日曜日たち の商品レビュー
再読。東京で暮らす20〜30代男女5人と彼らの前に現れる小学生兄弟のとある日曜日を切り取った短編集。生き辛そうな彼らにどこか自分を投影してしまう。都会で暮らす息子と上京した男やもめな父親の不器用な交流を描いた「日曜日の新郎たち」は秀逸だが、やはり涙無しに読めない表題作がベスト。積...
再読。東京で暮らす20〜30代男女5人と彼らの前に現れる小学生兄弟のとある日曜日を切り取った短編集。生き辛そうな彼らにどこか自分を投影してしまう。都会で暮らす息子と上京した男やもめな父親の不器用な交流を描いた「日曜日の新郎たち」は秀逸だが、やはり涙無しに読めない表題作がベスト。積み重なる小さな優しさはやがて大きな優しさへ変わる。
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それぞれの人生に思うところあるが、 最終的に思ってもないハッピーエンド。 嬉しかった。 どのストーリーもじんわりきて それぞれよかったなぁ。 日曜日の被害者は、 たぶん時折思い出してしまう 心に残る痛さがあった。
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たまにどこか投げやりになりながら何かを諦めたりしながらも東京で生きてる若者たちの東京讃歌だった。 そんな何気ない日常の中でどこか記憶の片隅に残っていたある出来事。 母親を探してた兄弟は本当に存在するのかな?夢なんじゃないか?と思ったりしたけど。 どんどん繋がるかんじがおもしろか...
たまにどこか投げやりになりながら何かを諦めたりしながらも東京で生きてる若者たちの東京讃歌だった。 そんな何気ない日常の中でどこか記憶の片隅に残っていたある出来事。 母親を探してた兄弟は本当に存在するのかな?夢なんじゃないか?と思ったりしたけど。 どんどん繋がるかんじがおもしろかったです。 投げ捨てたくなるような日々の中でもそれぞれの大切な人や、思い出があって。 "東京で生きることはそんなに悪いことばかりじゃない。"
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連作短編集が好きということもあり、デビュー作から順番に読んできて1番好きかもしれない。明るいばかりではない人生のかけらがあるときふいにすれ違う。「そう、嫌なことばっかりだったわけではないと」
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連作短編集を偏愛する人間だが、この作品の美しさとさりげなさには特に打たれた。ある意味、理想の連作短編集。
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2018.1.30 1番最初の、日曜日のエレベーターがよかった。 「誰かを愛するということが、だんたんと誰かを好きになることではなくて、だんだんと誰かを嫌いになれなくなるということなのだと知ったのだ」の一文にグッときた。 2人の関係や立ち位置が、行き交うエレベーターのように、上下にすれ違っていく様が読み取れた。 それぞれにそれぞれの、日曜日がある。当たり前のことなんだけど、誰かの日曜日を想像するなんてことはしてこなかった。いま、隣にいる人の日曜日を、人生を少しでも想像できれば、それくらいの余裕があれば、世の中も自分も丸くなれる気がする。
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吉田修一さんの本は8冊目。 表紙には連作短編集と書かれていますが、連作の意味がじわじわとわかってきます。 後半になればなるほど、じわじわ良い感じ。 特に、最後の表題作でもある「日曜日たち」はホロリとします。 『日なた』や『7月24日通り』と同様の読み心地。 吉田さんのこういう感...
吉田修一さんの本は8冊目。 表紙には連作短編集と書かれていますが、連作の意味がじわじわとわかってきます。 後半になればなるほど、じわじわ良い感じ。 特に、最後の表題作でもある「日曜日たち」はホロリとします。 『日なた』や『7月24日通り』と同様の読み心地。 吉田さんのこういう感じの本、好みです。
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内容(「BOOK」データベースより) ありふれた「日曜日」。だが、5人の若者にとっては、特別な日曜日だった。都会の喧騒と鬱屈した毎日のなかで、疲れながら、もがきながらも生きていく男女の姿を描いた5つのストーリー。そしてそれぞれの過去をつなぐ不思議な小学生の兄弟。ふたりに秘められた...
内容(「BOOK」データベースより) ありふれた「日曜日」。だが、5人の若者にとっては、特別な日曜日だった。都会の喧騒と鬱屈した毎日のなかで、疲れながら、もがきながらも生きていく男女の姿を描いた5つのストーリー。そしてそれぞれの過去をつなぐ不思議な小学生の兄弟。ふたりに秘められた真実とは。絡みあい交錯しあう、連作短編集の傑作。 短編より連作の方が集中力が途切れなくて好きです。どの話も風合いが違っていて硬軟取り揃えた中で、同じ差し色として小学生の幼気な2人が出てくるのですが、その存在感が絶妙。皆悩みが有って自分の事ばかり考えているようでいて、少年たちが気になってしまうあたりでとても親近感が沸いて一気に感情移入させられます。感情移入が読書の全てではないけれど、重要なファクターで有るのは確かですからね。 吉田修一氏はとても人間を描くのが上手いと思っています。どの人間にも善と悪、優しさと卑しさが同居していることを描くのに長けています。明るいだけでも暗いだけでも無く、薄暮の寂しさと優しさに似ているような気がします。
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読んでてすごく幸せな気分になるわけではないのに、むしろちょっと切ないような気持ちがあふれそうになるのに、途中で本を閉じると早くあの物語のなかに戻りたいと思わされる、吉田修一のそんなところが好きだ。 この本も。 それぞれの短編の中に共通して出てくる男の子の兄弟。 最後の話で、うぅぅ・・・と涙が出る。
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5つの連作短編。 友情とか家族とか恋人とか。 そんな関係には疲れたり、時には離れたくなったり、またある時は逆に恋しくなったすることもある。 そんな彼らの中に現れる二人の兄弟。 彼らが話を繋いでいく。 2017.7.6
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