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リチャード三世 の商品レビュー

3.6

17件のお客様レビュー

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2026/03/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

シェイクスピアが生きたチューダー朝は、リチャード三世を倒したヘンリー七世が作った王朝である。そのため、リチャード三世は極悪人という役割を与えられている。必ずしも殺す必要のない人物まで次々と手にかけ、最期の悪夢では自分が殺した十一人もの亡霊が現れ呪いの言葉を浴びさせられる。主人公なのに救いのない人物だ。この物語は、現王朝の正統性を示すために書かれた以上、悪として造形された彼が最終的に裁かれる結末は最初から決まっている。最後の有名な「馬をよこせ!代わりに俺の王国をくれてやる!」という台詞は、当時の観客にとっては因果応報の痛快な笑いどころだったのだろう。しかし、孤立無援となった悪人の末路としてどこか哀れさを感じてしまった。周囲の女性たちから強い嫌悪を向けられる彼は、母親からも心底拒絶される。「呪われた胎内でお前を絞め殺しておけば」「お前が生まれたのは、この世を私の地獄にするためだ」「生き恥を晒すお前は血みどろで死ぬだろう」。悪役として罰を受ける最後とはいえ、ここまで徹底的に拒絶されるのは痛ましい。彼は醜かった、疎外されていた、だからといって殺人が正当化されるわけではないが、彼をこんなにも突き動かしていた動機はなんだったのだろう。

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2025/09/05

エドワード4世即位からリチャード三世の戦死まで。 時系列的にヘンリー六世に続く作品。 リチャード三世が悪人だというイメージは、シェイクスピアが確立したのだろうか?

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2024/03/06

ジョセフィン・テイ「時の娘」を読むための予習。登場人物に似た名前が多く、姻戚関係もあって複雑なので、巻末の系図や脚注を見ながら読んだ。 たしかにリチャード三世は極悪人として描かれているが、コンプレックスを抱えてひねくれてしまった悲しさも感じた。悪人ではあっても、やっぱり悲劇の主...

ジョセフィン・テイ「時の娘」を読むための予習。登場人物に似た名前が多く、姻戚関係もあって複雑なので、巻末の系図や脚注を見ながら読んだ。 たしかにリチャード三世は極悪人として描かれているが、コンプレックスを抱えてひねくれてしまった悲しさも感じた。悪人ではあっても、やっぱり悲劇の主人公だ。 印象に残ったリチャードの台詞。 「絶望だ。誰一人、俺を愛してはいない。 誰一人、俺が死んでもあわれみはしない。 当然だ。俺自身、 自分に何のあわれみも感じない。」

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2023/07/09

ちくま文庫版シェイクスピア全集第7巻。薔薇戦争の終結に至るまでの野心と悪行を描くピカレスク(悪漢)ロマン。 初めての史劇で、序盤は込み入った家系図に四苦八苦。前作にあたるらしい『ヘンリー六世』の出来事を踏まえているのもあり、予備知識がないとつらいようにも思えた。しかし、ある程度...

ちくま文庫版シェイクスピア全集第7巻。薔薇戦争の終結に至るまでの野心と悪行を描くピカレスク(悪漢)ロマン。 初めての史劇で、序盤は込み入った家系図に四苦八苦。前作にあたるらしい『ヘンリー六世』の出来事を踏まえているのもあり、予備知識がないとつらいようにも思えた。しかし、ある程度の人間関係を把握してしまえば、意外にわかりやすいストーリーでややこしいことはない。なにしろこのリチャードくん、憎しみと奸計に満ちた悪党。いさぎよいまでの極悪非道っぷりを見せてくれるので、結末が自ずと見えてしまうのだ。膨張していく風船が最後にどうなるかは自明。本作は、その膨らんでいく過程が見どころであり、味わい深いところなのだろう。リチャードに殺された人々が亡霊になって彼を弾劾し、リッチモンドを励ます夢を当人二人が見る、というところには何か王道味を感じる。わかりやすいストーリーに薔薇戦争の終結という結末は、歴史的興味を抱かせる、初めての史劇にふさわしいタイトルだった。

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2022/11/04

2021.11 図書館借本 * めちゃくちゃ難しかった。登場人物が多くて相関図も難しいから困った。終盤の「絶望して死ね」の亡霊のシーンはとても面白い。 . シェイクスピア3作品とも読み進めるうちに舞台版が見たくなった。シェイクスピアの紡ぐ暴言・悪口が驚くほど流暢で悪すぎるのも面白...

