こんな夜更けにバナナかよ の商品レビュー
前々から気になって読んでみたいと思った作品。筋ジストロフィーの男性、鹿野さんとボランティアの方々の人間模様や、裏側などが描かれている。彼のボランティアを通じて、その後の人生に大きな影響を与えたり、彼の介助を通じて嬉しいこと、悲しいこと、辛いことを乗り越え、笑える話などからも成長し...
前々から気になって読んでみたいと思った作品。筋ジストロフィーの男性、鹿野さんとボランティアの方々の人間模様や、裏側などが描かれている。彼のボランティアを通じて、その後の人生に大きな影響を与えたり、彼の介助を通じて嬉しいこと、悲しいこと、辛いことを乗り越え、笑える話などからも成長していく様子が感じられる。障害を取り巻く環境も昔から現在に至るまで様々な変化をし、お互いの人間関係を構築し、共生しあうことが大事だと思う。鹿野さんの強烈な個性と大泉洋さんの役柄がピッタリだと感じ、映画の内容も期待したい。
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小学校6年生のときに進行性筋ジストロフィーという診断を受けた鹿野靖明。車椅子になり、寝たきりになり、人工呼吸器を付け、徐々に徐々に体の状態が悪化していく中でも彼は「生きたい」と叫ぶ。 彼の生活は24時間介護・介助が必要だ。しかし鹿野は「枕が高すぎる」「体位変換が下手くそ」などとボ...
小学校6年生のときに進行性筋ジストロフィーという診断を受けた鹿野靖明。車椅子になり、寝たきりになり、人工呼吸器を付け、徐々に徐々に体の状態が悪化していく中でも彼は「生きたい」と叫ぶ。 彼の生活は24時間介護・介助が必要だ。しかし鹿野は「枕が高すぎる」「体位変換が下手くそ」などとボランティアに文句をいい、時に口喧嘩をし、時に泣きわめく。わがまま三昧の鹿野なのに、常に周りにはたくさんの人がいて賑わっている。それは彼の人間性に魅了されたからなのか、生命エネルギーに惹きつけられたからなのか。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
映画の予告を見て興味を抱き読みました。 予告をチラッと見た時に「この人すごいワガママだなー」とまず思ったし、文中でも(というか冒頭から)何度も「シカノはワガママ」といったニュアンスの証言がどんどんでてきます。 同時に「ただのワガママ」には感じない不思議な魅力(?)をもなぜか感じ、読んでいくうちにその源の部分が少しずつ解き明かされていった気がします。 ”生きることに貪欲”と言ってしまえばあっさりしたものだけど、その貪欲さのエネルギーが半端ないです。 固定概念や先例にとらわれない強さ、想像以上。 そして何より周囲の人たちの接し方・受け止め方・受け入れ方が十人十色。 「ボランティアはこうあるべき、だけど…」といった葛藤を抱えたり「そもそもボランティアってよくわかんないから」という状況からスタートしていたり… 画一的でなく、様々なタイプの人たちが鹿野さんのまわりに集まったことも、鹿野さんの魅力形成につながってるような気がしてなりません。 もちろん人と人とのことなので、そりが合わなくてボランティアに参加しなくなった人も多くいるようですが。 途中から専従になった才木さんの 「普通は学校生活でもまれたりしながら人間関係や社会性を身につけていくけど、シカノの場合はそれが十分にできなかったからワガママなのはある程度仕方ない」 という言葉がとても印象的でした。 才木さんが出会った当初は気性が激しかったという鹿野さん。 たくさんのボランティアに囲まれて生活することが、ある意味で”学校生活”みたいなものだったのかな、と思いました。 何の気なしに読んでいってたので「エピローグ」で大きな衝撃をうけ、「あとがき」で泣きました。 本ができるのを心待ちにしていた鹿野さんは、自分が映画の主人公になったなんて知ったらどんだけ喜んだんだろうな…会ったこともないのにそんなことを考えたらふと涙がでてきました。 このすごいボリュームの本を読み終わって、私もすっかりシカノに魅了されちゃいました。 それにしても映画でのシカノ役が大泉洋…すごいハマってるとしか思えない!!
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同じ世代の筋ジストロフィー患者、鹿野靖明が切り拓いた類まれな生涯がここにある。身近にも、結婚後に筋ジスが発症し、現在、家族と友人に支えられながら暮らす同級生がいる。正直、我が身にその病が生じていないことに安堵と感謝をおぼえる。介助と看護は程度こそあれ、できれば授受を抑えたいと願う...
同じ世代の筋ジストロフィー患者、鹿野靖明が切り拓いた類まれな生涯がここにある。身近にも、結婚後に筋ジスが発症し、現在、家族と友人に支えられながら暮らす同級生がいる。正直、我が身にその病が生じていないことに安堵と感謝をおぼえる。介助と看護は程度こそあれ、できれば授受を抑えたいと願う。とはいえ、障害に直面したならば、いかに自分の心と折り合いをつけて生きていくのか。なによりも、他者とどう関わっていくのか、いけるのか。通常、障害者は一方的に与えられる受け身な立場としか考えが及ばないものの、自らの障害をもってボランティア介助者に研修させているとの認識には、おそれ入る。是非もなく、伝えられるべき人生だ。
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進行性筋ジストロフィーの故、鹿野靖明氏と鹿野氏を囲むボランティアたちのストーリー。ボランティアって本当に綺麗事ではない。鹿野氏は結構わがままだったようでボランティアたちもそれに応戦したりなだめたり。障害者も健常者も皆、心を持っているのだからぶつかり合うのもアリだよね、、と、当たり...
進行性筋ジストロフィーの故、鹿野靖明氏と鹿野氏を囲むボランティアたちのストーリー。ボランティアって本当に綺麗事ではない。鹿野氏は結構わがままだったようでボランティアたちもそれに応戦したりなだめたり。障害者も健常者も皆、心を持っているのだからぶつかり合うのもアリだよね、、と、当たり前のことに気付かされた本でした。
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寡作だが誠実な作品を出す北海道在住のノンフィクション作家。在宅自立生活を送る重度の身体障害者によりそう。 (松村 教員)
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障害者はいつでも不幸なのか。恵まれた健常者の心は満たされているか。 ボランティアは自分が幸福探し、不燃焼な自分への清算がきっかけかもしれない。
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「他者をケアする」とはどういうことなのか、あるいは「生きることの壮絶さやたくましさ」が痛いほど伝わってきます。
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若者達の介助をする理由を描いた章が面白かった。 肩肘を張らないボランティアが増えていくと良いなと思った。綺麗事ばかりではいかないだろうけど。
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