レキシントンの幽霊 の商品レビュー
相変わらず楽しく読めた。短編集っていいなぁ、と思う。長編の方がおもしろいって言われてるけど、別にどっちもおもしろいよね。 ノルウェイの森の元になった話がラストに入っていて、それにテンション上がった。あの登場人物たちにもう一度会えた喜びというか。 全体的に好きです。会話文とか語り口...
相変わらず楽しく読めた。短編集っていいなぁ、と思う。長編の方がおもしろいって言われてるけど、別にどっちもおもしろいよね。 ノルウェイの森の元になった話がラストに入っていて、それにテンション上がった。あの登場人物たちにもう一度会えた喜びというか。 全体的に好きです。会話文とか語り口が本当に好き。癒される。
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私はほとんど小説は読みません。その滅多に読まない小説の中でも、食わず嫌いの代表格が村上春樹氏の作品でした。 たまたま文庫本で読む本が切れた際、下の娘の本棚を見ていて目に付いたので借りてみたのが、本書です。私にとっての「初春樹」、中身は7編の短編です。 物語全体が醸し出す雰囲...
私はほとんど小説は読みません。その滅多に読まない小説の中でも、食わず嫌いの代表格が村上春樹氏の作品でした。 たまたま文庫本で読む本が切れた際、下の娘の本棚を見ていて目に付いたので借りてみたのが、本書です。私にとっての「初春樹」、中身は7編の短編です。 物語全体が醸し出す雰囲気もそうですが、ところどころの微細な表現に、独特の「らしさ」は感じられました。 今回、「もうこれでいいや」と見切る気持ちにまではならなかったので、これからも、村上作品だとあまり意識しないで何冊か読んでみるかもしれませんね。
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収録作 レキシントンの幽霊 緑色の獣 沈黙 氷男 トニー滝谷 七番目の男 めくらやなぎと、眠る女 「レキシントンの幽霊」以外は象の消滅とめくらやなぎと眠る女に収録されている。
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全ての作品からひとつひとつ何かが猛烈に伝わってくる。 それは現実的な物語、言葉を通じてである場合やメタファーであることもある。 村上春樹にしては現実的な物語が多くあったような。
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昔は短編小説てあんま好きじゃありませんでした。中身が薄いと思ってました。一番ペラペラだったのはうちでした。 短編小説の良いところは「書きすぎない」ところ。1から10まで言わないから、読者の想像意欲を掻き立てる。それはとても濃密な時間。 いつもの村上ワールドに比べて...
昔は短編小説てあんま好きじゃありませんでした。中身が薄いと思ってました。一番ペラペラだったのはうちでした。 短編小説の良いところは「書きすぎない」ところ。1から10まで言わないから、読者の想像意欲を掻き立てる。それはとても濃密な時間。 いつもの村上ワールドに比べてなんか違和感あると思ったら、作品の作成時期が違ってたんですね。そんなのも楽しめます。最近思ったけど、村上さんの中でもうちは初期の作品の方が好きかも。 一言でゆうなら「脆い」。誰もが完璧からほど遠くて、脆いんです。 だから、憧れるし、なくしてしまうし、怖がるんです。自分のそんな部分を、人よりすこし多くみれるようになりたいと思いました。
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何気に村上春樹の短編って初めて読んだような気がするのですが、なんだろう、凄く良かったです。 基本的に自分は小説の世界にどっぷり浸かりたいタチなので、短編は好きではないのですが、村上春樹に関しては長編も良いけど、短編はもっと良いかも!とか思ってる次第です。 短編が7本入ってまし...
何気に村上春樹の短編って初めて読んだような気がするのですが、なんだろう、凄く良かったです。 基本的に自分は小説の世界にどっぷり浸かりたいタチなので、短編は好きではないのですが、村上春樹に関しては長編も良いけど、短編はもっと良いかも!とか思ってる次第です。 短編が7本入ってましたが、どれもモヤっとしていて、読み終わった後は、なんだか嫌な気分になりました。 でもなぜかそれが良いと言うかなんというか、、、。 食べ物で例えるなら、銀杏の苦みだったり、ラム肉の獣臭さとかの、「嫌なんだけど、それが無いと駄目なんだよねー。」って具合の絶妙な仄暗さでした。
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【読み終わった今の勢いで】 この世界の、人間の、怖いところ、恐ろしいところが様々な観点から描かれた短編集。読んでいると自分の「怖さ」にまつわる記憶が走馬灯のように浮かび上がってきて、静かな恐怖の中に閉じ込められるのですが、本を閉じようとも思えない、不思議な引力がありました。 特に...
