ひなた の商品レビュー
一見どこにでもありそうな大路家の人々の1年。 次男の彼女が就職し, 長男夫婦が親と同居するようになり, 今度は親が海外に引っ越したかと思うと なぜか長男の友人が住みこむようになる。 読みやすいし,それなりに楽しめるが, 展開が唐突過ぎて流れがない。
Posted by
新堂レイ、大路尚純、その兄浩一、兄嫁桂子、その4人の視点で時系列を追いながら、一年を綴った作品。 やっぱりうまいなあ、吉田氏。 作品を読むといつも思うが、余計なことが少ない。必要最小限というか。 その余分のなさに想像力をかきたてられ、「言葉」ではなく「感覚」で、登場人物の心情を...
新堂レイ、大路尚純、その兄浩一、兄嫁桂子、その4人の視点で時系列を追いながら、一年を綴った作品。 やっぱりうまいなあ、吉田氏。 作品を読むといつも思うが、余計なことが少ない。必要最小限というか。 その余分のなさに想像力をかきたてられ、「言葉」ではなく「感覚」で、登場人物の心情を知る。 ぐだぐだ言葉を並べ連ねて説明するより、ずっと筆力の必要な手法だ。 吉田氏のこのさりげなさがいい。 はじめ青春小説のようなストーリーかと思ったが、何気ない日常を過ごしながら、少しずつ影を抱えた人間模様を追った、ちょっぴり悲しい物語だった。 伊豆の入田浜とか、神楽坂のうどんすきの店とか、懐かしい。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
家族の長編?連作短編集?こういうの何ていうのかな。 父母兄弟と兄嫁、弟彼女の話。うーん。登場人物の少なさの割にすごい面白かったなあ。 ゲイだの不倫だのバリキャリだの実の父はだの、イベント盛りだくさんで、実は楽しく生きてるわけじゃない人たちが時々ちょっと幸せな感じがよかった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
大路家の兄弟と、その彼女たちの1年。 仕事を辞めたり、就職したり、親がバンコクに行ったり、同居人が増えたり。 いろいろな変化がおこり、それぞれの人が秘密を抱えているのだが、どこに行きつくわけでもない。 変化に富んでいながらも、“日常”を感じさせてくれる作品だった。
Posted by
最初のペースはちょっとゆるかったけど、途中からどんどん楽しくなりました。それぞれの登場人物の背景を理解していくなかで、先がもっと知りたくなる感じ。日常のひそやかな秘密や隠し事。誰もが持っているもの。私はやっぱり桂子とレイにそれぞれ共感したけど、桂子のほうがよりリアルだったかな。気...
最初のペースはちょっとゆるかったけど、途中からどんどん楽しくなりました。それぞれの登場人物の背景を理解していくなかで、先がもっと知りたくなる感じ。日常のひそやかな秘密や隠し事。誰もが持っているもの。私はやっぱり桂子とレイにそれぞれ共感したけど、桂子のほうがよりリアルだったかな。気力が湧かない・・・自信がなくてもいいよね・・・うんうん、そうだそうだ!って言葉がいっぱいあった。吉田修一さんはもう少しいろいろ読みたい。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
特に可もなく不可もない。 人間模様を切り取った物語ですね。 少し心に闇というか秘密をかかえてる男女の話で 大きな事件もないしオチもない。 ただ季節がすぎていく。そんな感じ。 きっと内容は印象に残らないなぁ。
Posted by
物語の始めは引き込まれたけど、内容も良いと思うんだけど、4人いるのに1人ずつの視点で物語が進行されてくのが、ちょっと違和感。同じ場面での4人の視点が知りたかった。
Posted by
なぜかブックカバーが気になり、2回も図書館で借りて読んでしまった本。家族、恋人、友人それぞれが、見せない本音を持ちながら互いに尊重し合って丁寧に生きていく。いっそ本音を全部出してしまえばいいのに!!と思いつつ、絶対それを出さない。現在の人間関係をほんわか表現した(けど先が気になる...
なぜかブックカバーが気になり、2回も図書館で借りて読んでしまった本。家族、恋人、友人それぞれが、見せない本音を持ちながら互いに尊重し合って丁寧に生きていく。いっそ本音を全部出してしまえばいいのに!!と思いつつ、絶対それを出さない。現在の人間関係をほんわか表現した(けど先が気になる)作品だった。
Posted by
新堂レイは、誰もが知っているブランド、Hの広報に就職したばかり。昨年から元同級生の大路尚純と付き合い始めています。尚純は文京区小日向の実家に家族と暮らし、おじさんの経営するジャズバーでバイトしている学生の身分。その実家に兄浩一と兄嫁の桂子が引っ越してきて同居が始まることになります...
新堂レイは、誰もが知っているブランド、Hの広報に就職したばかり。昨年から元同級生の大路尚純と付き合い始めています。尚純は文京区小日向の実家に家族と暮らし、おじさんの経営するジャズバーでバイトしている学生の身分。その実家に兄浩一と兄嫁の桂子が引っ越してきて同居が始まることになります。桂子はファッション誌の副編集長で毎日遅くまで忙しいキャリアウーマン。以前の仕事仲間のカメラマンと不倫関係にあります。浩一には離婚しそうな友人、田辺がいて二人はいつも会っているのですが、実は浩一はほのかに田辺に好意を寄せていて・・・ 待ちに待った吉田修一の新刊なので、もったいなくてじっくり読もうと思ったのにあっという間に読み終えてしまいました。二組のカップルのそれぞれの視点から四季を追う構成だったので、ぶつ切りの印象。尚純の生い立ちをめぐっての箇所で突然カラーが変わったようにも思いました。主人公である4人の中では、浩一の部分が一番吉田修一らしくて違和感なく読めました。連載モノって難しいんでしょうか。女性誌に連載されていたということもあり、内容が少し軽めだった気がします。
Posted by
日向:日の当たっている所(大辞林より) それは心地良いはずのところなんだけど、実際「日の当たらない」心にはそれぞれに問題を抱えていたりするもんだ。この作家の人間臭さを鼻につかないように描く筆致が好み。胸がざわつくような感触をどう処理していいか戸惑っている。
Posted by