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安心社会から信頼社会へ の商品レビュー

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64件のお客様レビュー

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会社では、値段が高く…

会社では、値段が高くてもいつもの取引のある店で購入するのが当たり前です。家庭の買い物なら必要のないことを、会社ではやっています。それは、会社側が安心を得るためで、個人を信頼していないことを意味しているのではないでしょうか。いつもの店なら問題ない、書類があるから大丈夫、これは一見よ...

会社では、値段が高くてもいつもの取引のある店で購入するのが当たり前です。家庭の買い物なら必要のないことを、会社ではやっています。それは、会社側が安心を得るためで、個人を信頼していないことを意味しているのではないでしょうか。いつもの店なら問題ない、書類があるから大丈夫、これは一見よさそうに見えて、実は結構な不利益を生み出していると書かれています。安心を得るためにかかるコストが、相手を信頼することで軽減できる。それがこの本のテーマです。

文庫OFF

安心でき、そして互い…

安心でき、そして互いに信頼できる社会こそ理想。

文庫OFF

2024/07/01

基本的に人は信頼できると考える一般的高信頼者はお人好しなのではなく、人を見抜く力がある人である。楽観主義者で多くの人と協調関係にトライすることで、さらに人を見る力を持てる。未来は自分で切り拓けると信じられる人に多い。でも周囲の敵意好意にはそこまで敏感ではない。ちなみに高学歴者や勉...

基本的に人は信頼できると考える一般的高信頼者はお人好しなのではなく、人を見抜く力がある人である。楽観主義者で多くの人と協調関係にトライすることで、さらに人を見る力を持てる。未来は自分で切り拓けると信じられる人に多い。でも周囲の敵意好意にはそこまで敏感ではない。ちなみに高学歴者や勉学に努めるほどに、人を見抜く力や協調する力は育つというデータも示されていた。 人が自分に好意的かを見抜く力が高い人は、仲良しと一緒にいると落ち着く、人の目を気にしていて、ビクビクしている人で、むしろ一般的に低信頼者かつ悲観主義者という相関が成り立つことが多い。 日本人は集団のために行動すると信じられてきたが、それは監視、ムラ社会だっただけで、旅の恥はかき捨てのように、一旦繰り返しゲームから離れると自律できなくなる。 日本人は恥の文化、欧米人は罪の文化 結局、社会の構成要素によって人の考え方は影響を受けるということを、色んな実験から導き出している。

Posted byブクログ

2023/06/11

感想 ソトとウチの経済学。ウチの中で活躍できるのは当たり前。ダイヤの原石はソトに転がる。最も安全なルートで取りにいかなくては身が持たない。

Posted byブクログ

2023/05/08

非常に勉強になる本でした。1999年に初版が出されていますが、この本で述べられている事象は年々強まっているのではないでしょうか。日本は信頼が崩壊しているという言説があることに対して、そうではなく「安心」社会が崩壊しているのだと著者は論じます。 本書では「一般的信頼」という言葉が...

非常に勉強になる本でした。1999年に初版が出されていますが、この本で述べられている事象は年々強まっているのではないでしょうか。日本は信頼が崩壊しているという言説があることに対して、そうではなく「安心」社会が崩壊しているのだと著者は論じます。 本書では「一般的信頼」という言葉が重要な概念として紹介されていますが、これは見知った人をどのくらい信頼するかではなく、一般的に他の人をどれだけ信頼できるか、見知らぬ人がどれだけ信頼できるか見抜けるということを意味します。これは狭義の信頼にあたるのかもしれませんが、結論から言うと日本人はこの能力をこれから鍛える必要がある、なぜなら、そういう社会環境に日本がどんどんなりつつあるからだ、ということになります。 その理由を端的に述べれば、日本の経済社会が得意としてきた長期的コミットメント方式(企業の終身雇用しかり、取引での系列、グループ化しかり)は「ウチ」と「ソト」を明確に分けることで、「ウチ」の中での不確実性を低下させ安心を生み出してきたけれども、「ソト」に様々な機会があふれるようになってきた、つまり経済学的に言えば長期的コミットメントによる機会費用が大きくなってきた、という社会変化を意味します。たとえば雇用を例にとれば、2-30年前ですと会社の転職は非常に難しかった。つまり受け入れ先を見つけることが難しかったのに対して、現在は転職・引き抜きは当たり前ですし、起業という選択肢も珍しくなくなりました。つまり「ソト」に機会がたくさんあるなら、今の会社でじっと耐え続けながら人生を送り続けることは、あまりに非合理的、非効率的であるということになります。そしてこのように社会が流動的になると、どんどん新しい人と関係を築く必要がありますから、必然的に人間を見極める能力を鍛えなくてはならなくなります。 そして著者は社会的知性という概念を紹介しつつ、社会的知性は大きく2つあること、1つは「ウチ」のなかで見知った人の間の関係性を検知する「関係性検知能力」、もう1つは 見知らぬ人についてその人が信頼できるかどうかを検知する「人間性検知能力」だと紹介します。そしてこれまでの日本社会は前者の「関係性検知能力」に長けていることが重要だったが、社会が流動化し、「ソト」の機会を人々がつかむようになると、それは「人間性検知能力」を鍛えることになるだろうと言います。そしてこれこそが「信頼社会」と著者が呼ぶ未来像です。ただこれはスムーズに実現するとは思えない。なぜなら閉ざされた社会に居心地の良さを感じている人もいるし、あえて情報の非対称性というか、情報を外に出さないことで自分の優位性を保とうとする人がいるからです。 などなど記述は尽きませんが、さすがに一流の学者が書かれた本で、単に理論を披露しているだけでなく、実証実験の興味深い結果を多数紹介しているので、それだけでも一読に値します。しかも素人にも読みやすく書かれていますので、久しぶりに大満足の本でした。

Posted byブクログ

2023/05/03

実験的データを示しつつ丁寧な解説の本でした。日本的「安心」の狭さから、より広く深い「信頼」を目指したいものです。情報開示や透明性について触れられていたところも良かったです。

Posted byブクログ

2023/02/24

読んで良かった。 安心社会にいる(もしくはいたい)人と信頼社会にいる人(もしくはいたい人)はコミュニケーションの方法が違うものだろうなと思った。

Posted byブクログ

2022/09/29

周りを見渡すと『安心』を得るためにどれだけの非生産的ルールがあるんだろうと考えさせられた。常識的な認識を改めることが出来た。発刊から年数が経っているものの、現代社会においても変わらない認識で読めた。

Posted byブクログ

2022/05/17

わざわざこの国で「絆」が叫ばれることの心理的背景がよくわかる。 基本的に日本人は他人を信頼していないのだ。だから助け合うという当たり前のことを言うのに「絆」なんて大げさな言い方をしなければならない。もっと言うと、助け合わなかったら罰金くらいのことをしないと助け合わない社会なのだ。...

わざわざこの国で「絆」が叫ばれることの心理的背景がよくわかる。 基本的に日本人は他人を信頼していないのだ。だから助け合うという当たり前のことを言うのに「絆」なんて大げさな言い方をしなければならない。もっと言うと、助け合わなかったら罰金くらいのことをしないと助け合わない社会なのだ。 ほっといたら、社会的な圧力や仕組み、制度がなかったら、基本的には他人事は他人事。そんなムラ社会な精神が古代から綿々と受け継がれているのが、この国なのだ。

Posted byブクログ

2022/01/08

集団的な意識が強そうと思われている日本は、意外と個人主義。他人を信頼しない人が多い。 英語の「trust」と、日本語の「信頼」の ビミョーな差が分かった気がする。

Posted byブクログ