架空通貨 の商品レビュー
仮想通貨、ではなく、架空通貨です。見間違えて借りたが面白かった(笑) 中堅企業が本社を構える山間の街が舞台。この、やや閉鎖された経済圏で、当該企業の下請け企業で結成される協力会内で取引に使用される独自の通貨が発行された。裏打ちされた価値はあやふやで実態はないが、しかし、当該企業の...
仮想通貨、ではなく、架空通貨です。見間違えて借りたが面白かった(笑) 中堅企業が本社を構える山間の街が舞台。この、やや閉鎖された経済圏で、当該企業の下請け企業で結成される協力会内で取引に使用される独自の通貨が発行された。裏打ちされた価値はあやふやで実態はないが、しかし、当該企業の信用と、『よもや価値が無くなるとは』という感覚に支えられ、流通していた。この札をめぐり、マネーロンダリングなどの様々な思惑が入り組み、物語は進む。 実態がないのに雰囲気だけで流通し、多くの人が巻き込まれていく。仮想通貨と近いところはあるかも。
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金融ミステリー、面白かった。 架空通貨ということで、ビットコインをイメージしてしまいますが、本作が描かれたのは2000年。 ここで描かれる架空通貨は本書の表紙絵に描かれているように田神亜鉛が発行する振興券。これをめぐる金融ミステリーとなっています。 しかし、ちょっと人物設定に...
金融ミステリー、面白かった。 架空通貨ということで、ビットコインをイメージしてしまいますが、本作が描かれたのは2000年。 ここで描かれる架空通貨は本書の表紙絵に描かれているように田神亜鉛が発行する振興券。これをめぐる金融ミステリーとなっています。 しかし、ちょっと人物設定には納得がいかない(笑) 主人公は、元商社マンの高校教師の辛島とその教え子の麻紀。 ストーリとしては、麻紀の父親が経営する会社が出した1回目の不渡りをトリガーに、麻紀に相談された辛島がその会社の破綻を防ぐため調査を開始。田神亜鉛の社債を換金しようと田神町に乗り込みますが、そこで見たものは、田神札と言われる振興券。 田神亜鉛でもっている小さな町ゆえに、この田神札を使った支払いのせいで、関連会社、下請けの資金繰りが苦しくなっていきます。 この会社と調査しようと、自らの旧人脈を駆使し調査をすすめ、ついに真相にたどり着きます。 そこには、コンサルタントの加賀、やくざの絡むマネーロンダリング、幽霊会社を使った買収、そして計画倒産といった様々な思惑が動く中、ついに田神亜鉛が... といったところです。 はらはらドキドキで楽しめるのですが、人物設定がちょっと違和感でした。 なにが違和感って 主人公の高校教師がそこまで首を突っ込むか? あんなこと、そんなことまでやっちゃうのか? 旧人脈の人ってそこまで動いてくれちゃうの? 麻紀が高校生とは思えない行動、言動。 などなど。 ちょっと現実離れしたところも多々ありますが、エンターテイメントとしてはとても楽しめました。 お勧め!!
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架空通貨というタイトルだけどいうほど重要な位置づけではないような。 架空通貨は主でなく従という印象。 登場人物はあまり魅力的ではないし内容はとても地味。 とはいえ、人には勧めないけど個人的には非常に楽しめた。
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「半沢直樹」で一躍有名になった著者が、初期の2000年3月に書いた「M 1」を03年に改題した作品。昨年夏・友だちのFさんに教えてもらった本、ようやく読みました(遅くなりました)。 架空の企業城下町・田神町、その町にある田神亜鉛が発行する社債や架空通貨である田神札が下請け企業や...
「半沢直樹」で一躍有名になった著者が、初期の2000年3月に書いた「M 1」を03年に改題した作品。昨年夏・友だちのFさんに教えてもらった本、ようやく読みました(遅くなりました)。 架空の企業城下町・田神町、その町にある田神亜鉛が発行する社債や架空通貨である田神札が下請け企業や地域の人々の生活を蝕んで行くという物語。銀行マンとしての経歴をもつ著者だからこそ展開できるストーリーに、ぐっと引き込まれました。 とても面白かったです。同時に、架空で済まされない現在の社会につながる怖さ・お金が人間に対してもつ影響力等について考えさせられました。 お勧めの一冊です。
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ビットコインとか「仮想通貨」の話かと思って「タイムリーだなー」と思い購入 しかし底本は2003年の「M1」という地域通貨をめぐる話。 とある地方の巨大亜鉛会社が社債を発行し、その償還までの間、地域通貨を発行するが、その発行量は増大。一方、倒産が避けられないことを悟った亜鉛会社社長は買収した町工場に金を移して倒産計画を目論む
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お金が絡む話に興味がない人はいないだろう。 父の経営する会社が破綻。それをなんとかしようとする高校生の娘、麻紀と教師。先生が元商社マンだったから相談したのか、その気があるから相談したのかよくわからないが、こんな若くてかわいい女子高生に相談されて断るなんて人はいないわな。そういう点...
お金が絡む話に興味がない人はいないだろう。 父の経営する会社が破綻。それをなんとかしようとする高校生の娘、麻紀と教師。先生が元商社マンだったから相談したのか、その気があるから相談したのかよくわからないが、こんな若くてかわいい女子高生に相談されて断るなんて人はいないわな。そういう点では上手に相談相手を見極めているような。自分に協力させるためには計算も必要ってことか。 これだけガッツのある高校生なら、将来大物になりそう。 勢いがあるっていいな。
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出先で手持ちの本がないときに読む用にスマホに入れていたもの。 企業の城下町で流通する独自通貨とマネーロンダリングの話。 専門用語が多くて難しかったです。 高校教師が教え子の為に、前職の知識はあるものの ここまで首をつっこんでくれるのか、とか思いつつ… 最後スッキリ、とはいえず、暗い終わり方でした。
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高校教師 辛島が教え子の会社が倒産の危機にあい、それを救うために、奮闘する話なのだが。 教え子の会社の取引先のある町はその取引先企業が新たなる通貨を浸透させている。 ちょっと浮世離れした話だった感じがする。
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副担任をしている生徒の少女の父親の会社が倒産を向かえそうになり、その倒産を何とか回避させたくて少女が遠回しにではあるが、主人公の先生に相談したところから物語は始まっている。 その父親の会社が社債を引き受けていた大口の取引先に何とか期前償還が出来ないかと調べていた彼女の行動が気になり、いても立ってもいられなくなり協力しようとする主人公の先生は高校の先生になる前に商社の信用調査部に所属していたエリートだった。 彼女と一緒に調べていくうちに、取引先の会社がその影響力を使って下請けの会社に社債を引き受けさせ、その代わりに自社の通貨を償還時に利子も含めて返済するというものが出回っている事が分かり、それを追い続けるうちに・・・ 企業を巻き込む様々な人々の欲などが絡み結末へとすすんで行く。
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専門用語がびっしりで始めはなかなか進まなかったが、途中から会社経営のからくりに引きずりこまれ一気に読み終えた。自分の知らない世界を知ることができるのは読書の醍醐味ですね。
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