ウルトラ・ダラー の商品レビュー
ウルトラ・ダラー。 極度に精巧な偽100ドル札。 この流通を巡り、 日米欧をまたにかけたドラマが展開する。 主人公はBBC日本特派員にして 英国諜報員のスティーブン。 さながら007か。 スティーブンは日本文化を解し 日本語も流ちょうに操り 篠笛を美人師匠に学ぶ。 しかもこの美人...
ウルトラ・ダラー。 極度に精巧な偽100ドル札。 この流通を巡り、 日米欧をまたにかけたドラマが展開する。 主人公はBBC日本特派員にして 英国諜報員のスティーブン。 さながら007か。 スティーブンは日本文化を解し 日本語も流ちょうに操り 篠笛を美人師匠に学ぶ。 しかもこの美人師匠の麻子といい関係。 ちょっとしゃくにさわる。 話は偽100ドル札が北朝鮮で印刷されているという 辺りから話がきな臭くなってくる。 スティーブンの大学時代の親友で 米国諜報員であるコリンズと連絡を取り合い インテリジェンス~情報のやりとりを行う。 日本のスティーブン、外務省の高遠審議官 滝澤審議官の間でインテリジェンスを巡る駆け引きがあり 米国ではコリンズと上司のファルコーネが インテリジェンスを操る。 さらに日本国内の偽札検査器メーカー社長も出てきて 前半は会話の中からお互いの探り合いという展開が続く。 そして、北朝鮮の偽札は ウクライナから弾道ミサイルを買うためだったと判明し 舞台は一気にフランスのパリへ。 運河とセーヌ川を弾道ミサイルを積んだ船が行く。 河岸ではパリ警察が、米国諜報が 孤軍奮闘のスティーブンが船を突き止めようと動く。 そして、スティーブンが船を特定し ウクライナと北朝鮮の船を拿捕するが 弾道ミサイルの心臓部分は抜き取られていた。 そして、ある文書をスティーブンは 篠笛の師匠で恋人の麻子に託して 高遠審議官に送るが それがまた新たな事件の契機だった。 最後は日本国内でアクションが展開する。 頭脳戦から一転してパリ、日本の アクションシーンが続く。 この展開はわくわくさせる。 ラスト湖から浮かび上がる スティーブンと麻子の運命は如何に。 読後もいくつかの謎が余韻として残る。 NHK前ワシントン支局長が リアルな、リアルな国際状況や 外光状況をベースに描いた 本書は読み応え十二分だ。
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期待していただけに、う〜ん、という感じだった。 まず、自分ごときには文章表現が何かと難しかったことと、本筋から離れた食事やら衣服やらなのウンチクが多くて煩わしかったことで、小説の世界に入っていけなかった。 読み続けて、最後もう〜ん、って感じだった。 諜報員である彼が、捕らえられるかもしれないあんな所に一人で向かうだろうか。
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主人公はBBC放送特派員のイギリス人。 しかし、彼にはもう一つの顔があり、実はそちらが、 本当の顔・・・。 英国政府の諜報員として活動していた。 BBC放送のラジオ番組を作りつつ、調査していたのは、 ”偽ドル”の出所・・・。 米国の政府組織に勤務する友人と共に”偽ドル”の謎を追っていく・・・。 う~ん、テーマとしては面白いのですが、作品の舞台は日本・・・。 (海外の色んな地に行くのですが・・・。) 主人公が英国人ではなく日本人でも良かった気がするのは私だけ? と思うってしまう作品です。 なぜなら、主人公は日本人でも使わなくなった古風で、しかも的確な 日本語を流暢にしゃべれてしまうし、日本の文化にも明るい。 まあ、日本にいる日本人のスパイより、外人のスパイの方がリアリティーは あるとは思うけど・・・。 ストーリーも随所に伏線が張られているのですが、あまりにわかりやすく、 存在する伏線は、たまに主線?と思いたくなるほど・・・。 高評価をされている本ではあるのですが、個人的には今一な小説でした。 暇な人は読んでみると良いですよ。
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ん?となるラスト。 知識のひけらかしにすぎない文章。 など、所々で苦痛になる箇所が散見していました。 ストーリーも盛り上がりがなく、一貫したプロットも見えない。 ブックオフで100円で売っていた理由も納得です
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300ページ強くらいの小説なのに、 物凄く長い小説を読んだような気分です。 私みたいな脳みそからっぽの人間には難しかった。 でも頑張って読みました。 問題にしてることとか内容はまったくちがうけど、 ダビンチコードみたいな感じ? どこまでが本当か分からない。という意味では。 ...
