あやし の商品レビュー
宮部みゆきの江戸怪談集。各短編にちょっとぞっとする仕掛けがある。 彼女の書く時代小説は完成度が高く読みやすいと評価が高い。時代ものといっても、言葉遣いも難しくないので、読んだことが無い人にも手にとってもらいたい。 怖いといえば怖いが、粋というか、情愛のようなものも随所に感じられる...
宮部みゆきの江戸怪談集。各短編にちょっとぞっとする仕掛けがある。 彼女の書く時代小説は完成度が高く読みやすいと評価が高い。時代ものといっても、言葉遣いも難しくないので、読んだことが無い人にも手にとってもらいたい。 怖いといえば怖いが、粋というか、情愛のようなものも随所に感じられる。ウェット具合がちょうどいい。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
恐怖と愛情は似ている。(もしかしたら鬼を意識しすぎて女性が錯覚しているだけなのかもしれないけど) 『安達家の鬼』は人が心に持っている寂しさと、鬼(男)に対する安心感とほんの少しだけの恋が混じり合っていて、惹かれた。 全体的に切なく、白昼夢の様な話だった。江戸の人の心って現代とは違った意味で複雑だね。そこを書くのが書き手としては楽しいのかなとか邪知してしまったりした。
Posted by
いつも短編集を見ないけど、珍しく読んでみた本。 時代もので、商人の話が主な内容で、ぞっとする話が多かった。宮部みゆきは本当色んな幅広いジャンルを書いて、描写が上手いからのめり込んでしまう。
Posted by
背筋が凍るくらい、本当に怖い。 夜中に読んでて、電気消せなくなるくらい怖い。 布団部屋 梅の雨降る 安達家の鬼だけは、少しほっとする。
Posted by
時代物、9編からなる短編集。今まで読んだ時代物は、お化けや幽霊を書いていても優しい感じがしたのだが、この本は少し印象が違った。人の業が引き起こす障りや不幸が、全編通して書かれている。特に「影牢」は悲しい。
Posted by
怖いです。 お話に出てくる鬼や怨霊もですが、そんな鬼を産み出してしまう人の暗い気持ちが、何より恐ろしいと感じました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
江戸の商人文化に見え隠れするちょっと不思議なお話集。 個人的には「安達家の鬼」がよかったです。 ミステリぽい暗さがあって面白かったのは「影牢」。 一番寒かったのは「女の首」で、少年が首に出会う一幕かな。。 どれも日常に住まう怪奇をとりあげていますが、不条理で恐ろしいというより人の情念に温まったり寒くなったりというかんじ。バラエティに富み、外れなくおもしろいですが、淡々とした進行と語り口に眠くなることもしばしば。 いろんなジャンルを書かれる作家さんですが、怪談もバランスよく。
Posted by
作者の小説は今までに3冊くらい読んでるんですが、どれもつまらないというわけではないのになんとなく私には馴染まなくて全部途中でやめてしまっていたんですが、今回は面白く最後まで読めました。 最初の『居眠り心中 』は、なんかピンと来なくてこれはまた読み切れないかな…と思ったのですが、そ...
作者の小説は今までに3冊くらい読んでるんですが、どれもつまらないというわけではないのになんとなく私には馴染まなくて全部途中でやめてしまっていたんですが、今回は面白く最後まで読めました。 最初の『居眠り心中 』は、なんかピンと来なくてこれはまた読み切れないかな…と思ったのですが、それ以降はすらすら読めました。 お化けが出てきて怖いというよりも、人の情みたいなものが怖くて切ない…という感じでした。
Posted by
数年ぶりに再読。 「居眠り心中」の心中の仕方だけ覚えていて、どんな話だったかなと思ったので。 今なら「安達家の鬼」と「時雨鬼」が好き。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
再読。背筋が寒くなるようなコワイお話の数々でございます。手前にとりましては、「影牢」がいちばんコワイお話でございました。子が嫁が孫が、家族をどんなにひどくいたぶったか。手前の口からは申し上げられません。このお話をご一読いただければ、手前のこの気持ちがおわかりいただけますでしょう。殺されて当然と思われるほど虐めた家族、死んだほうがましだと思うほどに虐められた家族。家の中で起こります憎しみや妬みがこれほどのものとは。しかしいづれのお話も短編でようございました。この怖さを長編で読む勇気は、手前にはございません。
Posted by