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珍妃の井戸 の商品レビュー

3.6

233件のお客様レビュー

  1. 5つ

    41

  2. 4つ

    72

  3. 3つ

    98

  4. 2つ

    15

  5. 1つ

    2

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2017/10/30

「蒼穹の昴」の続編です。 義和団事件の際、連合軍に攻められ西太后・光緒帝一行は北京・紫禁城から西安に逃れた。その時に井戸に放り込まれた光緒帝の愛妃・珍妃殺害の犯人を、英・露・独・日の貴族4人が調査するというお話です。 4人が皇帝付きの宦官・蘭琴、将軍・袁世凱、珍妃の姉で同じく...

「蒼穹の昴」の続編です。 義和団事件の際、連合軍に攻められ西太后・光緒帝一行は北京・紫禁城から西安に逃れた。その時に井戸に放り込まれた光緒帝の愛妃・珍妃殺害の犯人を、英・露・独・日の貴族4人が調査するというお話です。 4人が皇帝付きの宦官・蘭琴、将軍・袁世凱、珍妃の姉で同じく光緒帝の妃・瑾妃、瑾妃付きの宦官、そして幽閉中の光緒帝自身に事件の真相を聞いて回ります。 かつて「壬生義士伝」で見せた様な語り中心の構成です。壬生義士伝では、様々な人の(時に矛盾する)証言が、主人公の姿を鮮やかに浮かび上がらせて行きます。しかし、ここで語られるのは事件であって、矛盾する証言は語り手の姿(相手に対する攻撃や保身)を浮かび上がらせこそすれ、事件や主人公の姿は混乱するのみです。 そもそもこの作品は何なのでしょうか。ミステリとしては混乱したまま終わりますし、歴史物としては背景の書き込みが圧倒的に不足し、人を描いたものとしても不満足です。なにやら中途半端に終わった内容でした。

Posted byブクログ

2017/08/25

正直言って、つまんなかった。わざとらしい感じ。 「蒼穹の昴」が面白かったから、期待してただけあって、なおさらそう感じたのかな。 作者がやろうとしたことはわからないでもないんだけど、あんまり中味がないような…。「蒼穹の昴」のキャラとお別れを告げたくない人には、もう少し余韻に浸る...

正直言って、つまんなかった。わざとらしい感じ。 「蒼穹の昴」が面白かったから、期待してただけあって、なおさらそう感じたのかな。 作者がやろうとしたことはわからないでもないんだけど、あんまり中味がないような…。「蒼穹の昴」のキャラとお別れを告げたくない人には、もう少し余韻に浸る機会を与えてくれるけど。

Posted byブクログ

2017/05/07

蒼穹の昴の後に、たまらずこの本も読みました。 時代に翻弄されて悲劇の最期を遂げた珍妃について、様々な周りの人からの視点で構成されており、独特な切り口だなと思いました。

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2017/02/04

列強諸国に蹂躙(じゅうりん)され荒廃した清朝最末期の北京。その混乱のさなか、紫禁城の奥深くでひとりの妃が無残に命を奪われた。皇帝の寵愛を一身に受けた美しい妃は、何故、誰に殺されたのか?犯人探しに乗り出した日英独露の高官が知った、あまりにも切ない真相とは――。

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2019/06/13

1900年、清朝末期、義和団の乱の最中に光緒帝の寵姫・珍妃が紫禁城内の井戸にて死亡した。 ――いったい誰が、何のために彼女を殺したのか。 日本、イギリス、ドイツ、ロシア。清朝と同じく、それぞれに皇帝を、女王を、天皇を頂く各国の貴族高官たちが集い、事件の真相を追って様々な人々の証言...

1900年、清朝末期、義和団の乱の最中に光緒帝の寵姫・珍妃が紫禁城内の井戸にて死亡した。 ――いったい誰が、何のために彼女を殺したのか。 日本、イギリス、ドイツ、ロシア。清朝と同じく、それぞれに皇帝を、女王を、天皇を頂く各国の貴族高官たちが集い、事件の真相を追って様々な人々の証言を集める。 しかし口々に語られる『真相』はみな、あまりにも食い違っていた。 事件の真相を探るということ。それは珍妃が沈んだ井戸を覗き込むということにほかならない。高官たちが真実を求めてその井戸の深淵をのぞき込むとき、深淵からもまた、真実が彼らをのぞき見ている――。 列強諸国、つまり外国人……洋人(ヤンレン)たちに蹂躙され荒廃する清王朝。しかし清王朝を築き上げた満州族もまた、漢族の人々から見れば洋人(ヤンレン)であった。 長い年月の末に、本来の彼ら自身の言語であった韃靼語すら忘れてしまった郷愁。皇帝の愛するものを無残に蹂躙した者たちを言葉もなく断罪し、己の犯した罪と向き合わせようとする、滅びゆく王朝のひとびとの哀切の物語であると思う。

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2017/01/19

ちょうど世界史の授業で義和団事件をやったタイミングだった、っていうのと、蒼穹の昴が面白かった、っていう理由で読みました。 日本人だから、やっぱり日本も大変だったんだよね、って言いたくなるのですが、清側から見れば大義も何もない虐殺だし、日本も欧米列強と全然変わらないんだと思います。...