300ページ強くらいの小説なのに、 物凄く長い小説を読んだような気分です。 私みたいな脳みそからっぽの人間には難しかった。 でも頑張って読みました。 問題にしてることとか内容はまったくちがうけど、 ダビンチコードみたいな感じ? どこまでが本当か分からない。という意味では。 この本を読んで分かった事は、 本当に大事な事は 先生と呼ばれる国会議員でさえも知らないという事です。 やっぱりそうなんです。 ************************* ☆あらすじ☆ 「拉致」衝撃の深層!昭和43年暮れ。 東京・荒川に住む若い彫刻職人が、忽然と姿を消した。 それから35年以上の月日が流れ、ついに全貌が明らかになる…。. ダブリンに超精巧偽百ドル札あらわる!震源は「北」。 前NHKワシントン支局長の著者が放つ衝撃のドキュメンタリー・ノベル。
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北朝鮮の作った精巧な偽札がタイトルになっています。 物語はその偽札を追う英国情報機関の若者に日米、そして北朝鮮、中国のスパイ達が入り乱れて展開していきます。 最初はゆっくりと進んでいく物語は、中盤からスピード感が増し、意外な方向へと転換していき飽きません。 実際に起こった事件など...
北朝鮮の作った精巧な偽札がタイトルになっています。 物語はその偽札を追う英国情報機関の若者に日米、そして北朝鮮、中国のスパイ達が入り乱れて展開していきます。 最初はゆっくりと進んでいく物語は、中盤からスピード感が増し、意外な方向へと転換していき飽きません。 実際に起こった事件などが効果的に挿入されており、外交ジャーナリストらしい臨場感のあるスパイ小説にです。
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イギリスBBCの東京特派員として、 世界各国を飛び回るスティーブン・ブラッドレー。 密かに諜報員としても活動している彼は、 北朝鮮によるものとされる超精巧なニセドル札「ウルトラ・ダラー」の 情報を手に入れた。 官房副長官の女性キャリア、アジア太平洋局長、 英国諜報員である同級生...
イギリスBBCの東京特派員として、 世界各国を飛び回るスティーブン・ブラッドレー。 密かに諜報員としても活動している彼は、 北朝鮮によるものとされる超精巧なニセドル札「ウルトラ・ダラー」の 情報を手に入れた。 官房副長官の女性キャリア、アジア太平洋局長、 英国諜報員である同級生とその上司など、 さまざまな関係が交錯し、情報戦を繰り広げていく。 かつて日本から忽然と姿を消した印刷職人や彫刻職人など、 彼らの行方はどこに・・・。 う~ん。さすがに政治の中枢を知ってる人だけあって、 ドキュメンタリーっぽくなってるから、その点は◎。 ただ、支点がぶれるの。特に導入部から真ん中まで。 そこがとても読みにくい・・・。 伏線がありすぎて、何がなんだかこんがらがっちゃう。 導線がしっかりできてないんだろうね。 この点にさえ目をつぶれば、 どこまで事実なの?っていう、現実とフィクションの部分の 境目に興味がわいてくる小説でした。 各国の駆け引きや、中国・台湾・北朝鮮のつながりとか。 実際に北朝鮮は偽札作りの疑惑を持たれてる国だしね。
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<本の紹介> 「拉致」衝撃の深層!昭和43年暮れ。東京・荒川に住む若い彫刻職人が、忽然と姿を消した。それから35年以上の月日が流れ、ついに全貌が明らかになる…。ダブリンに超精巧偽百ドル札あらわる!震源は「北」。前NHKワシントン支局長の著者が放つ衝撃のドキュメンタリー・ノベル。 ...
