西洋音楽史 の商品レビュー
”「事実」に「意味」を与えるのは、結局のところ「私」の主観以外ではありえない。”というコンセプトで書かれた西洋クラシック音楽の歴史は、ある程度クラシック音楽の歴史を知っている人にも、新たな発見をもたらしてくれる。 音楽のことだけでなく、その音楽の生まれた社会的な背景や、建築・美術...
”「事実」に「意味」を与えるのは、結局のところ「私」の主観以外ではありえない。”というコンセプトで書かれた西洋クラシック音楽の歴史は、ある程度クラシック音楽の歴史を知っている人にも、新たな発見をもたらしてくれる。 音楽のことだけでなく、その音楽の生まれた社会的な背景や、建築・美術・文学との関わりにも言及されていて、筆者の幅広い教養の深さが伺われる。名著である。
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youtubeやapple musicで、文章に登場する曲を聞きながら読んでいくのが楽しかった。 バロック~古典派は耳馴染みがあったのだけど、それ以前やそれ以後の時代の音楽に触れることができて刺激的だった。
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映画ボヘミアンラプソディの中にオペラをイメージした曲の話が出てきたところから、クラシック音楽の個性に興味が出たので、クラシックに詳しい友達に勧められて読み始めた。 クラシック音楽として現代で演奏されるものは20世紀の頭頃までの音楽とされているようだが、その始まりから興味深いものが...
映画ボヘミアンラプソディの中にオペラをイメージした曲の話が出てきたところから、クラシック音楽の個性に興味が出たので、クラシックに詳しい友達に勧められて読み始めた。 クラシック音楽として現代で演奏されるものは20世紀の頭頃までの音楽とされているようだが、その始まりから興味深いものがあった。 西洋というワードから、キリスト教の存在は切り離せないと思っていたが、始まりは教会音楽であった。音符も楽譜もないところから、音の記録をつけ、それをベースにアレンジする流れは、納得するしかなかった。 バッハやショパンなどなど名だたる名前の音楽家の記述もあるが、ヨーロッパの時代の動きとも密接に結びつく音のブームも興味深かった。 芸術家は時代の小さな変化や動きにも機敏に反応することが書かれており、第一次世界大戦への不穏な空気を推し量っていたかのように、音楽シーンが静まったことが、歴史を少しかじった身としては印象に残った。
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バッハがなぜ音楽の父と呼ばれるのか。 ベートーベンやモーツアルト、ハイドンの曲はなんで音楽の時間でかなりの時間を費やして学んだのか。 読後、ちょっとだけ分かった気がした。 音楽は個々の曲や作曲家について興味をもつことはあれど、音楽の歴史そのものを時系列で学ぶことはなかったので、...
バッハがなぜ音楽の父と呼ばれるのか。 ベートーベンやモーツアルト、ハイドンの曲はなんで音楽の時間でかなりの時間を費やして学んだのか。 読後、ちょっとだけ分かった気がした。 音楽は個々の曲や作曲家について興味をもつことはあれど、音楽の歴史そのものを時系列で学ぶことはなかったので、とても分かりやすく頭にすっと入ってきた。 こういう授業をうけていたら、高校時代くらいからもう少しクラシック音楽に興味をもっていたのかなあ…となんとなく感じた。
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すごい内容が濃くて感心した。ただ図書館で借りたから期間的に読み切れず...これはマーカーや付箋を使った方がいいなって思ったから今度ちゃんと購入して自分のものにします。
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中世音楽に始まり、ルネサンス、バロック、古典派、ロマン派、そして世紀末と戦争の時代を経て現代の音楽につながる西洋音楽の歴史を一望する本です。 本書を読めば、西洋音楽の歴史は宗教のための音楽から、貴族の音楽、ブルジョアの音楽、大衆の音楽へと変化・多様化する過程でもあることがよ...
