日曜日たち の商品レビュー
どの短編にも家出かと思うような兄弟が出てくるのでこの兄弟がキーパーソンなのかなと思いながら読み進めると 最後の最後で意外な結末が。あまり生きることに意欲的ではないような登場人物ばかりの物語が続くのでこのラストにほっとした。
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人生の夏休み。 そこまでの特別な日ではなくても、惰性で過ごしているつまらん毎日の中で、次の一歩を踏み出すための、ちょっとした息継ぎの日が、人生には何回かある。 それは、人生の日曜日なのかもしれない。 前に進めなかったり、現実を変えていく勇気が持てなかったり。 変わらなければいけ...
人生の夏休み。 そこまでの特別な日ではなくても、惰性で過ごしているつまらん毎日の中で、次の一歩を踏み出すための、ちょっとした息継ぎの日が、人生には何回かある。 それは、人生の日曜日なのかもしれない。 前に進めなかったり、現実を変えていく勇気が持てなかったり。 変わらなければいけないことはわかっている。 でも。 少し休んで、遠回りするかもしれないけど、心を平らかにして、また次のつまらん毎日たちへ向かって歩く準備をする。 そんな日が、人生には何回かある。 そんな「日曜日たち」 職務怠慢で仕事を首になり、現在無職の男、渡辺。(日曜日のエレベーター) 強盗被害に遭った友達の話を聞き、自分に置き換えておびえる女、夏生。(日曜日の被害者) 母が亡くなりひとり暮らしをしていた父が訪ねてくる、健吾。(日曜日の新郎たち) 流されるように生きることでしか女性に愛を伝えられない男、田端。(日曜日の運勢) 同棲中の男から暴力を受け続けていたことをきっかけに自立支援センターで働くことになった乃里子。(日曜日たち) 5つの短編を繋いでいるのは、小学生の兄弟ふたり。 うんと幸せな話も、うんと不幸な話もそこにはない。 “これから十年住んだアパートの鍵を不動産屋に返し、十五年暮らしたこの街をあとにする。嫌なことばっかりだったわけではないと乃里子は思う。そう、嫌なことばっかりだったわけではないと。”
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日常的な出来事を綴った短編集。一番最後の物語が一番良かった。ページも少ないし気負いしなくて読める良い小説でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
すっと終わるがリアルな短編。 それぞれが繋がるかと思いきや、 小学生の兄弟が繋がっているのみ。 降りたことある駅名が次々出るのもリアル。 最後の派遣女性が一番生々しく響いてきた。 セリフ少なくおじぎだけの弟が不思議な余韻。
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吉田修一の短編集。 それぞれ、生活環境も違う若者たちの日曜日を描く短編。 それぞれの若者たちのブリッジ的な存在となる幼い兄弟。 読み進めていくと、その2人の幼い兄弟の結末も見えて来る。 そこはかとない若者たちの日常がやけにリアルなのである。 悲しむ者、思い出す者、何かを得る者、...
吉田修一の短編集。 それぞれ、生活環境も違う若者たちの日曜日を描く短編。 それぞれの若者たちのブリッジ的な存在となる幼い兄弟。 読み進めていくと、その2人の幼い兄弟の結末も見えて来る。 そこはかとない若者たちの日常がやけにリアルなのである。 悲しむ者、思い出す者、何かを得る者、 様々な日常。でも紛れも無くある事実として過ぎ去る時間。 それを幼い兄弟の存在がまたさらに締め付ける。 だからこそ、最後のページを読んだ時に思う感情もあるのだろう。
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最後泣けたなぁ。。色んな人生が交錯して、時に交わったりすれ違ったりする模様に引き込まれた。あの兄弟の結末がちゃんと書かれていて、それだけでもう満足!笑
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「誰かを愛するということが、だんだんと誰かを好きになることではなくて、だんだんと誰かを嫌いになれなくなるということなのだ」
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【本の内容】 ありふれた「日曜日」。 だが、5人の若者にとっては、特別な日曜日だった。 都会の喧騒と鬱屈した毎日のなかで、疲れながら、もがきながらも生きていく男女の姿を描いた5つのストーリー。 そしてそれぞれの過去をつなぐ不思議な小学生の兄弟。 ふたりに秘められた真実とは...
【本の内容】 ありふれた「日曜日」。 だが、5人の若者にとっては、特別な日曜日だった。 都会の喧騒と鬱屈した毎日のなかで、疲れながら、もがきながらも生きていく男女の姿を描いた5つのストーリー。 そしてそれぞれの過去をつなぐ不思議な小学生の兄弟。 ふたりに秘められた真実とは。 絡みあい交錯しあう、連作短編集の傑作。 [ 目次 ] [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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出てくる人物は、訳ありな人ばかり。過去を引きずってたり、殻を破れなかったり。でも、人生悪いこと、辛いことばかりじゃない。淡々と過ごす日常の中でも、何かが少しずつ変わっていく。時が心を浄化させてくれ、穏やかになれる日がくる。最後はホロリとさせられた。
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連作短編集。ありふれた日常の中でちょっと触れ合った二人の兄弟。成長したふたりの姿が頼もしい。 「日曜日の新郎たち」がよかった。
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