<本の紹介> 「拉致」衝撃の深層!昭和43年暮れ。東京・荒川に住む若い彫刻職人が、忽然と姿を消した。それから35年以上の月日が流れ、ついに全貌が明らかになる…。ダブリンに超精巧偽百ドル札あらわる!震源は「北」。前NHKワシントン支局長の著者が放つ衝撃のドキュメンタリー・ノベル。 この本、おもしろかったです。はまった。 一つ一つの情報、それは一見単なる情報でしかない。世の中に溢れてる情報の一つ。 でも、その中には意味のある情報がいくつかあって、その情報同士をつなげて大局的に俯瞰してみると、情報は一つの絵となって一国の意図を形作る。。。なんてことが、俺はあり得ると思います。 国家レベルじゃなくても、日常茶飯事的に近くの人間関係の中にも。 普通に生活してれば、最終的な結果が出るまで言えないことって結構ある。 「そういえばあいつがこんなこと言ってた」とか「あいつの態度が急変したのはこれが理由だったのか」って結果を知って、後から気づくことって結構ある。でも、多分だけど、そういった"意味のある"情報(=インテリジェンス)を見分けられる人はいる。そして、そういう人はそういうことが起こる前、情報を手に入れたところからそいつを予測してたりする。 何が違うんだろ。 一つ一つの情報にどれだけ気を使っているか?でも、毎日無数に発生するニュース全部にそんなに気を使ってたら、いくら時間があっても足りない。 おかしいと思えるってことは、「こういうことが起こったら、大抵何もなきゃこうなるのが普通だろ」みたいな「あるべき姿」がわかってるってことなのかな。それとも、話してて相手の(というか一般的な人の)隠し事をするときの癖や仕草を見抜いてる(知ってる)、もしくは隠せなくしてしまう、いずれにしろ気づく気づかないのレベルを超えたとこで駆け引きをしてるんじゃないかな。 欠片をつなぎ合わせて、全体を見る。今の自分のテーマと一緒だ。 これができるようになることが、難しいんだけどやっぱりできるようになりたいスキルっすね。できる人がいるってことは、自分にもできるんじゃないかな、と思ってる俺は安易ですかね。^^; いずれにしろ、実際にあってもおかしくないような内容で考えさせられました。 北朝鮮、韓国、中国と日本のアジアの力関係、そこに絡めたアメリカやロシア、東欧諸国の利害関係、一国だけの事情で動いているなんてことはないんでしょうね。いくつかの国の思惑と、個人の思惑と、発生してる問題やニュースは良いか悪いかとかそんな簡単に割り切れるものではなく、どんな人たちにどんな影響があることなのか、それは自分にどう関わってきそうなのか、大きく見れるようにならないとですわ。
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脅威のリアリティを感じながら読み終えた. 著者の経験と取材に裏付けられたこの本は,物語中のドラマが織りなす緊張感と,これが現実におこることを想定したときの緊張感.この2つが交互にやってくる. 常に新しい知識が流れ込み,黒幕を推察することで常に頭脳を刺激し続けるこの感覚が...
脅威のリアリティを感じながら読み終えた. 著者の経験と取材に裏付けられたこの本は,物語中のドラマが織りなす緊張感と,これが現実におこることを想定したときの緊張感.この2つが交互にやってくる. 常に新しい知識が流れ込み,黒幕を推察することで常に頭脳を刺激し続けるこの感覚が読了時にちょっとした安息を齎してくれるが,内容が内容だけに完全にすっきりするわけではない.少しもやっとした感じが寧ろ丁度いいと思った.
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限りなくノンフィクションに根ざしたフィクションとの印象。 うまい。 言葉が緻密かつ知的で、鋭角な豊穣さに満ちている。 構成、設定ともに、ある限定された職業/人生の人にしか 見得ない、実在するものを素材にしているだけあって、 非常にリアルでスリリング。 2作目以降の小説が素直に...
限りなくノンフィクションに根ざしたフィクションとの印象。 うまい。 言葉が緻密かつ知的で、鋭角な豊穣さに満ちている。 構成、設定ともに、ある限定された職業/人生の人にしか 見得ない、実在するものを素材にしているだけあって、 非常にリアルでスリリング。 2作目以降の小説が素直に楽しみだ。
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