地を這う虫 の商品レビュー
主人公の元警察官の再…
主人公の元警察官の再就職先が取立て屋、警備員、政治家の運転手とそれぞれ違うが、長年の習性で、観察力が鋭い。
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全編で主人公が「元警…
全編で主人公が「元警官」。警察事情が不必要に詳しく、うんざりするほど描写が細かい。(調書のよう) 警察の世知辛さや社会の薄汚さを延々と見せ続けられる。諦めに似た厭世観すら漂ってくる。最後だけ文学的な余韻を残そうとするが、焼け石に水で全く救われないし、ミステリータッチなのにハラハラ...
全編で主人公が「元警官」。警察事情が不必要に詳しく、うんざりするほど描写が細かい。(調書のよう) 警察の世知辛さや社会の薄汚さを延々と見せ続けられる。諦めに似た厭世観すら漂ってくる。最後だけ文学的な余韻を残そうとするが、焼け石に水で全く救われないし、ミステリータッチなのにハラハラドキドキも無い。
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「人生の大きさは悔し…
「人生の大きさは悔しさの大きさで計るんだ」若い人には実感しにくい話かもしれません。中年男性の悲哀と誇り。タイトルのイメージ通り地味というか堅実というか。
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高村ワールド全開!
いずれも中高年の、元・刑事を主人公に紡がれる短編4作。文句のつけようもなく面白い。人間の内側にある歪みをえぐる物語の紡ぎ手であり、誇りを失わない男たちを描く名手である。そんな高村ワールド、全開の一冊。
TKS
読書録「地を這う虫」3 著者 高村薫 出版 文藝春秋 p208より引用 “ そんなふうに考えてみると、現役のころ に今のようにありのままの自分を認めること が出来ていたならと、省三は少し口惜しかっ た。焦燥や不満や鬱屈しかなかった当時、今 のような形で自分の生来の資質を評価し...
読書録「地を這う虫」3 著者 高村薫 出版 文藝春秋 p208より引用 “ そんなふうに考えてみると、現役のころ に今のようにありのままの自分を認めること が出来ていたならと、省三は少し口惜しかっ た。焦燥や不満や鬱屈しかなかった当時、今 のような形で自分の生来の資質を評価してや ることが出来たら、もう少し違った人生になっ ていたのではないかと思ったりもした。” 目次より抜粋引用 “愁訴の花 巡り逢う人びと 父が来た道 地を這う虫” 元刑事達を主人公とした、短編小説集。 同社刊行作全面改稿再構成文庫版。 長年勤めた刑事を退職し、第二の人生を警 備会社で過ごす主人公・田岡。捗らない仕事 をしている時、元職場から会社に電話が入り…。 (「愁訴の花」より) 上記の引用は、表題作「地を這う虫」の主 人公の胸の内。 刑事を退職してからも、同じように本能に従 うように生きていた事に対しての思い。世の 中のだれが何を言っていても、自分は自分を 認めることで、何とかやっていけるのかもし れません。 全体的に陰気臭さが漂う作品集なので、明 るく楽しくなりたい人には向かないでしょう。 人生の盛りを過ぎた主人公達なので、ある程 度年齢を重ねた人の方が、共感をもって読め るのではないでしょうか。 ーーーーー
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初めて読む髙村薫さん。 あるエッセイを読んでて触発され「マークスの山」を買いに行ったら置いてなくて、こちらを購入。想像に違わぬ硬質な文章と細やかな心理描写で読み応え十分な短編4篇。 どうやらラジオ番組で朗読されたようで上川隆也さんの声はピッタリだなぁと思いつつ、実直で不器用な主人...
初めて読む髙村薫さん。 あるエッセイを読んでて触発され「マークスの山」を買いに行ったら置いてなくて、こちらを購入。想像に違わぬ硬質な文章と細やかな心理描写で読み応え十分な短編4篇。 どうやらラジオ番組で朗読されたようで上川隆也さんの声はピッタリだなぁと思いつつ、実直で不器用な主人公たちの、サラ金の取り立て屋、代議士のお抱え運転手と転職したあとも"元警察官"という誇りを忘れず地道に生きていくさまが描かれている。その姿に哀愁を感じたのでした。 4篇それぞれ味わいが違ってて特に『巡り逢う人びと』が好きだったなぁ。
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朗読の番組で聞いているので、読みたくなった。「元刑事」の物語が4編で、この作家にしては短い作品だと思う。しかし、作家ってすごいな。世間の奥の闇や裏世界を描くと、高村氏も凄みがあって怖いほどだ。1993年刊だからもちろんアナログ時代だ。自分で作った地図を折って手帖に張り付けるとか、...
朗読の番組で聞いているので、読みたくなった。「元刑事」の物語が4編で、この作家にしては短い作品だと思う。しかし、作家ってすごいな。世間の奥の闇や裏世界を描くと、高村氏も凄みがあって怖いほどだ。1993年刊だからもちろんアナログ時代だ。自分で作った地図を折って手帖に張り付けるとか、公衆電話とか、小道具ひとつひとつが物語に味わいを添えます。
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マークスの山がすっごく面白かったので期待して読んだが、うーん、自分には”そこそこ”だったかも… 中身としては短編集で、いずれも警察を辞めた男の話。 色々な苦悩や背景がある中で事件が起こって…という形だが、短編集、元警察であくまでも一般人ということもあり、話に派手さはなく、物足りな...
マークスの山がすっごく面白かったので期待して読んだが、うーん、自分には”そこそこ”だったかも… 中身としては短編集で、いずれも警察を辞めた男の話。 色々な苦悩や背景がある中で事件が起こって…という形だが、短編集、元警察であくまでも一般人ということもあり、話に派手さはなく、物足りなさを感じた。 寡黙な男が好きな人は好きな話かも。
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克明な観察メモから連続空き巣事件の真相に迫る男性の姿を描いた表題作他、それぞれ別の元警察官の男性を主人公とした短篇を全4編収録した短編集。 派手な事件や立ち回りはないですが、刑事という職を辞して別の道を歩むことになった4人の男性の、悔恨や郷愁、それでも捨てられない元刑事という矜...
克明な観察メモから連続空き巣事件の真相に迫る男性の姿を描いた表題作他、それぞれ別の元警察官の男性を主人公とした短篇を全4編収録した短編集。 派手な事件や立ち回りはないですが、刑事という職を辞して別の道を歩むことになった4人の男性の、悔恨や郷愁、それでも捨てられない元刑事という矜持などを淡々と、かつ深い余韻を残して描いています。 どの話も、硬質で精緻。読後感は寂しさが強いです。 普段は探偵もののミステリを好んで読んでいますが、こういった硬派で地に足がついた物語も素敵ですね。
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