黒い家 の商品レビュー
作者が保険会社に勤めていただけあり、内情が細部まで描写されていて読み応えがあった。サイコパスに関しての記述や思想は大変興味深く、一理あると感じた。文献が沢山出てきており、説得力もあった。犯人を通してサイコパスや現代社会の欠陥に踏み込んでおり、私達の将来を案じている様な尾を引く終わ...
作者が保険会社に勤めていただけあり、内情が細部まで描写されていて読み応えがあった。サイコパスに関しての記述や思想は大変興味深く、一理あると感じた。文献が沢山出てきており、説得力もあった。犯人を通してサイコパスや現代社会の欠陥に踏み込んでおり、私達の将来を案じている様な尾を引く終わり方で良かった。ただのミステリーでは片付けられない傑作。また、主人公が昆虫学を学んでいたことから昆虫を介した比喩表現が多く見られたが、小説での視覚的表現は読者の想像に委ねられるため、複雑なテーマを昆虫に例えることで容易に想像する事ができ、作者の力量の高さに感心した。
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たまたま安くゲットしたから読んでみた どこが怖いの?て読みながらずっと思ってたけど、後半の殺人鬼が襲ってくるシーンに入ってからはちゃんと読むのが怖くて若干読み飛ばしつつ読んでしまった、、昔の小説って結構面白いなあて思う、こういう掘り出し物の本もまた読みたい
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サイコパスを題材にした一作。緊迫した物語や終盤の展開に引き込まれたが、ラストはもう一捻りほしかった。
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内容は保険会社の支払い査定の部署で働く主人公が出会う、恐怖と混乱の物語。 保険会社は少しだけ働いたので、うっすらと様子が分かる。営業でさっさとやめたけど。そして、保険会社は露骨な女性差別がはびこっているというのも分かる。なので「女性職員」なのだ思いながら読んでしまった。 ...
内容は保険会社の支払い査定の部署で働く主人公が出会う、恐怖と混乱の物語。 保険会社は少しだけ働いたので、うっすらと様子が分かる。営業でさっさとやめたけど。そして、保険会社は露骨な女性差別がはびこっているというのも分かる。なので「女性職員」なのだ思いながら読んでしまった。 他にもいろいろあって、保険会社には良いイメージがない。そこに差別とホラーが相まって、別の意味で私にとってホラーだなと思った。作品とは無縁の私個人の経験に基づいたものなので、『作品が怖かった』という意味ではない。 とりあえず、個人的なあれこれは省いてなるべく『作品』に関しての感想を書くなら、私にとってはそこまで怖くなかった。というのも、『誰かに理由なく襲われる』『なぜ、こうなっているのか分からない』という恐怖作品は他にも何作か読んだことがあるので。……主にネット小説で。 先にネット上で『貴志祐介の一番良い作品』というので調べて、この『黒い家』の評価が高い思ったので読んだのだが、期待値を高くし過ぎた。もちろん、作りは他の作品と同じく緻密だった。いや。他の作品よりも緻密でこの作品が『最高』と言われる理由が分かる。 細かい知識と、丁寧な描写。じわじわと迫ってくる恐怖。それらは先に読んだ『悪の教典』『新世界より』よりも深い。 一点、これを読んでよかったと思えたのは、エロがない事。『悪の教典』はともかく『新世界より』のエロは意味が分からなかったのだが、この『黒い家』の性的描写は男性側が上手く出来なかったというものだった。もちろん、それも伏線でしっかりと物語に必要な事が理解できるシーンになっている。 性的描写について苛立つことがなかった分だけ『黒い家』は読んだ価値がある。 同時にこの作家は最初からこの書き方で、これが好きでこんな価値観で物語を書いているというのが透けて見えてしまった。特に『新世界より』の中途半端な男女差別が分からなかったのだが、がっつり男女差別の価値観に染まっている中ではあれが限界だったのだと理解できた。 保険会社の説明のあれこれは……自殺は私が働いたときは2年だったなぁとか、女性はどんなに頑張っても支部長止まりで上は男性しかいない。そして、営業員は女性しかいない。営業員は正社員ではない。 委託職員……だったかな。とにかく、会社と正社員の労働契約を結んでいるわけではなく、『これだけの契約を取ってくるので、賃金を貰う』という契約になっている。なので、契約をとれないと即クビになる。 物語の中で、すぐに辞めた営業員の中年女性の話が入ってくるけど、あれ、保険会社側は少しでも契約が増えればラッキーというだけの使い捨てにされた人なのにな……と思いながら読んだ。 保険の営業員の入社式は毎月あるのですよ。