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球形の季節 の商品レビュー

3.2

264件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

    77

  3. 3つ

    114

  4. 2つ

    38

  5. 1つ

    7

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2015/09/08

閉鎖的な田舎、退屈な日常、高校生たちの好奇心、閉じられた空間であるからこそ強まる"噂"の魔力。実際にファンタジーも入ってるけど、そういったものを描くのは本当にうまいと思う。 恩田さんの描く高校生は基本的に好きなので今回も楽しく読めたけれど、いつもと違って特筆し...

閉鎖的な田舎、退屈な日常、高校生たちの好奇心、閉じられた空間であるからこそ強まる"噂"の魔力。実際にファンタジーも入ってるけど、そういったものを描くのは本当にうまいと思う。 恩田さんの描く高校生は基本的に好きなので今回も楽しく読めたけれど、いつもと違って特筆して好きな人物が出来なかった。個性が薄いと言うわけではないのに不思議。語り部が場面ごとに目まぐるしく変わるせいかもしれない。 ラストは賛否両論だろうけど、みのりの存在や彼女の中にある揺るぎない結論のようなものを、ひどく尊く思う。

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2015/09/03

『緑は危険』が気になる。。 自分にとっては大好物なラストでした。その後を色々想像してしまう。 登場人物、目立ちたいが故のいわゆる霊感強い女の子かと思ったら本物でした。すみません。。 何不自由なく暮らしていても悩みはあるだろうし 逃げられない状況下で苦しんでいる子もいるだろう...

『緑は危険』が気になる。。 自分にとっては大好物なラストでした。その後を色々想像してしまう。 登場人物、目立ちたいが故のいわゆる霊感強い女の子かと思ったら本物でした。すみません。。 何不自由なく暮らしていても悩みはあるだろうし 逃げられない状況下で苦しんでいる子もいるだろうし 住んでいる場所同じであっても、 「みんな違って」となるのだなぁ、と改めて感じた。 何分学生時代は遠い記憶のかなたなので。 登場人物が多いのに、実在するように書き上げる作家さんて凄いなぁ、とこの年になって気づく。 違う子に重点を置いてまた読み返したい。

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2015/08/19

東北の山間の小さな町 閉塞的な生活に倦む高校生たち 突然ひろがった奇妙な噂やおまじない みんなが「ここではない世界」へ「跳ぶ」ことを 望んでいるのだろうか 不思議な雰囲気ただよう 恩田ワールド

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2015/07/30

恩田ワールド全開なファンタジー。 どんでん返しとか綺麗な結末を望む人には物足りないと思うけれど、私はこの独特な世界観と、気付けばその世界に意識が取り込まれている感じがとても好きなため、読んでいて心地よい。 言い様のない不可思議な存在が常に付きまとってくる雰囲気も好き。

Posted byブクログ

2015/07/18

再読。 今読むと「球形って・・・ああ~~~なるほどね・・・・・・」ってなります。 わりと今後の恩田作品を彷彿とさせるねたが盛り沢山なのが、初期からも読み取れますね。ソフトブラック恩田。

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2015/06/19

高校生達が中心の話だけど、小夜子や夜のピクニックのような学園物語という感じではなく、どちらかというと常野物語のニュアンスが濃い。 母親に虐待されている少年や火事で家族を失った少女などまた思わず目をそむけたくなるような境遇の子が出てきたり、クール過ぎる少年がでてきたり何気に怖い。

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2015/05/23

10年以上ぶりに再読。内容は全然覚えてないのに、ある部分には既視感があったりして不思議だった。冒頭の夜の感覚や不安は共通すると思った。多くの人が出て来るなかで、その繋がりがすごい。あの人はこの人でもある感。最後、教会へ行くのが男ばかりなのが気になる。久子は行けなかったけど、漠然と...

10年以上ぶりに再読。内容は全然覚えてないのに、ある部分には既視感があったりして不思議だった。冒頭の夜の感覚や不安は共通すると思った。多くの人が出て来るなかで、その繋がりがすごい。あの人はこの人でもある感。最後、教会へ行くのが男ばかりなのが気になる。久子は行けなかったけど、漠然と久子のほうが拒絶した印象がある。結局のところよく分かってない。

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2015/06/01

ストーリー全体から何らかのメッセージを探すなら「自由に伴う責任と決断を恐れている」という一文であろうか。また、変化のない日々への幸福感と不満の相容れない心情が異世界と現実世界の往来を題材に絶妙に表現されている。提起された問題の結論が読み手に委ねられており、読者それぞれのエンディン...

ストーリー全体から何らかのメッセージを探すなら「自由に伴う責任と決断を恐れている」という一文であろうか。また、変化のない日々への幸福感と不満の相容れない心情が異世界と現実世界の往来を題材に絶妙に表現されている。提起された問題の結論が読み手に委ねられており、読者それぞれのエンディングを創造することが要求される。 蛇足ながら、準主役級の登場人物が次々と登場し話の主体が変わるため、逆に言えば自身を投影しながら読めるという絶対的な主人公がおらず没頭できなかったという印象である。途切れ途切れ読むよりも物語全体を俯瞰して雰囲気全体を楽しむためのファンタジーだと思う。

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2015/01/24

再読。初読は十年ほどは前かな? 見え透いた日常からの脱却というものを誰もが願っている…というのはテーマとしてはありふれたものであるかもしれないけど、恩田陸の味付けはやはり好み。 本当の谷津、は恐怖の報酬日記で何度か書かれた恩田陸の心の原風景そのもの。 本棚残留決定。

Posted byブクログ

2015/01/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

再読。田舎×学校という閉塞感の2乗の中で、不穏な雰囲気をたっぷりと描き出しながらいろんな高校生がふたつの世界をさまよっている。高校生特有の不安定さに、私もこんなんだったなあ・・・と思い起こされる。恩田さんの描く高校生って少し大人びて、ときに超越していて結構好きです。

Posted byブクログ