ちょうど世界史の授業で義和団事件をやったタイミングだった、っていうのと、蒼穹の昴が面白かった、っていう理由で読みました。 日本人だから、やっぱり日本も大変だったんだよね、って言いたくなるのですが、清側から見れば大義も何もない虐殺だし、日本も欧米列強と全然変わらないんだと思います。 こういうのを読むと、日中関係が悪いのも仕方ない、というか、修復には相当の努力が必要なんだな、と。

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2016/12/20

中国史知識はほとんど無いけれど、とても面白く読んだ。 四人の登場人物はそれぞれ日本、ロシア、イギリス、ドイツからの貴族達で、彼らは珍妃の死の真相を探る。書き口が斬新で、7人の証言者の一人口調で進み、最後には幽閉された皇帝の証言と珍妃の死に際の愛の言葉で終わる。真実は何だったのか。

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2016/09/24

「蒼穹の昴」の続編。といっても、話の切り口はやや異なっており、外伝と言った方が実態には近いかもしれません。 義和団事件の動乱の最中、厚いベールに覆われた王宮の中で非業の死を遂げた王妃。その真相を探る列強の外交官達。だがしかし、真実味を帯びて語られる関係者の証言はどれもこれも嘘っ...

「蒼穹の昴」の続編。といっても、話の切り口はやや異なっており、外伝と言った方が実態には近いかもしれません。 義和団事件の動乱の最中、厚いベールに覆われた王宮の中で非業の死を遂げた王妃。その真相を探る列強の外交官達。だがしかし、真実味を帯びて語られる関係者の証言はどれもこれも嘘っぱちで… いわば歴史ミステリといったジャンルになるのでしょうが、答えに近付いたかと思えばまたひっくり返されるストーリー展開に、思わずこちらも手に汗を握ってしまいます。そもそも探偵?役の外交官たちも海千山千のクセ者揃い。母国の政治的立場も影を指して一枚岩には程遠い有様です。うーん、クラクラします。 辿り着いた"真相"は痛烈で、残酷で、そして純粋でさえあるのですが、それさえもが"真実"であるとは限らないわけで。一見中短編と見せかけておきながら、いやはや何とも深遠かつ壮大な作品です。このスケール感は中国史という素材がもたらすものか、それとも作者の技量によるものなのか。無論、その両方ですね。

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2015/11/28

蒼穹の昴から続く清朝末期の物語。 正直、疑問点がいっぱいあって、もやっとした物語でした。 まず、その当時の歴史を理解していないこともその理由のひとつだと思います。 確認したところ、珍妃が清朝末期のドサクサで井戸に投げ込まれ、殺されてしまったことは事実。これが、西太后による暗殺な...

蒼穹の昴から続く清朝末期の物語。 正直、疑問点がいっぱいあって、もやっとした物語でした。 まず、その当時の歴史を理解していないこともその理由のひとつだと思います。 確認したところ、珍妃が清朝末期のドサクサで井戸に投げ込まれ、殺されてしまったことは事実。これが、西太后による暗殺なのかほかの者による暗殺なのかが謎とのこと。 本書では、その謎をミステリー仕立てで語っています。 ストーリとしては、日英独露の4人の高官がその犯人を捜すべ7人の関係者にインタビューしていく形。 壬生義士伝のように、7人が、それぞれの言葉でその謎、犯人について語っていきます。 当時の政治的背景や人間関係も明らかになりつつ、まったく食い違う証言のなか、最後の証言者は幽閉された光緒帝。これで真実がわかると思いきや... もちろん、最後の最後で浅田さんなりの回答が用意されていますが、うーん、そう来るかってな感じでした。 さらに、疑問に思うところは、7人の証言者。 自分の証言がうそだと思うならこいつに聞いてみろ、みたいな形で次の証言者を紹介していくわけですが、おおよそ、その証言を翻すに決まっている人物(相反する証言をする人物)を紹介するのがちょっと不思議。 あと、わからなかったのが、4人の高官が襲われたのですが、その理由。話の流れから襲われるのはよいとして、その後がなんとなく腑に落ちません。 ということで、ミステリーとしては、いくつか疑問符がつく物語ではありました。 なので、本書はミステリーとして読むべき本ではなく、光緒帝と珍妃の愛の物語として読むべき本だと思います。 さて、次は中原の虹です!! 4冊積読されています(笑)

Posted byブクログ

2018/02/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

やっと読み終えた蒼穹の昴の勢いで、たった一冊だったこともあり読破。続編だが少し毛色が違う感じで、歴史推理小説という感じか。結局最後まで?な箇所はあるが、解説を読んで妙に納得したりした。ドラマも見てみたいなと思った。 2018年1月再読。 史実と言われるものがあるけれど、それが史実となるまでには色々な可能性があったのかなという事をもしかしたら著者は書きたかったのかもと思った次第。小説が入り口になって史実への興味が出て来た。最近、故宮にいって少し歩いた所為もあり、故宮内の描写は頭に浮かぶようで興味深かった。 最後に珍妃が発言していた、’もし生まれ変わることができるのなら、定まった家も持たず、文字すらも知らず、力と勇気だけを正義とする足たる韃靼の乙女として草原に羊をおって暮らしたいと願って居ます’という言葉が響いた。そんな生き方してみたい。

Posted byブクログ