ウルトラ・ダラー の商品レビュー
世界をまたにかけたハードボイルドタッチの小説だが、フィクションとは思えないリアリティがあり身震いがする。それにしても、日本人のインテリジェンスに対する脇の甘さが気になる。そこかしこに出てくる日本文化の描写に安らぎを覚える。
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北朝鮮・偽札・拉致問題・・これってフィクションですか?もしくは・・・。 そう感じざるを得ないリアリティがこの本にはあります。
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2007/4/8〜。「これはあくまでも小説だ、フィクションだ」と言い切ってしまえばいいのか、なるほど。ベースは社会派の小説なのに、ところどころに出てくる安っぽい言い回しが気になってしょうがない。もったいない。
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元NHKワシントン支局長・手嶋龍一氏の初の小説。 北朝鮮による偽札作りといたちごっこを演じている判別機メーカーが、本物の偽札(?)を証拠として確保しようとする各国の捜査機関に伍して手に入れないと判別技術が向上せず、メーカー間の競争に負けてしまう、といったディテールが生きている。...
元NHKワシントン支局長・手嶋龍一氏の初の小説。 北朝鮮による偽札作りといたちごっこを演じている判別機メーカーが、本物の偽札(?)を証拠として確保しようとする各国の捜査機関に伍して手に入れないと判別技術が向上せず、メーカー間の競争に負けてしまう、といったディテールが生きている。 偽札作りの目的と、そのバックにある大国の老獪な外交ぶりなどは、小説でないと書けなかっただろう。 アメリカ・ドルがとっくの昔に金との兌換を止めているのに唯一の基軸通貨のように振舞うのは、利息抜きの国債みたいなものだという指摘には、そういえばそうだと思わせる。 あらゆる局面で秘密が要求される外交にあっては、辛うじて公電を残して30年後の歴史の審判を仰がなくては外交官たる資格はない、というのは「1991年日本の敗北」にも共通する視点。 実際、金丸信が訪朝した時の記録というのはどうなっているのか。どんな約束をしてのかわかっていなければ、外交にならない。 ロシアでエイゼンシュタインの映画「イワン雷帝」のリメークが進行中というのがもっともらしくて可笑しい。 映画のロケ地を訪れるというテレビ番組の企画で潜入をカムフラージュするのに、マルセル・カルネの「北ホテル」が使われているのは、洒落だろう。 あの映画で使われたホテルは、すべてセット撮影(美術 アレクサンドル・トローネル)によるものであることはかなり有名だからだ。
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ダブリンで、精巧な新種の偽100ドル札「ウルトラ・ダラー」が見つかった。 ワシントン・モスクワ・パリ・香港・東京・・・世界各地の水面下で情報が動き出す。 北朝鮮の偽ドル札と巡航ミサイルをめぐって繰り広げられる国際情報戦。 リアルなスリルをお楽しみ下さい! (詳しい感想は→htt...
ダブリンで、精巧な新種の偽100ドル札「ウルトラ・ダラー」が見つかった。 ワシントン・モスクワ・パリ・香港・東京・・・世界各地の水面下で情報が動き出す。 北朝鮮の偽ドル札と巡航ミサイルをめぐって繰り広げられる国際情報戦。 リアルなスリルをお楽しみ下さい! (詳しい感想は→http://blog.livedoor.jp/chako67k/archives/50888014.html)
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インテリジェンス武器なき戦争、をたまたま読んだあとに、先輩に貸してもらった本。以前話題になったときは完全スルーだったのに。どこまでリアルでどこまでが架空かが分からないリアリティを含む。そういえばニュースでもこの前偽札の話があがっていて、すぐさまこの本を思い出した...。
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元NHKワシントン支局長の手嶋さん。 911同時多発テロの際、いつテレビを見ても、彼が冷静沈着にニュースを伝える姿は、記憶に残る。 私は、冗談抜きで、彼はCIAに所属してんじゃないかとさえ思わせるインテリジェンス。きっとこの作品もかなりの確率で実話なんだと思っている。
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北朝鮮が偽札を作っているというのは、結構事実として周知されていることかもしれないが、この本の中では、その偽札のために、北朝鮮が大変な努力をしたことになっている。 努力というのはおかしいかもしれないが、何十年も前から印刷工を拉致したり、お札用の用紙を入手するのにすごい苦労した...
北朝鮮が偽札を作っているというのは、結構事実として周知されていることかもしれないが、この本の中では、その偽札のために、北朝鮮が大変な努力をしたことになっている。 努力というのはおかしいかもしれないが、何十年も前から印刷工を拉致したり、お札用の用紙を入手するのにすごい苦労したり、印刷機なんて、気の遠くなるような面倒な思いをして密輸入しているのだ。なんだかご苦労さんといいたくなる。 そして、そこまでして作った偽札は何のためだったかというと、フランスの運河で取引できる程度のものなのねえ。。そりゃ、ものはすごいけど、それにしては取引の現場が安易だわ。 主人公のスティーブンが事件を解き明かしていくわけだけど、それにしてはちょっと頼りない。恋人のやたら古くさい感じの女の人との関係もしっくりと納得できる感じがしない。 それゆえ、最後の終わり方にも「え?うそ、これで終わり?」というあっけなさと物足りなさが残った。 ハードボイルドにしては、甘いし、なんだかすべてにおいて中途半端な感じがした。
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どこまでが事実に基づいた話なのだろうか。まずそこが気になってしまう。 それはともかく、エピローグで登場人物が語る、『日米の安全保障同盟とは、つまるところ朝鮮半島の有事と台湾海峡の有事を想定してそれに備えるためのもの』、『台湾海海峡に有事が持ち上がった時、日本がアメリカと台湾に...
どこまでが事実に基づいた話なのだろうか。まずそこが気になってしまう。 それはともかく、エピローグで登場人物が語る、『日米の安全保障同盟とは、つまるところ朝鮮半島の有事と台湾海峡の有事を想定してそれに備えるためのもの』、『台湾海海峡に有事が持ち上がった時、日本がアメリカと台湾に加担しないようあらかじめ足かせをはめておく、それが中国の狙い』、『日朝の国交樹立によって、膨大な資金が日本から流れ込めば、疲弊した金正日体制をしばし延命させることができる。北朝鮮が韓国に吸収合併されるよりは、中国の利益にかなう』というくだりは著者が実際の取材を通じて得た“インテリジェンス”なのだろう。 同様に、『北朝鮮が独自に巡航ミサイルを手に入れたように装って、対日抑止のカードとする』というのは核を巡る最近の北朝鮮の動向を見るうえで興味深い。 NHKを退職した著者が今後どのような取材活動をするのかが楽しみだ。
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予想以上に面白かった。ま、筋は古めのスパイ小説見たいですが。細部がなかなか凝ってました。作者の手嶋さんといえば、どうしても9.11の時の放送が忘れられません。確か2chで、「がんがれテッシー」みたいなスレッドがいくつもたっていたかと。深夜見た、眠そうなセントバーナードみたいなテッ...
予想以上に面白かった。ま、筋は古めのスパイ小説見たいですが。細部がなかなか凝ってました。作者の手嶋さんといえば、どうしても9.11の時の放送が忘れられません。確か2chで、「がんがれテッシー」みたいなスレッドがいくつもたっていたかと。深夜見た、眠そうなセントバーナードみたいなテッシーの顔と側で酔いつぶれて寝た相方の顔は、私を安全な場所にいると気付かせ安心させました。
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