地を這う虫 の商品レビュー
福井晴敏を読んだ後には、何故か(?)高村薫も読みたくなる・・・。 なんとなく文体が似ていると感じるのは、自分だけだろうか? さて、本書……。 特筆するほどのことは無いが、十分楽しめたかな。ただ、短編だからか、文体の高村薫らしさは、やや薄めだった。 ★3つ、7ポイント。 201...
福井晴敏を読んだ後には、何故か(?)高村薫も読みたくなる・・・。 なんとなく文体が似ていると感じるのは、自分だけだろうか? さて、本書……。 特筆するほどのことは無いが、十分楽しめたかな。ただ、短編だからか、文体の高村薫らしさは、やや薄めだった。 ★3つ、7ポイント。 2014.07.??
Posted by
「地を這う虫」髙村薫◆訳あって刑事を辞め、それぞれの思いを胸に生きる4人の短編集。刑事の道を外れた哀愁が漂う。表題作がミステリとして面白いのですが、何より主人公があまりに凝り性なのが可笑しくて、髙村キャラらしからぬ可愛らしさ(?)。ただ、髙村さんの重厚感は長編の方が堪能できそう。
Posted by
警備保証会社の事務員、金融会社の取り立て屋、代議士のお抱え運転手。そして民間企業の守衛。 一度は警察官となりながら、しかし生涯警察官として生きてゆくことなどできず、しかし司直の舞台から去ったとてほかの何者かの生き方もなかなかにできるものではない。 犯罪現場から遠く離れて、世間の生...
警備保証会社の事務員、金融会社の取り立て屋、代議士のお抱え運転手。そして民間企業の守衛。 一度は警察官となりながら、しかし生涯警察官として生きてゆくことなどできず、しかし司直の舞台から去ったとてほかの何者かの生き方もなかなかにできるものではない。 犯罪現場から遠く離れて、世間の生々しさ、複雑さに翻弄されながらも、やがてそこに居どころを得ていく4人の元警察官たちの"その後"の物語。 表題作の主人公のこだわりに激しく同意する。曰く「この世界で、無秩序こそは浪費と混乱と過ちと悪の始まりなのだ」!! 沢田さん、ぜひ一緒に在庫管理しましょう!
Posted by
高村流刑事のためのセカンドキャリア集。 短い話の中に込められた、やるせなさやら諦観やら一握の希望のようなものの情感の濃度が、流石高村さんです。
Posted by
20年も前の短編5編、古くない。元(最後は定年を迎えた)刑事達の出会う人生の苦さ哀しさ。表題のとおりどれも暗めだけど、哀感に透ける優しさや微かな希望がマル。
Posted by
尊敬すべき先輩にいただきました。短編集。 読んでいて情景が浮かぶあたりは吉村昭さんと同じ。 『巡り逢う人びと』の「――微笑みかける者にこそ福は来るべきだ。―――」の一文は本当に素晴らしい。
Posted by
刑事をしてた人の匂いは取れないんだ、人や物を見る目は性癖なのか。元刑事4人の短編集。どこか浮世離れしてる暗く重く淡々と生活する元刑事の目で見る世界。地味だけど雰囲気あって楽しめました。
Posted by
4話とも元刑事の話。ドキドキする様な展開もなく淡々と踏み締めるような物語だが、悲哀の中に僅かな光明が差している結末にホッとさせられる。作者の技量を感じさせる作品でした。
Posted by
・元刑事を主人公にした四篇。それぞれ刑事時代を捨て切れないまま市井にまみれた男たちを描いてるけど、ねえ元刑事ってそんなにいいもんかい?とも思った。
Posted by
高村薫『地を這う虫』。書いた順に収録したのかな、後ろに行くにつれ上手になってる。最初2編は粗筋に留まっている感あり、「父が来た道」で少しふくらみ、表題作は充実して面白い。●●ひとつ、という表現が好きですね彼女。単語を積み重ねる、悪文すれすれ癖のある話法に、私けっこう影響受けた。
Posted by