麦ふみクーツェ の商品レビュー
いろんなエピソードが…
いろんなエピソードがこの本には溢れていて、童話のような寓話のような。どこにも当てはまらない奇異な話のようで、誰にも心当たりのある心情が描かれていたり。独特な不思議な世界構成の中、音楽を愛する人たちの話。読後がすごく爽やか。いしいしんじの本には「アムステルダムの犬」しかり「ぶらんこ...
いろんなエピソードがこの本には溢れていて、童話のような寓話のような。どこにも当てはまらない奇異な話のようで、誰にも心当たりのある心情が描かれていたり。独特な不思議な世界構成の中、音楽を愛する人たちの話。読後がすごく爽やか。いしいしんじの本には「アムステルダムの犬」しかり「ぶらんこ乗り」しかり出てくる犬たちにも癒される。
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たんたんとした時間の…
たんたんとした時間の流れに、いしいさんの優しい文章が音楽を奏でる。読後のさわやかさが堪らない長編物語。
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どこか遠い小さな港町…
どこか遠い小さな港町に住む小さな家族、音楽家の祖父と数字にとりつかれた父と猫の鳴きまねのとっても上手な主人公の「僕」。ある日突然現れる不思議な小人「クーツェ」。そして「僕」に訪れる様々な不幸。やがて分かる家族の本当のこと。全てが人と音楽でつながり、広がり、奏でる。不思議な作品です...
どこか遠い小さな港町に住む小さな家族、音楽家の祖父と数字にとりつかれた父と猫の鳴きまねのとっても上手な主人公の「僕」。ある日突然現れる不思議な小人「クーツェ」。そして「僕」に訪れる様々な不幸。やがて分かる家族の本当のこと。全てが人と音楽でつながり、広がり、奏でる。不思議な作品です。目に浮かぶ風景は素朴で暖かく、時に恐ろしく静かで暗い。そんないしいしんじさんの世界を堪能できる作品です。
文庫OFF
とても不思議なお話で…
とても不思議なお話で、正直ついていけなかった部分もありましたが、最後にやっと語られるおじいさんとお父さん、お母さんの昔のエピソードを読んでとても心温まりました。音楽、特に吹奏楽やオケをやったことある人にはおすすめです。
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音楽に対して頑なな祖…
音楽に対して頑なな祖父、正気を疑ってしまうほど数字に真摯な父…ラストまで読むと、その深い理由が分かってきます。ファンタジックな物語や童話口調は、子供だけのものではない、と改めて感じました。子供騙しで終わらない、大人のためのおはなし。
文庫OFF
いしいしんじさんの著書を初めて読んだので、読み初めは進みにくく感じましたが、大事なことが散りばめられていると思い、もう一度繰り返してゆっくりと読みました。 本当に良いお話でした。「大きい小さいは距離の問題」、忘れない言葉になると思います。 打楽器にこんなに寄り添った物語があるなん...
いしいしんじさんの著書を初めて読んだので、読み初めは進みにくく感じましたが、大事なことが散りばめられていると思い、もう一度繰り返してゆっくりと読みました。 本当に良いお話でした。「大きい小さいは距離の問題」、忘れない言葉になると思います。 打楽器にこんなに寄り添った物語があるなんて、奏者は読むと嬉しくなるのでは。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
麦ふみクーツェ 主人公のねこはティンパニー奏者のおじいちゃんと数学教師のお父さんと暮らしていました。おじいちゃんは町の吹奏楽団の指導に没頭し、お父さんは素数に取り付かれてだんだんと奇行を繰り返すようになります。 鼠が大量に降ってきたことから町の調子がおかしくなっていき、一段落したところで現れたセールスマンによってとても大変なことになってしまいます。そんな町の物語と、音楽学校に留学していたねこの周りの物語が平行して語られていきます。 とても感心したのが、ゴシップのスクラップを趣味とするねこのクリップする物語の小さな謎解きや、その登場人物のお話が各所にちりばめられている構成で、とても楽しむことができました。 なめらかに体が動かない用務員さん、盲目のチェリスト、盲目のボクサーであるちょうちょうおじさん、そしてやせっぽちでとても長身なねこと、普通の人と比べると風変わりな登場人物の少しもの悲しい物語や人生訓がとてもやさしく心を打ちます。 連想したのは、村上春樹氏を思わせるちょっと奇妙な登場人物と不思議な物語の中に、寓話やふと心を打つ言葉がちりばめられていることと、ジョン・アーヴィングの小説のようにとてもたくさんの人があっけなく死んでいくことです。連想は連想として、作家の想像力というのはかくも豊かであるということを堪能できるとてもすてきな物語を皆さんの楽しんでみてください。 竹蔵
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動物が死ぬのは良くない。人間も死ぬけど。 ヘンテコな人がたくさん出てきて、気を使ってしまうようなソワソワ感がある。ただ本人たちはヘンテコであること、ヘンテコなことは一番に危険な目に遭うこと、色々を理解していて、その上で目立たないようにではなくてやりたいことや特技を磨く。それがヘン...
動物が死ぬのは良くない。人間も死ぬけど。 ヘンテコな人がたくさん出てきて、気を使ってしまうようなソワソワ感がある。ただ本人たちはヘンテコであること、ヘンテコなことは一番に危険な目に遭うこと、色々を理解していて、その上で目立たないようにではなくてやりたいことや特技を磨く。それがヘンテコさに誇りを持つ方法らしい。ヘンテコじゃなくても人間はそう生きるしかないんじゃないかなと思う。
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人生相談で、いしいしんじさんの回答を見て、素敵な人だなぁと思ったのでこちらを手にとってみました。 ですが、わたしにはまだ早かったのかもしれない… 文章はとても綺麗でわくわくします。 文の節々にどこか少年を感じます。
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読むのに時間がかかりましたが、読み終わってしまうのが惜しいような、長編大作でした。 ファンタジーが好きなので私にはとても面白かったです。どんな本とも似ていなくて、独特でしたし、登場人物が、際立っていました。
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