中世音楽に始まり、ルネサンス、バロック、古典派、ロマン派、そして世紀末と戦争の時代を経て現代の音楽につながる西洋音楽の歴史を一望する本です。 本書を読めば、西洋音楽の歴史は宗教のための音楽から、貴族の音楽、ブルジョアの音楽、大衆の音楽へと変化・多様化する過程でもあることがよく分かります。 いわゆるクラシック音楽とは西洋音楽のうちバロック後期から20世紀初頭までの200年間に作られた音楽をいう、そして、芸術音楽とは芸術として意図され、紙の上で楽譜という設計図を組み立てて作られた音楽である、といった著者の整理は分かりやすいです。 この本は読者に対して、西洋音楽の成り立ちと奥行きを明快に示し、そのことによって、西洋音楽 ── 中でも特にクラシック音楽 ── を聴く楽しみを深めてくれると思います。
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音楽学者の岡田暁生氏が音楽史についてまとめたもの。本書では中世、ルネサンス、バロックから、第一次世界大戦以後の現代までを、いわゆるクラシック音楽と呼ばれるものに限定されていますが、互いに接続しながら解説しています。それぞれが独立して存在しているわけではなく、どのように発展、もしく...
音楽学者の岡田暁生氏が音楽史についてまとめたもの。本書では中世、ルネサンス、バロックから、第一次世界大戦以後の現代までを、いわゆるクラシック音楽と呼ばれるものに限定されていますが、互いに接続しながら解説しています。それぞれが独立して存在しているわけではなく、どのように発展、もしくは衰退していったかが解説されており、単純に作曲家や曲を羅列した本とは異なります。またそれぞれの時代の社会情勢や風俗などとも関連付けていて面白いです。
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通史として非常にわかりやすい。各時代の曲の特徴を社会状況から説明してくれることも非常におもしろかった。特に古典派とロマン派の章がすばらしい(ソナタ形式が啓蒙的思想に裏打ちされているという話と、ロマン派が公衆という市場により登場したのだという話)。 あと著者の知識や表現能力が高く、...
通史として非常にわかりやすい。各時代の曲の特徴を社会状況から説明してくれることも非常におもしろかった。特に古典派とロマン派の章がすばらしい(ソナタ形式が啓蒙的思想に裏打ちされているという話と、ロマン派が公衆という市場により登場したのだという話)。 あと著者の知識や表現能力が高く、かつあとがきにおける通史を記述する必要性がエモい。信用できる著者だと感じた。
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何の気なしに手に取ったが、想像以上にわかりやすくて面白い本だった。なんだろう、著者の熱が伝わってくるような文章がいいのかな。その意味では、ロマン派的です。バロックの中でのバッハの特異性、ベートーベンの第九の革新性、そして何より今まで特に興味もなかったマーラーのことが理解できて好き...
何の気なしに手に取ったが、想像以上にわかりやすくて面白い本だった。なんだろう、著者の熱が伝わってくるような文章がいいのかな。その意味では、ロマン派的です。バロックの中でのバッハの特異性、ベートーベンの第九の革新性、そして何より今まで特に興味もなかったマーラーのことが理解できて好きになった。 選手の家庭環境や人生を知るとスポーツ観戦が段違いで面白くなるが、音楽も同じだなぁ、と。
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面白かった! 興味を惹かれて購入したにも関わらず、初めて耳にする人物名や難解な用語が羅列された、ちんぷんかんぷんな内容を覚悟していたのだが、何と楽しいことよ。 そう、だって音楽は美しくて気分を高揚させて神性すら感じさせる、生活に身近なもの。普段楽しんで聴いているもの。 それにつ...
面白かった! 興味を惹かれて購入したにも関わらず、初めて耳にする人物名や難解な用語が羅列された、ちんぷんかんぷんな内容を覚悟していたのだが、何と楽しいことよ。 そう、だって音楽は美しくて気分を高揚させて神性すら感じさせる、生活に身近なもの。普段楽しんで聴いているもの。 それについて書かれた本が楽しくないはずがない。 例えば、「ワルキューレの騎行」を聞きながらワーグナーについての頁を読んだのだが、西洋音楽に無知な自分でも、その素晴らしさをはっきりと理解できた。
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