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生物から見た世界 の商品レビュー

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104件のお客様レビュー

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    27

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/09/18

暇と退屈の倫理学の元ネタが載ってる。 環世界。 とても面白い視点。普通に生きてると、主観的な視点から全てのものを見てるという根本的なことを忘れがち。だから、相手も自分と同じように周りの世界を認知してると思ってしまうけど、少し引いて考えると全くそんなことはない。一つの客体をたくさん...

暇と退屈の倫理学の元ネタが載ってる。 環世界。 とても面白い視点。普通に生きてると、主観的な視点から全てのものを見てるという根本的なことを忘れがち。だから、相手も自分と同じように周りの世界を認知してると思ってしまうけど、少し引いて考えると全くそんなことはない。一つの客体をたくさんの主体が共有してるという考え方は生きるための方法論としてとても好き。

Posted byブクログ

2024/08/18

物の見え方(空間把握)だけでなく、時間という感覚すらも生物(主体)によって異なる。そんなことを、教えてくれる本。生態学の本だけど、哲学的な本でもある。

Posted byブクログ

2024/05/28

僕は写真を撮る。写真撮影をやっていると、何を撮ったらよいものか、わからないという話を見聞きすることがある。写真撮影はカメラを構えてシャッターを切りさえすれば写真は撮れる。「何を撮れば?」その回答は「撮りたいものを撮れ」としか言いようがない。写真の内容そのものには主体性が必要ないか...

僕は写真を撮る。写真撮影をやっていると、何を撮ったらよいものか、わからないという話を見聞きすることがある。写真撮影はカメラを構えてシャッターを切りさえすれば写真は撮れる。「何を撮れば?」その回答は「撮りたいものを撮れ」としか言いようがない。写真の内容そのものには主体性が必要ないから、写真撮影において“産みの苦しみ”的な悩みはありえないというのが、僕の考え。写真を撮る、という行為自体に主体性が存在するのだから、撮影者は、シャッターを切ることのみに専念すればいい。考えて撮る必要はない。シャッターを切りさえすれば写真撮影は可能だからだ。それでは良い写真を撮ることができないと反論を受けるかもしれないけれど、良い写真を撮るために考えてしまうから、誰が撮っても同じような写真ばかり目にすることになる。そのくせ、自分だけの写真を撮りたい、と悩み始めるのだから、呆れてしまう。主体性の喪失こそが近道であるのに。 “反射弓”とは、つまりシーケンサーなのね? と僕なりの言葉、解釈に変換してみたら、納得できた。主体性をメインに据えて読み進めると、これまた、わかりやすかった。正直、僕には難しかったけれど、読み応えがあった。タイトルに釣られて手にした一冊だったけれど、硬質な本だった。僕の意識だけでは、気づかなかった世界へ、ひとつ、視点が増えたかな。

Posted byブクログ

2024/05/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

現代において思想的に新しいところはないんだけど、どちらかというとこの本によって僕らの常識が変えられた、という言い方の方が正しいんだろうな。 本書が厳しく批判する「動物機械論」はデカルトに端を発していると思うけど、今からすれば人間原理がすぎるよなぁ。動物をひとつの機構としてしまうなら、人間だって機械として見なせてしまうわけで(だから"魂"という発明が必要だったんだけど)。 ユクスキュルの引いた高等生物のラインは、刺激などに対して中枢部からの指図(フィードバック)があるかどうかなのかな。「犬が歩くときは、この動物が足を動かすが、ウニが歩くときは、その足がこの動物を動かす」とは分かりやすい比喩だ。 しかし現代において、中枢管理されたAIなんかはこの括りなんかだと高等生物になってしまうんじゃないだろうか? あとサラッと「いまや生きた主体なしに時間はありえないと言わねばならないだろう」とか言えちゃうの先見の明がありすぎだな…。徹頭徹尾、あるがままの世界など私達には分からないという態度。ここらへんは僕もカントの勉強をしなきゃと思った一冊でした。

Posted byブクログ

2024/03/28

あらゆる生命は、それぞれの時間軸をもち、その多様な時間軸がたまたま歯車のように噛み合って世界が回っていると思っており、そのイメージからこの本を読み始めた。 すると、空間も時間も、まず先にあるものだと思っていたが、主体があってから始まるという話がかかれており、新鮮かつ腑に落ちるよ...

