日曜日たち の商品レビュー
最後の「日曜日たち」とくによかったです。 数年後の偶然の再会で、東京に住むお互いの顔を見る。 ことばは少なくても、ちゃんと気持ちが伝わってくるような描写が素敵でした。 ◻︎ この子たち、たったのふたりで、それもこの東京で、自分さえどうにもならなかったこの街で、いったい誰が、何...
最後の「日曜日たち」とくによかったです。 数年後の偶然の再会で、東京に住むお互いの顔を見る。 ことばは少なくても、ちゃんと気持ちが伝わってくるような描写が素敵でした。 ◻︎ この子たち、たったのふたりで、それもこの東京で、自分さえどうにもならなかったこの街で、いったい誰が、何をしてくれるというのか。
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とびきり幸せでも、とびきり不幸でもない普通の男と女たちの何気ない日常を切り取った5つの短編。 5つの短編の主人公それぞれの人生は交差しないものの、すべての物語に、九州から家出してきた小学生の兄弟がかかわり最後に掲載された表題作へと連なっていく。 それぞれの物語を味わいながらも、兄弟の行く末が気になる。 そして、ラストでは心が温かいもので満たされ、この作品の本当の主人公はこの兄弟だったのでは…と思う。 吉田さんらしい、冷めた目線に隠れた他者への温かさが心地よい。特に、「日曜日の新郎たち」は秀逸。 みんな頑張って生きている。みんな、幸せになって欲しい。そんなことを素直に思えた作品だった。
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連作短篇集。これは大変面白かった。 それぞれの主人公が抱える想いも、短篇集ならではの切なさを感じさせる。どんな人にも必ず自分の人生に対する想いがあるのだと感じさせる。そしてその主人公が出会う兄弟。少しずつこの兄弟に関する話が繋がっていき、最後の主人公との関わりの中で彼らの話も結末...
連作短篇集。これは大変面白かった。 それぞれの主人公が抱える想いも、短篇集ならではの切なさを感じさせる。どんな人にも必ず自分の人生に対する想いがあるのだと感じさせる。そしてその主人公が出会う兄弟。少しずつこの兄弟に関する話が繋がっていき、最後の主人公との関わりの中で彼らの話も結末を迎える。 あの兄弟の未来が明るいものであるのだろうと、希望を持たせる終わり方だったのは良かった。
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こういう地味で苦味があってでも涙がきらっと光るような希望がある話は大好きだ。 「日曜日の新郎たち」が特に好きである。 健吾と幸喜ののんびりした会話など特に。
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どの話もどことなく親近感が持てる話。 パレードや静かな爆弾のような余韻は 持てなかったけれど、それぞれにいい話ではあると思う。 日曜日の新郎たちの 「忘れようとすればするほど忘れられん。人間っちゅうのは、忘れたらいかんものを、こうやって覚えたおくもんなのやろなぁ」 っていう科白...
どの話もどことなく親近感が持てる話。 パレードや静かな爆弾のような余韻は 持てなかったけれど、それぞれにいい話ではあると思う。 日曜日の新郎たちの 「忘れようとすればするほど忘れられん。人間っちゅうのは、忘れたらいかんものを、こうやって覚えたおくもんなのやろなぁ」 っていう科白がすき。最後の一説もすき。
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これも結構好き。 短編だけど、どの話にも登場する幼い兄弟によってリンクするスタイル。 フリーターだったり、人に流されまくったり、ダメじゃんって人間たちの生活がしみる…。 感想には全く関係ないけど、過去のレイプのトラウマを語る女が「許す」とか言った男とその夜に結ばれる小説のストーリーに「そんなだから、レイプなんかされるんだよ」(P.40)ってツッコミみは、今のケータイ小説世代に読ませたいね。 最後の最後、「嫌なことばっかりだったわけではないと乃里子は思う。そう嫌なことばっかりだったわけではないと。」ってセリフ、なんかいい。
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吉田修一の初読み。 映画化された「悪人」の原作者だったなぁ、という程度のy予備知識のみで。 連作短編。 まあまあ面白かったかと。 共通して出てきていた“小学生の兄弟”のハナシがすっきりとまとまったという点は、好印象♪ 2編目のヒロインの最後の台詞だけ……意味が分からなかった...
吉田修一の初読み。 映画化された「悪人」の原作者だったなぁ、という程度のy予備知識のみで。 連作短編。 まあまあ面白かったかと。 共通して出てきていた“小学生の兄弟”のハナシがすっきりとまとまったという点は、好印象♪ 2編目のヒロインの最後の台詞だけ……意味が分からなかった(苦笑)。 とりあえず、あらすじ見て面白そうだと思えるのがあれば、長編も読んでみようかとは思えた。 ★3つ、7ポイント半。 2016.08.07.古。
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この人のはいつも最後ハッとさせられるんだけど(ネガティブに)、今回のはポジティブにハッとだったから、よいか。
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短編集。何気ない日常を切り取るのが上手い吉田さん。 これは〝重松清〟風のテイストだった。 現在(今)を決して活き活きとは生きていない男女が過去の出来事を回想しながら、今日を生きる話。 単独ストーリーですが、過去に共通して登場する子どもが重松氏っぽい。 幸不幸を決めるのは他人ではな...
短編集。何気ない日常を切り取るのが上手い吉田さん。 これは〝重松清〟風のテイストだった。 現在(今)を決して活き活きとは生きていない男女が過去の出来事を回想しながら、今日を生きる話。 単独ストーリーですが、過去に共通して登場する子どもが重松氏っぽい。 幸不幸を決めるのは他人ではないけれど、それでも明日は誰にもやってくる。 別に日曜日にこだわらずともよいけど、人生には日曜日は必要だね。 すれ違いのカップル。恋人に先立たれた男。 女に振り回されて職さえ捨ててしまう男。 友情が破たんする女友達。 先が見えず年齢だけ重ねる派遣社員。 どこにでもありそうな悩み、誰にでもありそうなエピソード、其処彼処にありそなシチュエーション…そんな何気ない毎日を繰り返しながら生きている。 結局、今の自分ってものは、過去の自分の積み重ねでしかない。今とあの日は繋がって、繋がって…そしてこれからもずっと。 そうやって、毎日を生きていかなくちゃならない。 だからどうした?と云うのがない。 だけど、なんかいい! 生きるって多分そゆことなのかな。 2016.05.16今年の17冊目
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東京に住む5人の生活を描写した短編集だが、それぞれを幼い兄弟がキーパーソンとしてつないでいる。 すごくダメじゃないけど、ちょっとダメな人たちをリアルに描いており、身に覚えがあろうとなかろうとなんだか切ない感じになる。
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