地を這う虫 の商品レビュー
渋い。そしてほろ苦とかいうレベルではなく苦い。大人の哀愁。メインは起こる事件やその解決ではなく、その渋くて苦い「道程」(表題作なんてまさに文字通り笑)。 主人公の心理的動向を見守り、たまに感情移入し、読んですっきりさっぱりはしないけどなんとなしに「よし、がんばるか。。」と思える一...
渋い。そしてほろ苦とかいうレベルではなく苦い。大人の哀愁。メインは起こる事件やその解決ではなく、その渋くて苦い「道程」(表題作なんてまさに文字通り笑)。 主人公の心理的動向を見守り、たまに感情移入し、読んですっきりさっぱりはしないけどなんとなしに「よし、がんばるか。。」と思える一冊だと思いました。
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高村薫さんは複雑なストーリーと登場人物の多さなど覚悟して読む(そこが良い)のだけど これは短編集なのにギュッと詰まってる けどサクサク読める
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- ネタバレ
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元刑事が主人公の短編。 刑事という職業からなのかどの主人公も男臭くてでもどこか切なくて そして前職で得たまわりの人間が良いやつばかり。 面白かった。
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いろいろあって刑事をやめた男たちの今の話。どれもちょっとどんよりした感じで、寂寥感が広がってる。謎解きではなく、その登場人物の内面や心情が中心となっているからかも。個人的には「巡り逢う人びと」がいい。
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高村薫の短編集。 短編なので仕方ないけど何となく深みが足りないような気がした。 どの話もちょっと話が単調過ぎたかなぁ。 「巡り合う人々」が面白かった。
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既読だとばかり思っていたが読んでみたらまったく記憶になかった。 最初の作品、確か合田シリーズに登場した刑事と思われるあたりは硬質な高村薫そのもという感じだったが、後半2作は人間的な心情が読みとれたり高村薫にしてはちょっと甘さがある(気がする)。
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「刑事」という職業を様々な理由で辞めた 五人の男達についての五篇の物語 高村さん唯一の短篇集です 緻密な硬筆 と 骨太な題材 による鈍器のようなボリュームが常な方なので 短篇ってどうなるの?と想像がつかないまま開きましたが 割といつもの長編そのままな読み心地でし...
「刑事」という職業を様々な理由で辞めた 五人の男達についての五篇の物語 高村さん唯一の短篇集です 緻密な硬筆 と 骨太な題材 による鈍器のようなボリュームが常な方なので 短篇ってどうなるの?と想像がつかないまま開きましたが 割といつもの長編そのままな読み心地でした とりあえず各話で事件は起こるのですが 謎解きや犯人探しに熱が上げられる訳でもなく 思考と行動が伴わない人間の矛盾した様だったり 組織や社会の闇にとっぷり浸かった神経質なオッサン達の内面の揺らぎ方だったり あくまでも焦点はそういったものをスケッチすることに置かれているために ミステリとも呼び難くジャンル分けには悩む一冊 これだけオヤジまみれなのに 本を閉じたあと全員の顔がきっちり残る この登場人物の濃さに毎度惹かれます
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ワケあって警察を辞め、全く違う生活を始めながらも、矜持を保ち続ける男たちの物語。大作志向の髙村薫には珍しい短編集。 話の一つひとつは短いんだけど、密度が濃くて引き込まれる。こういう生き方もカッコいいなと思う。でも、僕にはちょっと早過ぎたかなあ。
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「愁訴の花」「巡り逢う人びと」「父が来た道」「地を這う虫」の短編4作が収められた短編集で、いずれも<元>刑事物。 やはりというべきか、高村薫の実力は重厚な長編で遺憾なく発揮されるものであり、短編ではただ主人公のアクションばかりが綴られているような感覚になる。 そうはいっても、...
「愁訴の花」「巡り逢う人びと」「父が来た道」「地を這う虫」の短編4作が収められた短編集で、いずれも<元>刑事物。 やはりというべきか、高村薫の実力は重厚な長編で遺憾なく発揮されるものであり、短編ではただ主人公のアクションばかりが綴られているような感覚になる。 そうはいっても、高村作品の登場人物に共通する人生の「くたびれ感」はよく出ている。
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高村薫の小説は確かに面白い。マークス読んでコレが2冊目。しかし読みづらい。文章が硬いというか、文学なみに綺麗に表現しようとしてるのか?もうちょっと平易に書いて欲しいな
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