あらゆる生命は、それぞれの時間軸をもち、その多様な時間軸がたまたま歯車のように噛み合って世界が回っていると思っており、そのイメージからこの本を読み始めた。 すると、空間も時間も、まず先にあるものだと思っていたが、主体があってから始まるという話がかかれており、新鮮かつ腑に落ちるような話だった。 また、つい、種族の異なる生き物同士で考えてしまうが、人間同士でも既にそれぞれ持っている時間が違うことが、「なじみ」の道の概念で描かれている。 「環境世界」と「環世界」の微妙なニュアンスの違いも、著者の気にかけている点の一つ。 確かに、生物学を知る上で必読書となる1冊だった。

Posted byブクログ

2024/03/25

それぞれの生物が見ている世界は同一の環境ではなく、それぞれの生物が主体として作りだす"環世界"であるという考え方。 すごく新鮮で面白かった。 生物が捉えてる環世界について、いろいろな実験が挿絵付きで紹介されていてとても興味深い。 生物学的な評論なのかな?と思...

それぞれの生物が見ている世界は同一の環境ではなく、それぞれの生物が主体として作りだす"環世界"であるという考え方。 すごく新鮮で面白かった。 生物が捉えてる環世界について、いろいろな実験が挿絵付きで紹介されていてとても興味深い。 生物学的な評論なのかな?と思ってたんですが、生物学的もさることながらかなり哲学的な視点が強めでした。 すごく面白い理論でした。 分かりやすかったし楽しかった! 生物って本当に面白いなあ

Posted byブクログ

2023/11/26

環世界という概念。当然のことを言っているのかもしれないが、改めて色んな動物の世界の見え方をイメージしてみるととても面白い。

Posted byブクログ

2023/06/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

生物(主体)は自分が持つ感覚器で世界を捉え、作用器で世界を変化させる。外界の物体(客体)は生物からの作用によって変化させられ、その結果生物に与える作用を変化させる。この環状構造を環世界と呼び、全ての生物がそれぞれ固有の環世界を持っているという。 感覚器の空間方向の分解能(例えば視力)によって世界の捉え方が変わるのはイメージしやすいが、時間方向の分解能(人間は1/18秒)によって時間の捉え方が変わるというのは面白かった。我々は自分の感覚器で感じられる世界を"実世界"と捉えがちだが、それはあくまで人間の感覚器が受け取れる側面で切り取られた世界である。普段1人の人間として主観的にしか捉えていない世界を、メタ的に「それは人間の感じる世界でしかなく、真の自然は永遠に捉えることができたない」と教えてくれるのは、とても知的好奇心をくすぐられた。 本の読みやすさに関しては序盤に知らない言葉が多く出てきて戸惑ったが、その後に具体例で説明をしてくれるので、きちんと読めば理解できると思う。本文を通しての主張は基本的に同じで、様々な例が挙げられているという感じ。エーテル波という概念が例の中によく用いられており、時代を感じた。

Posted byブクログ

2023/05/23

ユクスキュル。生物を取り巻く主観的な環境を環世界と名付け、さまざまな生物達の環世界を例をあげながら解説する科学の古典。生き物それぞれ違った捉えかたというある意味当然のことを科学的に解説した名著です

Posted byブクログ

2023/05/22

見ているものは同じでも見る人が違えば、見ているものの意味が違う。感じ方が違う。ということを思うと、正解探しはナンセンス。それが環世界

Posted byブクログ