あやし の商品レビュー
初めて読んだ宮部みゆきの時代物。短編ではあったが面白い。怖すぎることはないが、余韻が残る話ばかりでした。現代物と同じように丁寧な作りと感じた。
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宮部みゆきを読むのは久々。数えてみると19冊目だったんだけど、現代物しか読んだことが無かった。今回は初めて時代物に挑戦。といっても、江戸の怪談だけど。9篇収められた短編集。 まだ若い子たちが、よその家に奉公に行き、そこで怪事件が起こる・・・という話が多かった。 どれもぞくっとし、怖かった。 この本、自分が子供だったら確実に夜トイレに行けなくなる類だ。 中でも「安達家の鬼」が印象に残ったかな。女中と、その義母の話。義母には「鬼」が付いているという。その鬼と出会うまでの義母の昔話がまた良い。怖いけど、この話は暖かさもあるから好き。 「時雨鬼」もテンポ良く読みやすい。ラストシーンの主人公の心の迷いは、人間の誰もが持つ心の闇を表現しているよう。 「影牢」もかなり強烈でインパクトのある話なんだけど、ちょっと心が痛くなる展開。 「蜆塚」も怪談としてはかなり秀逸。 9篇の中にはもちろん自分好みではないものもあったが、はらはらさせ、夢中にさせるストーリー展開は圧巻だった。 「人間は誰でも鬼になる素質を持っているのかもしれない」と思わせる。怖いだけじゃなく、人間の心の裏側に訴えるものを感じた
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いままでの宮部みゆきの”怪談”ものと少し作風が異なり、本当に”怪談”だった。理由の分からない怖さがある。怪談らしいのだけど、人情ものが少し入って、オチのある怖さの”三島屋シリーズ”とかの方が安心して読める。 ”理由がない”というのは、本当の怖さなんだろうな。
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宮部みゆきの時代物、怪談の短編集。どれも鬼や幽霊、この世のものでない類が出てくる。しかし、それら自体は怖くはない。むしろ物悲しくもある。あの世のものを生み出しているのは人間の想いや業であり、それを生み出す人間自体が怖い。その人間の怖さを描きこみが怖い。読みながら、各章の終盤には鳥...
宮部みゆきの時代物、怪談の短編集。どれも鬼や幽霊、この世のものでない類が出てくる。しかし、それら自体は怖くはない。むしろ物悲しくもある。あの世のものを生み出しているのは人間の想いや業であり、それを生み出す人間自体が怖い。その人間の怖さを描きこみが怖い。読みながら、各章の終盤には鳥肌がすこしだけぞくぞくっと立ちます。 宮部みゆきの文庫本で、これまで読んでいなかった「あやし」をやっと読めました。これで、文庫化された小説は、たぶん制覇したかな。
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実は以前読みかけて断念したままになっていたものの、再チャレンジでした。 で、前回なぜ断念してしまったのかわからないほど今回はすんなりと読了。面白かったです。
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江戸時代を舞台に怨念のこもった女性が化けて出てくる短編集。「女の首」は一寸ぞっとしました。この時代はやはり闇が多く、想像力が怖さを広げた時代なのでしょう。それにしても著者が女性なのに、化けるのは女ばかりというのはやはりその方が似合うからでしょうか。必ず気の毒な女性です。家族愛と人情がこの著者の特徴で魅力ではありますが、今一つインパクトが弱い作品でした。
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実家滞在記念、再読その3。 時代物短編集。 ちょこっとファンタジー…というか、怪談系。 私的いちばんは、『安達家の鬼』。 怪談系でも未来が明るい、と思えるのがやっぱり好き。 次点で『時雨鬼』。 おや鬼つながり。 がんばれお信ちゃん、今が正念場だ。
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宮部みゆきは現代物はあんま面白ない と思うけど、この江戸奇談(怪談❓) シリーズはめっちゃおもしろいし、 大好きです
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江戸の「あやし」い話が沢山。恐い話、なるほどと思う話など9話。居眠り心中、影牢、布団部屋、梅の雨降る、安達家の鬼、女の首、時雨鬼、灰神楽、蜆塚。解説の東雅夫が、丁寧に背景を描いている。解説の引用・参考文献を読んだら、また読むと面白いかも。http://bit.ly/12TDEQH
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母が読んでいたものを読ませてもらい、何年か経った後に読みたくなって自分で購入。 初読はかなり前なのですが、すーげー怖い話があったんだよなあ、とそのワンシーンだけ強烈に覚えておりそれを頼りに買ったところ、子供ながらにヒエエーとなったのは『灰神楽』だった事が判明。 裸足の女が凄い勢いで歩いて通り過ぎた、のあたりは何回読んでも怖かった。情景を想像してしまって鬱。
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