流しのしたの骨 の商品レビュー
妙ちきりんな父と母と兄弟だなと思ったけど、案外自分の両親にも思いあたる節があったりとか、兄弟がエキセントリックなところとか。 この小説を読んでから、当たり前のように見過ごしてる大型マンションの明かりのすべて昔からあるエレベーターなしのアパートのベランダに投げてある三輪車とか、 そ...
妙ちきりんな父と母と兄弟だなと思ったけど、案外自分の両親にも思いあたる節があったりとか、兄弟がエキセントリックなところとか。 この小説を読んでから、当たり前のように見過ごしてる大型マンションの明かりのすべて昔からあるエレベーターなしのアパートのベランダに投げてある三輪車とか、 そういうのに、変な家族の変なルールは誰にでもあるって、それがかすめてもしかしたら妙ちきりんな暮らしをみんなが送っているって、想像してたのしい。
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江國香織の作品で最も好きな作品。 人におもしろいよと言って勧める本というよりは、偶然この本を読んでいる人を見つけて嬉しくなったり、知ってる?と聞いて知ってると答えた人と仲良くなりたいと強く思ったり、そんな感じ。 そよちゃんの、そよという名前がぴったりなところが好き。 しま子ちゃ...
江國香織の作品で最も好きな作品。 人におもしろいよと言って勧める本というよりは、偶然この本を読んでいる人を見つけて嬉しくなったり、知ってる?と聞いて知ってると答えた人と仲良くなりたいと強く思ったり、そんな感じ。 そよちゃんの、そよという名前がぴったりなところが好き。 しま子ちゃん、ご報告が下手なところとか色々いとしい。 こと子は深町直人と同じ温度の恋人だなと思う。 律の目で姉たちをぼんやり眺めるように読み進めてきた。 関係ないけれど、細雪とか若草物語とか、(これらは姉妹だけど)、四人きょうだいの物語が昔から好きらしい。
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江國香織の本がすきで だいたいは家に貯め込んである これははじめあまりよく分からなくて 奇妙な家の話だなあと思っていた 落下する夕方を読んで、夏の夕方のじめったいような それでいて心地いいような空気に惹かれて この本を取った私にはとっては まだ大人びた話だった 16の時に読ん...
江國香織の本がすきで だいたいは家に貯め込んである これははじめあまりよく分からなくて 奇妙な家の話だなあと思っていた 落下する夕方を読んで、夏の夕方のじめったいような それでいて心地いいような空気に惹かれて この本を取った私にはとっては まだ大人びた話だった 16の時に読んだ時はうすらおそろしいような感覚をおぼえたが 大学に入った当初に読んだ時は、秋の夜長の本だとおもったし 二十歳を超えてから読んだ時には、冬の本だとも思った そうしていま大学を卒業する間近になって もういちど読んでみると 6年前にうすらおそろしい、とおもったことは大体世の中にありふれていることのようだった 江國香織のお話は読むたびに様相が変わって 年を経るのはすばらしいなと思わせてくれる
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こんな独創的な小説を書くような作家さんはきっと普通の人じゃないんだろうなと思いながら読み終えたが、あとがきであっさり「変な家族の話を書きました」と言い切ってしまう実力の方がもっと凄いと思った。
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この小説好きだなあ。 お嫁に行ってしまって、戻ってきたそよちゃんを含めた家族の日々がすてきで、 季節を大切にするお母さんがすてきで、 日々がゆっくり流れるような、そんな気配がある話。 洋服や食事の描写もすき。冬の日の缶のミルクティーとか、いろんなシュウマイとか。
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父と母、そよちゃんとしま子ちゃん、私、律の6人家族の日常を切り取った物語。常人が変な家族を見て驚く物語ではなく、自身が普通とちょっと違う主人公が、本人にとっての当たり前である日常を当たり前に語る物語なので、あらゆることに常識的な説明はされないし、ちょっとした事件もそれほど大きく騒ぎ立てられることなくゆるやかに通り過ぎていく。深町直人と律の二人の男性陣がとても魅力的。そしてそよちゃんの、離婚を「半殺しにされたままの状態で旅に出るような気持ち」「私たち、お互いに本当に半分殺しあったのよ」という表現が心に残った。
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性格の違いや考え方の違う姉弟の話。 ゆったりと流れる時間に癒しも含まれている。 姉の離婚、風変わりな性格の姉、フィギュアを作るのが好きな弟、そして高校を卒業後成人まで親に養ってもらう家訓に甘えてぷらぷらしている主人公、 全て批判せずにお互いを尊重、仲の良いのが伝わり 他人の悪口や...
