バスジャック の商品レビュー
理解しづらい小説であつたが、送りの夏だけは、共感できました。人は大切な人にいつまでも、心のおとしどころを求め彷徨う。
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2022.8.27 読了 完全に ジャケ買い。。。ならぬ タイトル借り(図書館なので)の 初の作家さんでした。 ハラハラドキドキのサスペンスもの?て 思ってたんですが、 短編集で 世にも奇妙な物語みたいでした。 どの話も、サラッと「へ?」て設定が 出てくるのに、そこに触れ...
2022.8.27 読了 完全に ジャケ買い。。。ならぬ タイトル借り(図書館なので)の 初の作家さんでした。 ハラハラドキドキのサスペンスもの?て 思ってたんですが、 短編集で 世にも奇妙な物語みたいでした。 どの話も、サラッと「へ?」て設定が 出てくるのに、そこに触れることなく 話が進んでゆく。 ずっと いや、そんなことよりコレは?? みたいな気分でした(笑)
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初めて三崎さんの作品読んだ。読み始めるまではバスジャックという長編小説かと思っていたら、意外にも短編集、かつ「バスジャック」も思っていたのとテイストが違っていて、独自の設定がとれも面白かった。 印象に残ったのは「二階扉をつけてください」「二人の記憶」「動物園」「送りの夏」で、中で...
初めて三崎さんの作品読んだ。読み始めるまではバスジャックという長編小説かと思っていたら、意外にも短編集、かつ「バスジャック」も思っていたのとテイストが違っていて、独自の設定がとれも面白かった。 印象に残ったのは「二階扉をつけてください」「二人の記憶」「動物園」「送りの夏」で、中でも「送りの夏」の存在感は際立っていた。タイトルと登場人物の様子から、最後の時を静かに過ごす人たちの話かと思ったが、その少し斜め上を行かれたような印象で、まるでその場で一緒に見ているかのような描写が秀逸だと思う。大事な人を突然失うこと、ゆっくりと時間をかけて喪失と向き合って自分の気持ちに整理をつけること、色んなことを考えさせられた。 「となり町戦争」も読んでみたい。
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誰かを「失う」ということ、これからも「ずっと続いていく」と思っていた日々を突然失うということ、それは、鋭利な刃物で切られた傷跡のようなものではないか。いつまでも塞がることなく血が流れ続けるのだ。 (P.202)
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久々に読んだ三崎亜記のニセモノの妻が面白かったので、図書館にて借りる。 コレも短編集。 なんだかかなり長いのとすごい短いのが混在。 そして今回はかなり面白いのと微妙なのも混在。 普通の不思議系作品であるなら三崎亜記である必要はない。 普通の日常がなんだかほんの少しだけズレて、非常に気持ち悪くなるのが三崎亜記の醍醐味である。 というわけでこの作品の中では二階扉が最高である。 この気持ち悪いズレは最高であった。 オチもなかなかである。 あとはまあ普通の不思議系作品。 それでも面白いのはかなり面白いけどね。
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図書館より。 少し不思議な世界観と人々を描いた掌編から中編の作品を7編収録した作品集。 各短編ののアイディアの多様さに驚きました。表題作はバスジャックが合法化され一種のパフォーマンスとなった世界観の話で、他に「二階扉をつけてください」は、全家庭の二階に使う予定のない扉を...