毎月人が入ってきて、毎月人が出ていく。作品にもあったけど、新人営業員を連れてくるノルマさえあるので仕事が出来ても出来なくても『営業員として契約を一件でも取ってくればいい』という話。 保険会社は結構エグイ仕事をしているので、もう、保険会社という舞台だけでホラーだよなと思えてしまう。 そして、上と下がきっぱりと分けられているのが保険会社。今は違うかもしれないケド。基本的に営業員に男性はいない。研修中の新入社員は別。男性は役職が付く事が約束されているけど、女性は営業しかなかった。 保険会社のあれこれを知っているだけで、別の意味でのホラーが際立って、作品の物語としての怖さはない。怖くさせようとしている点は分かるのだけど、私にとってはそこはどうでもよかったので尚更。たぶんこれは、相性の問題。 さて、他の作家の作品を読もう。もう、この人の作品を読む気はない。
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kindle unlimitedで読了 職業小説の皮を被ったホラー。緊張感があり、読んでいると気付くと作品の世界に入り込んでいた。異常な執着、感情の無さに怖さを感じる。 個人的には犯人が早い段階でわかってしまったこと、アクション要素に無理(警察や周りは何もしないのだろうか)を感じてしまい、怖さが薄れたところがあった。
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ホラーだけど怖いというよりは気持ち悪い系か 人怖だね わりと早い段階で真犯人が妻のほうだと気がついてしまい ここからあとはどう盛り上げていくんだろう? と思ったが盛り上がったようなそうでもないような 「骨灰」もそうだけどクライマックスは肉弾戦になっちゃうのねー ざっくり言ってしまえば保険金目当てで連続殺人を犯す女性との対決ってことになるんだろうけれど それだけだとちょっとなあ 金石の言っていた環境汚染などによる生来のサイコパスの増加といった仮説はそうしたところとは違った枠組みを感じさせてちょっとおもしろかったんだけど けっきょくはサイコパスという存在自体が恵によって否定され若槻もそれを信じようと思うってなったわけだし うーん 絶賛されている割にはちょっと物足りなかったかな 前半はけっこう引き込まれたしそのあともドライブ感はキープされてたんだけれど 読み終わってみると「なるほどね」みたいなかんじでとくに(おおお!)というポイントがあったわけでもなく
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お化けも怖いがなんだかんだ人が一番怖い。そう思っている人にはぜひ読んで欲しい。ホラー系の小説はちょこちょこ読むのだが一番人怖に相応しい本だと思った。 同じ人間ではあるが他人の理解できない行動。その不気味さや怖さを文体で表す表現力が凄まじい。中盤から寝る前に読むのを躊躇して読むのは...
お化けも怖いがなんだかんだ人が一番怖い。そう思っている人にはぜひ読んで欲しい。ホラー系の小説はちょこちょこ読むのだが一番人怖に相応しい本だと思った。 同じ人間ではあるが他人の理解できない行動。その不気味さや怖さを文体で表す表現力が凄まじい。中盤から寝る前に読むのを躊躇して読むのは昼間だけになった。 読み終わった今でも夜に読むのは避けたいと思う一冊。
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いろんな方のレビューを読み、読みたいけど怖い。怖そうだけど読みたいの葛藤をしばらくした末に、ようやく読み出しました。 サイコパス的な怖さと虫の表現が平気ならば、勢いにのって読み切れると思います。 わたしは後半は怖くて読み飛ばしながら、猛スピードで読みました。笑
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中学か高校時代に読んだ本です。 本を読んでいて初めて怖いと思って続きを読むことをためらった記憶があります。 確か階段で逃げるシーン。 映画だったら早送りするやつです。
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とっても好みだった。 予測不可能な展開が次から次へと繰り広げられて 終始ハラハラがたまらなかった。 重徳が危険人物かと思いきや実は幸子が黒幕であり、交際相手の黒沢恵を助けに黒い家に乗り込むシーンが、読んでるこっちまで緊張が伝わってきたしほんとに怖かった。 人間ホラー怖すぎる、、、 読む手が止まらなくて1日であっという間に読んじゃった
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