バスジャック の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
日常をちょっとだけねじ曲げるのがうまい。なんとなく星新一風味もあり、設定のアイデアはさすがに面白かった。 ただ人間ドラマみたいなのが短編では描ききれてないような。 「送りの夏」とか、泣けそうなのに泣けないので、やや消化不良かなあ。
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この人の作品は、「となり町戦争」と言い、「失われた町」と言い、不思議な作品が多いですね。これも、とっても不思議な作品です。とは言っても、長編ではなく、タイトルの「バスジャック」を含む短編集。そのタイトル作の「バスジャック」も、何とも不思議な話なのですが・・・。女性的な、何とも優し...
この人の作品は、「となり町戦争」と言い、「失われた町」と言い、不思議な作品が多いですね。これも、とっても不思議な作品です。とは言っても、長編ではなく、タイトルの「バスジャック」を含む短編集。そのタイトル作の「バスジャック」も、何とも不思議な話なのですが・・・。女性的な、何とも優しい作風で、何とも言えない不条理の世界が描かれているのは、とってもシュール。それぞれ短い作品なので、あっという間に読むことが出来ます。
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二階扉は実際にあると便利なんじゃないかと思いましたよ!でも集合住宅じゃ無理なのかしら?^^; この作家さんは、不条理な世界を描くのがほんとに上手いなぁと思います。「動物園」なんか面白かったですし…「送りの夏」もいいなぁと思ったんですが、晴美と直樹の関係がついぞ分からないままだった...
二階扉は実際にあると便利なんじゃないかと思いましたよ!でも集合住宅じゃ無理なのかしら?^^; この作家さんは、不条理な世界を描くのがほんとに上手いなぁと思います。「動物園」なんか面白かったですし…「送りの夏」もいいなぁと思ったんですが、晴美と直樹の関係がついぞ分からないままだったのが残念すぎるというか心残りというか…もやもやする! ☆3.5
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「鼓笛隊の襲来」文庫本を購入したときに「過去の作品も読んでみたいなぁ」と思って、この本をチョイス。 [二階扉をつけてください] [しあわせな光] [二人の記憶] [バスジャック] [雨降る夜に] [動物園] [送りの夏] 上記7つの作品が詰め込まれた短編集です。あらすじとかはw...
「鼓笛隊の襲来」文庫本を購入したときに「過去の作品も読んでみたいなぁ」と思って、この本をチョイス。 [二階扉をつけてください] [しあわせな光] [二人の記憶] [バスジャック] [雨降る夜に] [動物園] [送りの夏] 上記7つの作品が詰め込まれた短編集です。あらすじとかはwikipedia見たほうがいいと思うので、書きません(笑)。 [しあわせな光][雨降る夜に]は、あまりにも短すぎて読み終わって2回も読み戻った。3ページ、5ページだけで文章を完結させるのにビックリした。 以前読んだ"鼓笛隊の襲来"でも思ったけど、非現実世界での日常感が素直に入ってくるので、頭の中で自分が住む周りの風景に文章から得た情報を組み込ませて想像しながら読むとすごく面白くなってくる。 たとえば [2階扉をつけてください]ならどの家の2階にも扉が付いているけど、外付けの梯子がない。また二階扉の取付を専門とする業者も登場。 [バスジャック]では、世間でバスジャックが流行し、法整備までされ、公式サイトではランキングが掲載されて日々更新されている とか、現実世界にこの設定が盛り込まれたら、ある意味楽しいと思う。
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「バスジャック」三崎亜記 幻想的な日常を描いた短編集。スカイグレイ。 さいたま読書会第2回課題図書。 読了。(5)
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短編集なので、次々と不条理が当たり前の世界が提示される。 慣れてしまうと不思議と心地よかった。 「動物園」が好み。のちに続編が書かれるとは思いもしなかったけど。
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なんだろう。そんな「アホ」な。な、ことをつらっとホンマもんっぽく書ききってしまう力技がいやみじゃない三崎さんの世界観。 ヒノハラさんの動物園の話が好きだな。
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短編集 「2階扉を付けてください」回覧板で2階扉の設置が呼びかけられる。出産のために妻が里帰りしている間に扉を設置したが、使い方を知らない夫は扉に鍵を掛ける… 「しあわせな光」双眼鏡で見る風景は僕にとってしあわせな光景ばかり。その双眼鏡は僕のしあわせな未来も見せてくれていた。 「...
