倚りかからず の商品レビュー
1999年刊行の生前最後の詩集となりました。「倚かからず」、「鶴」、「お休みどころ」、「時代おくれ」と好きな詩がたくさん含まれています。
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買った時にお店の人が倚りかかってばっかりになっちゃうんですけどねって言ってたけど倚りかかれるものがあるということの楽しさ嬉しさを心から喜ぶことと倚りかかるべきではないものを真剣に見つめぬくということを同時に抱えていたい 生きる姿勢
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10代の頃から思い出しては手に取り読み返す詩集。 歳ごとに受ける印象は変化してきたけれど、これからも手元にあるだろう大切な本。 最近響いたのは 「そんなに情報集めてどうするの そんなに急いで何をするの 頭はからっぽのまま」 時代おくれより
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約20年ぶりの再読。表題作「倚りかからず」は目にする機会があるのでよく覚えていた。 毅然とした、でもユーモアがある方という印象。辛辣。 あとがきの「振りかえってみると、すべてを含めて、自分の意志ではっきりと一歩前に踏み出したという経験は、指折り数えて、たったの五回しかなかった。...
約20年ぶりの再読。表題作「倚りかからず」は目にする機会があるのでよく覚えていた。 毅然とした、でもユーモアがある方という印象。辛辣。 あとがきの「振りかえってみると、すべてを含めて、自分の意志ではっきりと一歩前に踏み出したという経験は、指折り数えて、たったの五回しかなかった。」に驚いた。こんなに毅然とした方でも五回。少ないように感じたが、果たして自分はどうだろうか。
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「私が美しかったころ」「うたの心に生きた人々」などを読了しています。詩人、エッセイスト、童話作家、脚本家の茨木のり子さん(1926~2006)「倚(よ)りかからず」、1999.10発行。15編の詩が収録されています。 15編の詩の収録。茨木のり子(1926~2006)「倚りかからず」、1999.19発行、再読。①たった数日間だけの上昇気流を捉え、鶴が隊列を組んでヒマラヤを越える 越冬地のインドへ命がけの旅「鶴」 ②40年前の晩秋 奈良駅の駅長さんの詩「お休みどころ」 ③倚りかかるとすれば それは椅子の背もたれだけ「倚りかからず」 ④水一滴もこぼさずに廻る地球「水の星」など。
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未発表12編を含む15編の詩集。 久々の詩集。飾らない茨木さんの詩が好き。 〈はるばる屋〉という店がある という一文から始まる「店の名」が好みかな〜表題作の「倚りかからず」も装画と相まって良い。
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「木は旅が好き」 「鶴」何もなくただそのまま 「鄙ぶりの唄」 「マザー・テレサの瞳』撫でさするだけ 手を握るだけ-「言葉が多すぎます」 「水の星」宇宙にあって美しい星 奇跡の星 寂しげな星にあって寂しいの当たり前 「ある一行」絶望の虚妄なること まさに希望に相同じいーペテーフィ・...
「木は旅が好き」 「鶴」何もなくただそのまま 「鄙ぶりの唄」 「マザー・テレサの瞳』撫でさするだけ 手を握るだけ-「言葉が多すぎます」 「水の星」宇宙にあって美しい星 奇跡の星 寂しげな星にあって寂しいの当たり前 「ある一行」絶望の虚妄なること まさに希望に相同じいーペテーフィ・シャンドル
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「倚りかからず」「苦しみの日々 哀しみの日々」 「ある一行」が印象に残った。詩から読み取れる彼女の姿勢が凛々しく格好いい。 小さなことで悩み、苦しむ我々を鼓舞してくれるような詩が多く、このような詩の力強さは在学中に戦時を体験したことが一つの要因であり、人々を魅了していると思う。 ...