図書館より。 少し不思議な世界観と人々を描いた掌編から中編の作品を7編収録した作品集。 各短編ののアイディアの多様さに驚きました。表題作はバスジャックが合法化され一種のパフォーマンスとなった世界観の話で、他に「二階扉をつけてください」は、全家庭の二階に使う予定のない扉をつけないといけない世界の話、「動物園」は一種の超能力もの。 特に「二階扉をつけてください」は世界観の奇妙さがずっと続いていき、そして不条理なラストを迎えるという何ともひねくれた短編。 でもなんだか嫌いになれず主人公の困惑ぷりをにやにやしながら読みました。 掌編で印象的だったのは「しあわせな光」。たった数ページの作品ながらタイトル通り心温まる作品になっています。 12歳の少女のひと夏の体験を描いた「送りの夏」は、喪失と再生を描いたこちらも心が温かくなる中編です。 アイディアのつまったおもちゃ箱といった感じの作品集で、今まで三崎さんの作品は読む機会がなかったのですが、もっと三崎さんのアイディアを味わい尽くしたいな、と思いました。 日本推理作家協会賞短編部門候補作「バスジャック」
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ちょっと不思議な話を集めた短編集。 お気に入りは、「二階扉をつけてください」 …回覧板に書かれている近所のどの家にもついている二階扉をつけることになった主人公。電話帳で調べた業者が摩訶不思議。工事の様子も、なんか変。でも、取りあえずは立派な扉が付いた。里帰り出産から帰る途中の妻に...
ちょっと不思議な話を集めた短編集。 お気に入りは、「二階扉をつけてください」 …回覧板に書かれている近所のどの家にもついている二階扉をつけることになった主人公。電話帳で調べた業者が摩訶不思議。工事の様子も、なんか変。でも、取りあえずは立派な扉が付いた。里帰り出産から帰る途中の妻に、扉を付けたことを話すと、とっても喜んで… シュールですね。でも、好きです、この感じ。 他の話も面白いです。ハートウォーミング系あり、ちょっぴり不気味系あり。 初読みの作家さんでしたが、娘が「となり町戦争」を持っていることが判明。次回、是非読んでみようと思います。
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あんまり短編集は好きじゃないけど何となく昔読みまくった星新一のショートショートとダブった。ショートショートではないけど短い文章の中に提示されるそれぞれの世界観。味わい深い。
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なんとも表現できない不思議な話が詰まった短編集。 でもこういうのが個人的にはすごく好きなんだろうな。 ミステリーでもない、ファンタジーでもない。でもどちらでもあり得るような・・。 決して幸せな気分になれるばかりの話ではなくて、後味が悪いものあります。 この中で好きなのは比較的、ハッピーな結末に思える最後の送りの夏。 小学生の麻美が経験する不思議な夏。 現実ではあり得ないかもしれないけど、どこかであり得ると思える設定も好きです。 そして、本当に大切な人であればきっと同じようなことをしてもおかしくない。 深く追及しても仕方ないことなんだよね、生死って。 誰かにとっては、受け入れられないほどの衝撃でなにかに頼ってしまう。それでしか生きていかれない。残されたものの、儀式とでもいうのかね。 麻美という現実が、住人を少しずつ変えていく。劇的にではなく、少しの現実で生死の境目をうっすらぼかしてくれる。 生死は本当にはっきりとした境をつけてしまう。あっちとこっち。相容れない。そこに愕然とするんだよね。 私もあっちに生きたい。けど常識という概念に囚われて(まぁそれが常識かどうかは議論の余地ありだけど)それができないから、結果的にこの話のような落としどころになるのはとても理解できる。 動物園も好きな話。 ほんと、ファンタジーなんだよね。だって現実ではあり得ないから。でもそうは思えない。 そのバランス(か、もしくは読み手の私の感覚?)が絶妙。ストーリーを追うだけでなく、その世界観を愛せるっていいね。
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三崎さんの発想力の豊かさを存分に味わえる7編。 私達の住まうこの世界と、同じようでいてどこかボタンを掛け違えたような不思議な世界。 「二階扉をつけてください」「動物園」と表題作が特に好きです。 二階扉、”ルルは守る”からうちにも欲しいな。 でも集合住宅の人達はどうするんだろうね? 「バスジャック」は本当に巧いと思う。 凄く好きな作品です。 能楽も好きなので、このセンスの良さには舌を巻く。 私もバスジャッカーにブーイングしてみたい。 そしてこの短編集の最後を飾る「送りの夏」は静かな波に洗われるような良い余韻を残してくれます。 因みに「動物園」がお好きな方は、『廃墟建築士』収録の「図書館」も是非。
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