短編集 「2階扉を付けてください」回覧板で2階扉の設置が呼びかけられる。出産のために妻が里帰りしている間に扉を設置したが、使い方を知らない夫は扉に鍵を掛ける… 「しあわせな光」双眼鏡で見る風景は僕にとってしあわせな光景ばかり。その双眼鏡は僕のしあわせな未来も見せてくれていた。 「二人の記憶」恋人の二人はどうも記憶にズレがある。映画の内容もデートの記憶もかみ合わないが、それでも良いらしい 「バスジャック」ブームである。体験型バスジャックが流行り、体系化されたため手際の悪い犯人は人質にブーイングを受ける。 「雨降る夜に」彼女は僕の部屋を図書館だと思い込んで、今日もやって来る 「動物園」経営難の動物園に”動物を演じられる人間”を派遣・展示する職業。とれが一番面白かった 「送りの夏」マネキンか人間か分からない家族を介護する人たちの暮らす民宿。そこでは家族を”船に乗せて海に送る”ための準備をする場所だった
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ずっと前からこうだったでしょ、てな感じで、違和感のある世界を当たり前のように提示される面白さ&怖さが好きでした。 三崎さんらしい短編集で、でも、長さも内容もバラエティに富んでて、そこがまたよかったです。 表題作の「バスジャック」が一番好きでした。 なぜか、バスジャックが“...
ずっと前からこうだったでしょ、てな感じで、違和感のある世界を当たり前のように提示される面白さ&怖さが好きでした。 三崎さんらしい短編集で、でも、長さも内容もバラエティに富んでて、そこがまたよかったです。 表題作の「バスジャック」が一番好きでした。 なぜか、バスジャックが“ブーム”になっているという設定の日本。本来は犯罪のはずなのに、いつの間にか、ルールというか様式美まで求められていて、その違和感の気持ち悪さが面白かった・・。(*^_^*) 能楽に見立てた「シテ」「ツレ」「地謡」「後見」という4人で行うことになってしまっているバスジャック。きっちりとその場を仕切れる、有能かつカッコいいバスジャックでなければ、バスの乗客たちは少しも恐れないし、小馬鹿にされたりもするんだよね。 一人称の「私」目線で語られるこのお話。ちょうど乗りあわせたバスの中のジャックたちの未熟さを冷静に分析しつつ、読者にバスジャックの昨今を淡々と教えてくれるんだもの。で、彼はいったい、何者なのか。三崎さん、巧い!と思いながら、楽しく読みました。 その他、「二階扉をつけてください」「動物園」がよかったです。 「二階扉・・」は、ちょっとブラックなショート・ショートという感じ。 そして、「動物園」は、動物がそこにいる、という幻影を人に見せることができる能力を持つ人々がいかに動物園で働いているか、のお話で、そんな人たちが会社を作って組織化されている、しかも、商売敵までいたりする、という設定が面白かった。また、実際に動物を作り出していくところ、それをみている人たちそれぞれの反応(勘のいい子は何かを感じてしまうんですよ。)などが、丁寧に描かれていて読み応えがありました。
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短編集。世にも奇妙な物語のような、ちょっと奇妙な平行世界の日常を書いた話。ゾッとするような、苦いような後味の話が多いけど、娘と母と大事な人のマネキンと共に過ごす人々の「送りの夏」はちょっとほろっとした。
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