【読み終わった今の勢いで】 この世界の、人間の、怖いところ、恐ろしいところが様々な観点から描かれた短編集。読んでいると自分の「怖さ」にまつわる記憶が走馬灯のように浮かび上がってきて、静かな恐怖の中に閉じ込められるのですが、本を閉じようとも思えない、不思議な引力がありました。 特に簡潔で明快な「沈黙」と「七番目の男」の最後の数行でそれぞれの主人公が残す言葉が印象的です。 ある先生がおっしゃった、人間は人間という存在の暴力性と向き合い続けなければならない、という言葉を思い出します。暴力性というのは、ある意味で恐怖という言葉に置き換えられるのではないでしょうか。人間の恐ろしいところとの対峙をやめたとき、人間は他者に対して無自覚のうちに暴力を働いてしまっているかもしれないということや、そもそも恐怖と対峙するということが困難であること、様々な問題の入口に自覚的になれた作品です。ただ、あえて上記二作品を印象的だと挙げたように、残りの作品の中には、「怖い」という感情だけがぼんやりと残る、まさに底無しの恐怖の所在だけが分かるような作品がありました。「緑色の獣」とか。何度か読み直そうかと思いましたが、今すぐもう一度開こうとは思えません。怖さと向き合うのはやっぱり簡単ではないわけです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
収録されている作品のうち、「トニー滝谷」がおすすめ。 父子関係に着目すれば、滝谷省三郎とトニー滝谷の因縁話とも読める。 ところでクローゼットで泣き出したのはなぜなのだろう、女性にしかわからないのだろうか?
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いつも挫折する村上春樹。1冊読み切ったのははじめてだと思う。 「緑色の獣」の話が悲しかった。 毎回不思議な設定にするのが好きになれない。物語に意味や比喩を探してしまうけれども、そんなものないところが特徴なのだろう。 ここまで売れてなかったら思うことも無かったかもしれないが、...
いつも挫折する村上春樹。1冊読み切ったのははじめてだと思う。 「緑色の獣」の話が悲しかった。 毎回不思議な設定にするのが好きになれない。物語に意味や比喩を探してしまうけれども、そんなものないところが特徴なのだろう。 ここまで売れてなかったら思うことも無かったかもしれないが、肌に合わない。
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わたしは幽霊などは見えない。 見えないから、見える人のことを「そういう人もいる」という認識しかできない。 だからというか、だけどというか、 「そういう世界は見えなくていい」と思っている。 もしそういう世界があるのなら、 私が見えないのには、理由があるはずだから。 ...
わたしは幽霊などは見えない。 見えないから、見える人のことを「そういう人もいる」という認識しかできない。 だからというか、だけどというか、 「そういう世界は見えなくていい」と思っている。 もしそういう世界があるのなら、 私が見えないのには、理由があるはずだから。 見えないという形で、この世に存在するものがあるのだと、 思うだけでいいと思っている。 とか何とか言いながら、 あれは夢か現か、それとも幽霊か、と思うような経験はある。 きっとまどろみの中で脳が思い描いた何かなんじゃないかとおもうのだけど、 カナダに留学したときの話。 わたしは、大学の寮に住んだ。 私がカナダに着いたばかりの頃は、 大学は夏休みで、寮には全然人がいなかった。留学生しかいなかった。 4人部屋の1室をあてがわれていたのだけど、私の部屋も、ルームメートになる人は家に帰ってしまっていて、私以外誰もいなかった。 そんな中で、着いたばかりの頃。 カナダの夏は昼間が長い。 朝早くといえど、ものすごくもう明るかった。 その一日の長さになれなくて、 よく眠れなくて、 朝方転寝のような状態で目を瞑っていたときに、 全然人のいないはずの寮の部屋の外をパタパタ歩き回る音が聞こえた。 コンコン、と自分の部屋をノックするような音も聞こえた。 恐怖感じなかったけれど、私は目を瞑り続けた。 それから少し寝て、朝を迎えた。 やっぱり静かで、何事もなく、誰もいなかった。 それだけの話なのだけど。 2015年4月再読。 めくらやなぎと、眠る女。 自分は、溶けてしまったチョコレートに、何かを感じなければならなかったのに、というような件。 あるんだ。そうやって過去のどうでもいいような一点に、深く深く責め入るように、自分を追い詰めるような感覚が。 二度と戻れなくなりそうなほど暗く寒く怖いところへ、一人で。 誰か助けて欲しい。何も言わず抱きしめて欲しい。好きな人でも同性でも家族でも、誰でもいいんだ。でも、私にはそんな人、いない。 苦しくて、つらい。あと一週間。せめてあと一週間、生きていこう。頑張れ、自分。
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