「倚りかからず」「苦しみの日々 哀しみの日々」 「ある一行」が印象に残った。詩から読み取れる彼女の姿勢が凛々しく格好いい。 小さなことで悩み、苦しむ我々を鼓舞してくれるような詩が多く、このような詩の力強さは在学中に戦時を体験したことが一つの要因であり、人々を魅了していると思う。 凛とした眼差しで世界を見つめ、自分を確立している彼女からは学べることが多いと思った。
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お気に入りは「倚りかからず」「笑う能力」「苦しみの日々 悲しみの日々」「水の星」。「自分の感受性くらい」でも思ったが、歳を取って飛び上がるほどうれしいことや大爆笑することがなくなってしまうんだとしたら、かなり寂しい。だからこそ、嬉しいことを嬉しく、面白いことを面白く捉えられるよう...
お気に入りは「倚りかからず」「笑う能力」「苦しみの日々 悲しみの日々」「水の星」。「自分の感受性くらい」でも思ったが、歳を取って飛び上がるほどうれしいことや大爆笑することがなくなってしまうんだとしたら、かなり寂しい。だからこそ、嬉しいことを嬉しく、面白いことを面白く捉えられるようにしておくことが大切なのだろうと思う。 最後の詩集であり作者自身もご高齢だったからか、現代を嘆くような詩もあった。やはりピシャリと叱られるような印象。 更に目まぐるしくなった今を見たら、作者はなんと言うんだろうか。
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「倚りかからず」茨木のり子著、筑摩書房、1999.10.07 84p ¥1,890 C0092 (2018.12.16読了)(2018.12.13借入)(1999.11.20/4刷) 茨木のり子さんの八番目の詩集です。15篇の詩が収録されています。 1926年、大阪生まれ 1955年、第1詩集「対話」(不知火社)を刊行 1958年、第2詩集「見えない配達夫」(飯塚書店)を刊行 1965年、第3詩集「鎮魂歌」(思潮社)を刊行 1971年、第4詩集「人名詩集」(山梨シルクセンター出版部)を刊行 1977年、第5詩集「自分の感受性くらい」(花神社)を刊行 1982年、第6詩集「寸志」(花神社)を刊行 1992年、第7詩集「食卓に珈琲の匂い流れ」(花神社)を刊行 1999年、第8詩集「倚りかからず」(筑摩書房)を刊行 2006年、79歳で死去 2007年、第9詩集「歳月」(花神社)を刊行 読売新聞・日曜版、読書欄の「平成時代名著50」の一冊として紹介されていたので、読んでみることにしました。73歳のときに出版された詩集です。 年齢のせいか、肩の力が抜けてそこはかとないユーモアが漂っているという印象です。 「店の名」は、「ある町の/<おいてけぼり>という喫茶店も/気に入っていたのだが/店じしんおいてけぼりをくわなかったが/どうか」と終わります。 「時代おくれ」には、「電話ひとつだって/おそるべき文明の利器で/ありがたがっているうちに/盗聴も自由とか/便利なものはたいてい不快な副作用をともなう/川のまんなかに小船を浮かべ/江戸時代のように密談しなければならない日がくるのかも」という一節が入っています。そんなことがあったんですかね。 「倚りかからず」は、「できあいの思想」「できあいの宗教」「できあいの学問」「いかなる権威」にも「倚りかかりたくない」と宣言し、「倚りかかるとすれば/それは/椅子の背もたれだけ」と結びます。 「笑う能力」では、「言葉の脱臼 骨折 捻挫のさま」の事例をいくつか挙げて笑わせて、「気がつけば いつのまにか/我が膝までが笑うようになっていた」と結んでいます。 割と楽しく読ませてもらいました。 【目次】 木は旅が好き 鶴 あのひとの棲む国 鄙ぶりの唄 疎開児童も お休みどころ 店の名 時代おくれ 倚りかからず 笑う能力 ピカソのぎょろ目 苦しみの日々 哀しみの日々 マザー・テレサの瞳 水の星 ある一行 あとがき ☆関連図書(既読) 「おんなのことば」茨木のり子著、童話屋、1994.08.17 「特別授業『自分の感受性くらい』」若松英輔著、NHK出版、2018.12.30 (「MARC」データベースより)amazon もはや いかなる権威にも倚りかかりたくはない ながく生きて 心底学んだのはそれぐらい…。 静かに激しく紡ぐ、7年ぶりの詩集。書き下ろしを含む15篇を収録。
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