アンボス・ムンドス の商品レビュー
よかった~と思える一冊
「女」を描くのが、恐ろしく巧い人である。可愛らしさと毒と、弱さと強かさ……全く正反対の要素を矛盾なく内包する存在、女。7つの短篇それぞれに描かれるのは、どこまでも生々しい女の姿だ。ある意味、恐怖小説。
yoko
ツマグロヒョウモンと いう蝶を知ってますか ? ちょうどいま我が家の 花壇にその幼虫がいて、 黒地に鮮やかな赤い線 とトゲトゲしい威容で、 「ボク毒ガアルヨ、 食ベルナ危険」と、 上空を飛交う鳥たちに 警告のサインを発して ます。 実のとこ彼は毒を持ち 合わせてない...
ツマグロヒョウモンと いう蝶を知ってますか ? ちょうどいま我が家の 花壇にその幼虫がいて、 黒地に鮮やかな赤い線 とトゲトゲしい威容で、 「ボク毒ガアルヨ、 食ベルナ危険」と、 上空を飛交う鳥たちに 警告のサインを発して ます。 実のとこ彼は毒を持ち 合わせてない。 私はググってそのこと を知ってますが、 鳥たちは毒を恐れ彼を 食べようとしない。 弱肉強食の世における 一つの生存戦略ですね。 人間の毒を扱う本作は、 ツマグロヒョウモンと 逆に、ぱっと見無害に 見えて、 その実、猛毒を有する ヒトという種を如実に 描いてます。 毒にも薬にもならない なんて言いますが、 そんな関係性が理想的 なのかもしれません。 薬も過ぎれば毒となる と言いますが、 居心地が良過ぎるその 関係性は、 遅効性の毒でじわじわ 貴方を蝕んでるのかも しれません・・・
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桐野さんが描く鬱屈した世界、人それぞれが抱く心の隙間に潜む闇。時に繊細で時に粗っぽく、女たちの複雑な心情を描く短編集。
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最後の短編が湊さんの「告白」みたいな感じで期待して読んだのですが、中途半端な感じで終わって気分的に不発。他の短編も少し胸糞悪くなるような感じが多かった。
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短編集。 「植林」「ルビー」「怪物たちの夜会」「愛ランド」 「浮島の森」「毒童」「アンボス・ムンドス」 止めることが出来ない「桐野夏生」読み、少々自嘲気味なのだが。 やはり、面白く楽しんだ。 こういう新刊本の感想を書くとき困る。私みたいなタダの本好きが何か言っても素人の...
短編集。 「植林」「ルビー」「怪物たちの夜会」「愛ランド」 「浮島の森」「毒童」「アンボス・ムンドス」 止めることが出来ない「桐野夏生」読み、少々自嘲気味なのだが。 やはり、面白く楽しんだ。 こういう新刊本の感想を書くとき困る。私みたいなタダの本好きが何か言っても素人の悲しさ、外れていることが多いのだろうと萎える。でもそうしていたらブログの意味がないと開き直る。 やはり表題作「アンボス・ムンドス」がよかった。「桐野夏生」らしい。と言う評価は「一作ごとに自己模倣に陥らない」とする桐野夏生さんにはご不満かもしれないが。 似通ったような事件をつい今年聞いた。 内緒で海外に旅立った教師同士(ここでは不倫)が事件に遭遇する。夢のような時間を過ごして帰って来たら、教え子の死と不倫がばれて非難が待っていたのだった。しかも悪意ある、その悪意とは?というのがあらすじ。 この短編が最初に書かれたのが2004年9月、現実の中東のニュースは今年。作家の明察。 桐野夏生描くリアルはより現実に近く、リアルすぎて恐ろしいのか。所詮人間のやることは悪意にみちているのか、行為そのものが好まざる悪意になってしまうのか。 結局私は息苦しい現実を逃避する目的でも本を読んでいるとして、それなのにやりきれないフィクションをどうして好むのかと考えさせられつつ、やはり惹きつけられて読んだ。 要するに「癒し」ばかりでは嫌ということである。 昔の曽野綾子の短編もこんな風だったなあーとなんとなく思い出したよ。後の作品は皮肉には満ちているが、怒りは静かに抑えられているのだから。 桐野さん怒り全開ということか。私見である。
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2005年刊行。短編集。 非常にインパクトのある話ばかりで、それが内容の好き嫌いを超えてた。 (図書館)
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あんまり進まず2個目までしか読めませんでした。 どろどろしたの嫌いじゃないのに、なんかなー。 好き嫌いがありそう。
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3.7 女の作家が書くと言うことで許される側面があるかも知れない。男が書けば非難されそうな内容ばかり。読後爽やかな話はひとつもない。だけど暗部から目を背けることができない人の習性を桐野夏生は知っている。
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この数ヶ月、読み応えを求めて桐野夏生の長編ばかりをかなり続けたが、そろそろ短編もいいかなと手に取った1冊。 7篇の短編はどれも秀逸で、どれにも長編小説に劣らない桐野作品特有の毒がふんだんに散りばめられている。 特に愛ランドと、怪物たちの夜会が結構ぶっ飛んでてよかった。
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短編集なので物足りないが桐野夏生の持ち味のドロドロが炸裂(笑) 人間の本質なんてこんなもんでしょうねと思わせられる。
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