倚りかからず の商品レビュー
【収録作品】木は旅が好き/鶴/あのひとの棲む国/鄙ぶりの唄/疎開児童も/お休みどころ/店の名/時代おくれ/倚りかからず/笑う能力/ピカソのぎょろ目/苦しみの日々 哀しみの日々/マザー・テレサの瞳/水の星/ある一行 情報を鵜吞みにせず、周囲に流されず、自分で考えて生きようという...
【収録作品】木は旅が好き/鶴/あのひとの棲む国/鄙ぶりの唄/疎開児童も/お休みどころ/店の名/時代おくれ/倚りかからず/笑う能力/ピカソのぎょろ目/苦しみの日々 哀しみの日々/マザー・テレサの瞳/水の星/ある一行 情報を鵜吞みにせず、周囲に流されず、自分で考えて生きようという、厳しく、強い姿勢に励まされる。
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辰巳芳子のような、威圧感のある人柄が表れているような気がする。なんか怒ってんだろうな。詩というよりエッセイという印象。「ピカソのぎょろ目」「マザー・テレサの瞳」 はよかった。
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詩人は常に孤高でなければならないのだろう。表題作「倚りかからず」はまさにそうだ。そして、孤独であることに誇りを伴っている。詩人の眼は、また限りなく優しい。そして郷愁を運んでくる。詩人の心は時に空間を、あるいは時間を遥かに超えてゆく(「木は旅が好き」、「鶴」)。また、ある時には詩人の着想は突飛だ。ピカソのぎょろ目がバセドウ病だなんて。詩人は人の生き方に崇高なものを見つめる(「マザー・テレサの瞳」)。そして、詩人の眼はいつも驚きに見開かれている(「水の星」)。ほんとうにいい詩集だった。
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“わたしのなかにわずかに残る澄んだものが はげしく反応してさざなみ立つ”「鶴」「疎開児童も」“そんなに情報集めてどうするの そんなに急いで何をするの 頭はからっぽのまま”“はたから見れば嘲笑の時代遅れ けれど進んで選びとった時代遅れ”「時代遅れ」「苦しみの日々 哀しみの日々」“愛しているという一語の錨のような重たさ”「マザー・テレサの瞳」“生まれてこのかた なにに一番驚いたかと言えば 水一滴もこぼさずに廻る地球を 外からパチリと写した一枚の写真”「水の星」 良かった。後書きに出てくる内蒙古に行った青年が持っていった茨木さんの詩集。選択が素晴らしすぎる^^;25の時に私は茨木さんを知ってたかな。何で知ったかはもう定かではないけど、この方の言の葉に触れられる幸せに感謝。
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こういった、まっすぐなことばこそ、いま、必要なんじゃあないかなあ。 そうして、いま、必要だ、ということは、きっと、いつでも、必要なんだろう。
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長く生きてきて寄りかかるものは椅子の背もたれくらいだ…という茨木さんの詩集。孤独なように感じるが、孤独に近い場所に大切なものってあるんじゃないかと感じた。意や志を貫く、自分を確立するというのは時として孤独を覚悟する作業にもなる。 折り合いをその中でうまく混ぜていくのも必要なのだろ...
長く生きてきて寄りかかるものは椅子の背もたれくらいだ…という茨木さんの詩集。孤独なように感じるが、孤独に近い場所に大切なものってあるんじゃないかと感じた。意や志を貫く、自分を確立するというのは時として孤独を覚悟する作業にもなる。 折り合いをその中でうまく混ぜていくのも必要なのだろうが、時代に対しては折り合いというものが通用しにくいのだろうという事も感じた。
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『自分の感受性くらい』がとても良かったので、タイトルと装丁にひかれて、半年ほど前に購入した 積読本にしていたのだけれど、今が読むべきときだと思い、眠る前に2・3編ずつ読み進めた 著者の最後の詩集で、全15篇からなる 「木は旅が好き」どこにだっていける 「お休みどころ」死をもって...
『自分の感受性くらい』がとても良かったので、タイトルと装丁にひかれて、半年ほど前に購入した 積読本にしていたのだけれど、今が読むべきときだと思い、眠る前に2・3編ずつ読み進めた 著者の最後の詩集で、全15篇からなる 「木は旅が好き」どこにだっていける 「お休みどころ」死をもって茨木さんの詩は真にお休みどころになったと思う 「倚りかからず」強さは優しさというのはほんとうだけれど、力を抜いていい場所だってあるのが救いだ 「苦しみの日々 哀しみの日々」つらいことは時間が少しは解決してくれるし、私も自己省察と感謝をするよう努力している 「マザー・テレサの瞳」私自身はマザー・テレサのことに関心はなかったのだけれど、無になることと慰藉の意味を考えさせてくれる 「水の星」茨木さんが宇宙について考えていた人だということ自体が、私には嬉しかった
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迷いがある時にこれを読んだ。 揺るがないものってないのかもしれない。 でも、この詩集を読む時に 変わらない何かを感じる そんな本です。
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強く、かつ、ありふれた言葉。 世界を冷静に、まっすぐ見つめるブレない視線。 日本語の美しさ、言霊。 言葉の、正しい強さが宿っているよう。 胸をわしづかみにされるような感覚を覚える。
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この詩集を手にしたのは何年も前の就職活動中だった。 何のきっかけだったかは忘れたが、当時詩集としては異例の売れ行きで、 本屋さんでも平積みされていたような気がする。 うろ覚えだが、どこかの会社の面接の帰りにこの詩集を手にしたのだと思う。 特別行きたい会社があったわけでもなく、 ...
この詩集を手にしたのは何年も前の就職活動中だった。 何のきっかけだったかは忘れたが、当時詩集としては異例の売れ行きで、 本屋さんでも平積みされていたような気がする。 うろ覚えだが、どこかの会社の面接の帰りにこの詩集を手にしたのだと思う。 特別行きたい会社があったわけでもなく、 自分がどういう人生を歩みたいのかも、ふらふらと迷っていた時期だ。 (いまだって迷ってばかりだけれど、 当時から比べればまだ「こうしたい」「こうしよう」という想いを持てていると思う) 表題作の「倚りかからず」を読んだときの凛とした感じに惹かれて買った。 さっきたまたま押し入れを整理していたらこの詩集が出てきた。 なんとなく今の自分に必要な気がして、もう一度読んでみた。
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