2021.11 図書館借本 * めちゃくちゃ難しかった。登場人物が多くて相関図も難しいから困った。終盤の「絶望して死ね」の亡霊のシーンはとても面白い。 . シェイクスピア3作品とも読み進めるうちに舞台版が見たくなった。シェイクスピアの紡ぐ暴言・悪口が驚くほど流暢で悪すぎるのも面白かった。

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2022/07/27

誰が誰だか分からなくならないよう、巻末の両家系譜を見ておくことをおすすめする。目次にも系図の存在を明記するか、本編の前に持ってきて欲しいものだ。戯曲そのものは面白いです。

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2022/05/13

初めてのシェイクスピア! 去年海外ドラマで薔薇戦争やヘンリー八世にはまったので、ついにシェイクスピアを。 いくつか有名なセリフが出てくるのだが、全て初耳(初目?)。 今までシェイクスピアといえば「恋に落ちたシェイクスピア」止まりだもの... 教養の低さね... リチャードがま...

初めてのシェイクスピア! 去年海外ドラマで薔薇戦争やヘンリー八世にはまったので、ついにシェイクスピアを。 いくつか有名なセリフが出てくるのだが、全て初耳(初目?)。 今までシェイクスピアといえば「恋に落ちたシェイクスピア」止まりだもの... 教養の低さね... リチャードがまだグロスター公だった頃から、悪巧みや人を始末してしまうところなど数々の悪が描かれているが、最期はあっけない。 あんなに切望した王冠が3年ほどでチューダーに。 裏表や野心は誰にでもあるし、時代や王家に生まれたこともあってあまり憎めず、そこまで悪い人には思えなかった。 エリザベスが、憎いはずのリチャードに説得されて娘を結婚させるように翻意するのがえっ?!と思わずにはいられなかった。  息子二人や兄弟を殺された相手に娘を?! 父を殺されたアンも、罵っていたはずのリチャードに口説かれて結局結婚しているし、リチャードは口が上手く、意外と女性受けが良いのかもしれない。 少し前に遺骨が発掘され顔も復元されたリチャード三世。 あまりに醜く悪意に満ちた王として知られているのは気の毒に思える。 歴史は勝者が作る(創る)ものだし、シェイクスピアの作品があまりに有名で、名誉を挽回するのは難しそう。 エリザベスの二人の息子を殺したのも、本当にリチャード三世か分からないしね。 今後新しい資料などが見つかって、本当の姿がわかることを期待!

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2022/04/03

訳者あとがきとか解説とかを先に読んでから読み始めれば良かったのかもしれない。とにかくまあなんでこんな悪者が主人公になるのだろう、とそんなことを考えながら読んでしまった。で、自分なりの解釈は、そう言えば日本であっても戦国武将(ほとんど知らないが)の中には悪党で魅力のある人物もいただ...

訳者あとがきとか解説とかを先に読んでから読み始めれば良かったのかもしれない。とにかくまあなんでこんな悪者が主人公になるのだろう、とそんなことを考えながら読んでしまった。で、自分なりの解釈は、そう言えば日本であっても戦国武将(ほとんど知らないが)の中には悪党で魅力のある人物もいただろう、それと同じようなことなのだろうということ。本当に簡単に人を殺してしまう。その辺の感覚はいまとはずいぶん違っていたのだろうなあ。それで、解説を見ると、主人公は身体に障害があったのか、醜悪な容姿ということ。まあ、それも事実かどうか、シェイクスピアが誇張しただけなのか、そのあたりは分からないが、その辺からくる世の中へのうらみつらみなど、いろいろとあるのかもしれない。歴史を全く理解していないので、どこまでが史実に基づくものかもわからない。でも、歴史的な背景を知った上で舞台を観れば印象もずいぶん違うのかもしれない。やっぱり教養は必要だなあ。ところで、ずいぶんと「馬」が強調されていて、蜷川の舞台でもそのあたりに力が入れられているようだが、読んでいるときには全く気付いていなかった。うかつである。

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2022/02/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

漫画『薔薇王の葬列』の原作ということで読んだ。 一気読み。 シェイクスピアの中で1番好きな作品群に入る。 リチャードが最初から「思い切って悪党になり、 この世のあだな楽しみの一切を憎んでやる。」と 悪に振り切っており気持ちいい。 我らが主人公!って感じ。 連禱のような対になる台詞が多く気分が高まる。 かわいく賢い小さなヨークが 無邪気にリチャードの地雷を踏み抜いていく場面は 舞台で見てみたい。 饒舌で自信家だったリチャードが 終盤ぐらぐらと揺らいでいき、 最後には一頭の馬を求めて死んでいくというのがまた浪漫だなぁ。

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2020/09/25

シェイクスピア全集 (7) リチャード三世 (和書)2009年04月15日 15:57 1999 筑摩書房 W. シェイクスピア, William Shakespeare, 松岡 和子 翻訳の読み比べなどが楽しい。福田恒存と松岡和子の読み比べをしています。正義の論理で悪を貫く...

シェイクスピア全集 (7) リチャード三世 (和書)2009年04月15日 15:57 1999 筑摩書房 W. シェイクスピア, William Shakespeare, 松岡 和子 翻訳の読み比べなどが楽しい。福田恒存と松岡和子の読み比べをしています。正義の論理で悪を貫くところが見所です。悪に見えて善。善に見えて悪という、その諸関係が織りなされていてそこが非常に面白いです。

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