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沙高樓綺譚 の商品レビュー

3.8

80件のお客様レビュー

  1. 5つ

    17

  2. 4つ

    31

  3. 3つ

    25

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2016/06/25

「沙高楼」というサロン?で角界の名士たちが語る5つの物語。 外では話せない秘密、墓場まで持っていくべき秘密を「沙高楼」という幻想的な世界観の中で語るという設定。 ブラックっぽい話もあれば、お化けの話もあります。 語られる物語は以下の5つ 小鍛冶 糸電話 立花新兵衛只今罷越候 百...

「沙高楼」というサロン?で角界の名士たちが語る5つの物語。 外では話せない秘密、墓場まで持っていくべき秘密を「沙高楼」という幻想的な世界観の中で語るという設定。 ブラックっぽい話もあれば、お化けの話もあります。 語られる物語は以下の5つ 小鍛冶 糸電話 立花新兵衛只今罷越候 百年の庭 雨の夜の刺客 「小鍛冶」は刀の真贋を見極める鑑定士の話。本物と間違いないと思っていた刀の作者は実は..といった話 「糸電話」は一途に思いを寄せる女の話。語り手は精神科医。その女の行動は精神科医への恋心なのか、それとも復讐なのか.. 「立花新兵衛只今罷越候」は幽霊もの。池田屋騒動の映画撮影に紛れ込んでしまった立花新兵衛。勘違いしっぱなしの頓珍漢な会話がちょっと面白い。語り手はその映画のカメラマン。 「百年の庭」はブラック系。庭守として大金持ちの主人に使えた老女が語る半生。そして、最後で語られる今の主人への思い.. 「雨の夜の刺客」は任侠系。やくざの大親分が語る自らの秘密。ひょんなことからやくざの世界に巻き込まれ、そして、結果的に出世につながる事件の中での真相。5物語の中では一番わかりやすい作品です。 と、5つの物語がさまざまな語り手を通して語られていきます。当然、語り口調も変わり、まさに自分がその場で話を聞いているかのような感じ。でも、おどろおどろしていて、ちょっとなじめないです。さらにこの「沙高楼」の主人は女装のオーナー。 話し方とか雰囲気で、美輪明宏さんをイメージしてしまった(笑)

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2015/08/30

個人的に平日の閉館前に行くことの多い国立博物館から始まる、百物語的な短編集です。  誰もいない展示室って、贅沢な緊張感も魅力のひとつ。

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2015/06/18

高級マンションの最上階にある沙高樓という一室で胸に秘めていた思いを語る人々。5つの話はどれもその場息を潜めてで聞いているような気持ちになった。

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2014/11/11

上流階級の謎めいた集まりで聞く話が、1章に1話ずつまとめられている。浅田さんの作品でこういったテイストのものは初めてだったが、面白い。やはり、浅田次郎さんはすごい作家だと思う。

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2014/09/20

人には決して言えないことを沙高樓に集まった人たちが順に吐露し聴かせる。それぞれの語り部がどんな話をしてくれるのか? 独立した話の短編集であるが、設定が百物語の形式で進んでいく。それぞれの話は面白いがやっぱり最後のヤクザの話が一番リアルに思える。続編も出ているようなので近々読んでみ...

人には決して言えないことを沙高樓に集まった人たちが順に吐露し聴かせる。それぞれの語り部がどんな話をしてくれるのか? 独立した話の短編集であるが、設定が百物語の形式で進んでいく。それぞれの話は面白いがやっぱり最後のヤクザの話が一番リアルに思える。続編も出ているようなので近々読んでみたい。 高校のときに読んだアイザック・アシモフの「黒後家蜘蛛の会」のようなミステリではないが、雰囲気は同じ。

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2014/01/21

短編集。 沙高楼というサロンに集まる、名を成した人たちの秘密の話を聞き手の立場で読んでいく。 それぞれの話は面白いのだが好みというか、浅田次郎はじっくり読ませる長編の方がいい、なんとなく消化不良。 浅田次郎の短編で歩兵の本領はおもしろかったけど。

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2013/07/23

浅田次郎版百物語。沙高樓に集まる人々が語る秘密に、ぐいぐい引き込まれる。章ごとにガラッと雰囲気が変化していく所も流石。

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2013/07/22

貸してくれた友人以外にも本書が好きだと公言している友人がいるため、興味を持って読む。なるほどこういう話なんだ。小説というすでに架空の世界の中で、さらに他人の人生を盗み見るというような趣向がおもしろく、続きがあれば(あるんだけど)読みたくなるのがわかる。

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2013/04/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

天切り松からの流れで、浅田次郎のオムニバス。天切り松とはまた色の違う形でグッと世界に入り込む形で物語が進む。 『糸電話』や『百年の庭』のように背筋が寒くなる読後感もあれば、『雨の夜の刺客』のように任侠ものもある。天切り松と比べると、話し手が変わっていくため、舞台も時代も登場人物も手を替え品を替え、新鮮な心持ちでそれぞれの世界に入っていけるのが良い。

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2012/11/20

深夜、摩天楼の片隅で、紳士淑女がこれまで誰にも話せなかった話、墓まで持ってゆくつもりだった体験を、情景も鮮やかにゆっくりと語り出す。 現代版百物語。生々しく、妖しく、そして不思議な世界へと誘う技巧は、さすが短編の浅田次郎。引き込まれました(^^)

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