性格の違いや考え方の違う姉弟の話。 ゆったりと流れる時間に癒しも含まれている。 姉の離婚、風変わりな性格の姉、フィギュアを作るのが好きな弟、そして高校を卒業後成人まで親に養ってもらう家訓に甘えてぷらぷらしている主人公、 全て批判せずにお互いを尊重、仲の良いのが伝わり 他人の悪口や批判、どろどろした話じゃないので読んだあとほっこりするんだなぁ
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自分の世界や価値観をたいせつにし、相手の感性も尊重し、なんとも程よい距離感。 ベタつかず、おだやかでとても居心地よさそうである。読んでるこちらも心地いい。 そこへ紛れ込んでいるのが「半殺し」だの「流しのしたの骨」だのの言葉、そして「律の人形」をはじめとするエピソード。 拾ったガラ...
自分の世界や価値観をたいせつにし、相手の感性も尊重し、なんとも程よい距離感。 ベタつかず、おだやかでとても居心地よさそうである。読んでるこちらも心地いい。 そこへ紛れ込んでいるのが「半殺し」だの「流しのしたの骨」だのの言葉、そして「律の人形」をはじめとするエピソード。 拾ったガラスのかけらのようで危ないんだか危なくないんだか。 この家族のもつ空気感との入り混じり方がサラッとしていて、なんともニクイ! 私にはそこがまた魅力的だった。 「繊細だけど強い糸」―そんな絆を感じる家族だった。
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父母、娘3末息子1の少し変わった家族の生活を切り取ったお話 何回目かの再読 これは江國香織の書く家族話の原型みたいなものじゃないか? 「思いわずらうことなく愉しく生きよ」「抱擁、あるいはライスには塩を」につながっていくのね ただ、視点が各登場人物に切り替わることなく、基本的にこ...
父母、娘3末息子1の少し変わった家族の生活を切り取ったお話 何回目かの再読 これは江國香織の書く家族話の原型みたいなものじゃないか? 「思いわずらうことなく愉しく生きよ」「抱擁、あるいはライスには塩を」につながっていくのね ただ、視点が各登場人物に切り替わることなく、基本的にことちゃん目線で描かれているというのも初期作品っぽい 律のキャラクターが好き 家族のマスコット的存在なのかね 行動のイメージ的には小中学生くらいなんだよなぁ ってか、読んでて気づいたんだけど、律と同い年だった(笑) そっかー、律ももうおっさんかー 他の家族はどうしてるのかなー?なんて妄想が膨らむ そんな妄想が膨らむのは、この作品が完結してる感がないからだね 家族のワンシーンを切り取ったものなので、当然その後というのも存在すると自然に感じてしまっている そう言えば、前に娘(小学校中学年くらい?)に低い声で「流しの下の骨を見ろ!」みたいなセリフを言ったら「怖いからやめて」って言われたなぁ 私の実家にしても、今の家庭にしても世間の一般的とイメージする家庭とは少し変わったところがあって でも、他の家庭の事をよく知らないだけで、他の家庭もどこか変わったところがあるのかもなぁと思うと少し救われる気がする
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面白かったです。 とても個性的な家族なのですが、ふわふわと進んでいくので読んでいてとても心地好いです。 そよちゃん、しま子ちゃん、こと子、律の姉弟もそれぞれ好きです。そよちゃんが一番好き。 深町直人も良いです。 家族の生活を覗く、ってドキドキするのですが、起こる事件は現実的でも、...
面白かったです。 とても個性的な家族なのですが、ふわふわと進んでいくので読んでいてとても心地好いです。 そよちゃん、しま子ちゃん、こと子、律の姉弟もそれぞれ好きです。そよちゃんが一番好き。 深町直人も良いです。 家族の生活を覗く、ってドキドキするのですが、起こる事件は現実的でも、流れていく生活の一部でしかないのだな、と思いました。 この一家はとても強い気がしました。
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