球形の季節 の商品レビュー
まず各章の中のセリフからとった章タイトルのつけかたがかっこいい。噂を効果的に使っており、向こう側の世界が出てくるものの全体をこちら側にとどめながら雰囲気を盛り上げる手腕は新鮮だった。噂は人々が語りたいから広まるという説明はなるほどと思わせられた。だから「ノーライフキング」で子供た...
まず各章の中のセリフからとった章タイトルのつけかたがかっこいい。噂を効果的に使っており、向こう側の世界が出てくるものの全体をこちら側にとどめながら雰囲気を盛り上げる手腕は新鮮だった。噂は人々が語りたいから広まるという説明はなるほどと思わせられた。だから「ノーライフキング」で子供たちに死の噂が広まるのは彼らが潜在意識の中で死を身近に感じていたからだということが今更ながら納得できた。東北の眠ったような町という設定や次々起こる事件の配し方が効果的。「十六番目の小夜子」も読んでみよう。
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東北の田舎町の高校生たちに広まる噂。噂の広まり方を調べる中で街に異変が起きて、噂が現実になり、退屈は混沌としてくる。 ファンタジーなのだけど、田舎の街の持つ排他的な住民の関係性でドロドロと。 オチというか、街がこうなったのかの腹オチがイマイチでした。
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心情の描写がかなり観察されて完成されていると感じた。 心の機微をよく描いている。 ストーリーの創造性の高さも良かった。 人の名前が途中で忘れそうになるのが難点。 藤田晋になりたい
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登場人物も多く、何度も戻りつつ読み進める感じになってしまった。 外堀を埋められ、周りからじわじわと攻めてくる感じが、いい意味で何とも言えない感じ。
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恩田陸さんの作品を三冊連続で読んでみました。 『六番目の小夜子』と同様、少し背筋がぞくってなるタイプ。 現実の隙間に隠されている部分をみせつける作品。
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土地に縛られる閉塞感。根源の見えない噂。実際に起こる怪奇。昨日と同じ友達なのに、「何かが起こる」「何かが違う」怖さ。 帰郷率が高い谷津という町。みのりは故郷を愛し、久子は憎み、弘範は惓んでいる。 誰もが知り合いの・薄靄のかかった・ワンテンポ遅い谷津という何千年もまどろんできた地...
土地に縛られる閉塞感。根源の見えない噂。実際に起こる怪奇。昨日と同じ友達なのに、「何かが起こる」「何かが違う」怖さ。 帰郷率が高い谷津という町。みのりは故郷を愛し、久子は憎み、弘範は惓んでいる。 誰もが知り合いの・薄靄のかかった・ワンテンポ遅い谷津という何千年もまどろんできた地域と、そこで生きる感受性の強い少年少女たち、そういうものが組み合わさって作られた不思議なお話でした。 終わりが「んんんん?それで?」という感じになったのが残念。連作もの的な続きがあるのかしら?
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谷津の町で暮らす高校生たちの間にまことしやかに広まる噂。いなくなる生徒、仕掛けられた罠、願いと希望。日常の尊さと、大切なことを思い出す旅。ラストは解釈をなげた感じ。
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人物設定や背景描写は、違和感なく読めてしまう一方で、どこか違和感のある人物描写やミステリアスな事件があるため、読み始めからは、自身が物語の世界に入り込むのに四苦八苦する。 この四苦八苦が楽しい、恩田ワールド。 ローファンタジーの真骨頂かな。 設定としては、“田舎×学校”という閉...
人物設定や背景描写は、違和感なく読めてしまう一方で、どこか違和感のある人物描写やミステリアスな事件があるため、読み始めからは、自身が物語の世界に入り込むのに四苦八苦する。 この四苦八苦が楽しい、恩田ワールド。 ローファンタジーの真骨頂かな。 設定としては、“田舎×学校”という閉塞感を感じざるを得ないものだけれど、「自由に伴う責任」について、それに対峙する準備を恐れていたり、遠回りしてみたり…という誰でも必ず通るであろう悩みのタネが話の中心。 あるある!という共感しやすいテーマを、不思議感満載のローファンタジーで包み込む構図が流石。 それに気が付くのは最後の方なのだけど。 久しぶりの恩田ワールドで、感覚を取り戻すのに時間がかかり、物語を純粋に楽しめなかった気がする。 再読したいリストに追加。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
パラレルワールド・・・と一言では言えないような、死後の世界でもあるような、多重人格の表現でもあるような。。。 恩田陸の世界に入る時、私は時間がかかってしまう。 入ってしまえば、惹き込まれてグイグイ読めるのだけれど、、、 それまでが、結構しんどい。(汗) 今回は、特に時間がかかっちゃった。 入れたの、晋くんがプールで体育教師に立ち向かって行ったところ辺りから。・・・遅っ!?
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先ほど長々と書いて更新したら全部消えた。 もう一度書く気が起きないので、消化不良な作品だったとだけ書いておきます。
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