開国を見よ。そうすると、いろんなことに気づくことができるからだ。いろんなことを知ることができるからだ。 まだまだ、人間は小さい、小さい。神に愛されて、まだまだ、成長し、学び、知り、気づいて行く。 なぜ、自我がある。意識的なことがある??それは、気づき知ろうとしたからだ。 意識的なことと、神的なことを結んだことに、大きな価値がある。

Posted byブクログ

2016/04/24

日頃私達が何気に使っている「意識」という言葉の「意識」とは何か?という事から話は始まります。 現代の様に意識する事を意識しなかった「意識」のない文明があった事を歴史的な資料を元に、その成り立ちを説明して行きます。 さらにその「意識」の特徴を6つ上げて、脳機能の話へと展開しなが...

日頃私達が何気に使っている「意識」という言葉の「意識」とは何か?という事から話は始まります。 現代の様に意識する事を意識しなかった「意識」のない文明があった事を歴史的な資料を元に、その成り立ちを説明して行きます。 さらにその「意識」の特徴を6つ上げて、脳機能の話へと展開しながら言葉の発生過程を具体的に述べ、 神の出現、文明の発生と統治機構から、占いが起こった話までと壮大な物語が描かれて読み手を魅了して行きます。

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2015/03/21

ジュリアン・ジェインズ『神々の沈黙 意識の誕生と文明の興亡』(2005、紀伊國屋書店)を読む。 76年の原著を米国で心理学を修めた柴田氏が訳したもの。 著者のジェインズは心理学を専攻し、プリンストン大学教授として動物行動学を研究し、のち人間の意識へと興味を移しています。 本...

ジュリアン・ジェインズ『神々の沈黙 意識の誕生と文明の興亡』(2005、紀伊國屋書店)を読む。 76年の原著を米国で心理学を修めた柴田氏が訳したもの。 著者のジェインズは心理学を専攻し、プリンストン大学教授として動物行動学を研究し、のち人間の意識へと興味を移しています。 本書では意識の誕生に迫るべく、考古学、歴史についても掘り下げつつ、人類における哲学と意識の在り方に迫っています。欧米式の知識人というべく、プラグマティズム一辺倒でなく、ギリシャ詩に「人の意識の在り方」を探ってみたり、権力者の埋葬形態から残された人民たちの心の変化を類推したりと分野を問わぬ考察ぶり。 簡単にまとめてしまうと、文字を持つ以前の人間の心は、命令を下す「神」と呼ばれる部分と、それに従う「人間」と呼ばれる部分との2つ、すなわち「二分心」を持っていたとの仮説を提示しています。 評論家に「ソフトウェア考古学」と評されただけあり、証明も反証も困難な推論の世界ですが、思考実験として実に興味深く。これで生涯遊べてしまうレベルです。 この二分心は現代人のココロにもまれに発現し、統合失調症として知られます。古代社会が、あるいはギリシャの神々が、あるいはジャンヌダルクが、「声」を無上なる神の命令ととらえてひたすらに目的に邁進した姿勢。この「声」に対する受容プロセスはまさに統合失調症そのものだと。 文明以前の人類はみなこの統合失調症の状態にあり、やがて文字を持つことで逃れ出してきたが、ときに先祖返りを起こすものが出るという衝撃的な解釈。 1982年の前書きを読むと、著者は続編を予定していたようですが、完成を見ることなく97年に脳溢血で死去。唯一の著作としてこれが伝わるのみです。 【本文より】 ◯『イーリアス』の英雄は、私たちのような主観を持っていなかった。彼らは、自分が世界をどう認識しているかを認識しておらず、内観するような内面の〈心の空間〉も持っていなかった。 ◯現代の統合失調症患者が聞く「声」は、患者本人に劣らず、いや、しばしば彼ら以上に「考える」。こうしてナトゥフ人が聞いたと私が想像している「声」は、やがて、王自身が言ったためしもないようなことを即興で考え出し、「言う」ようになりえたはずだ。 ◯(統合失調症について)彼らはパニックに陥るが、パニックは彼らに起きているのではない。彼らはどこにもいないのだ。どこにも拠り所がないのではない。「どこ」自体がないのだ。そしてそのどこでもない場所で、どういうわけか自動人形になり、自分が何をしているのかわからぬまま、自分に聞こえてくる声や他人に操られ、異様でぎょっとするような振る舞いをする。(中略)だが、じつは彼らは「二分心」に逆戻りしているのだ。

Posted byブクログ