解剖学教室へようこそ の商品レビュー
高校の時に読んだなーと思い出して、久しぶりにまた読みたくなったので購入。 やっぱり養老さんはおもしろい。 文章が短いのがとてもいい。読みやすい。 特に「~である。なぜか。~だからだ。」の「なぜか。」が好き。余計な装飾が付いてない感じが、いい。 書いてある解剖や人体や歴史について...
高校の時に読んだなーと思い出して、久しぶりにまた読みたくなったので購入。 やっぱり養老さんはおもしろい。 文章が短いのがとてもいい。読みやすい。 特に「~である。なぜか。~だからだ。」の「なぜか。」が好き。余計な装飾が付いてない感じが、いい。 書いてある解剖や人体や歴史については、読む前は1ミリも頭に無かったのに、読んでいくとおもしろくてどんどん進む。 よく高校生でこんな本を手に取って、読んだな自分、と感心する。 校内の図書室にあるのをたまたま目にして、気になったのがもう素晴らしい。過去の私グッジョブ。 言葉が「切る」作用があるなんて発想無かった。 面白いから他にも養老さんの本を何冊か読んでいたら、国語の授業でバカの壁を取り扱うことになって驚いたのを覚えている。 予習、とは違うけど意図せず予習していたようでビックリした。 個性は身体だという考えもそこで初めて出会ったんだっけ。
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久しぶりに小説ではない本を読んだ。とても面白くすらすらと読めた。学問のあり方や、学習の面白さも再認識できたような気がする。 人は言葉でものを区別する。区別できないものにも名前をつけるから、ややこしくなって、わからなくなる。だからわからないことは不気味で君が悪くなる。
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解剖、切り刻み、一つ一つ名前をつけて…が、大変な知的作業であり、知りたいという欲求の現れであったんだ、また、あらゆることに共通するプロセスを修得することなんだと。
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とんでもなく面白い一冊! 養老先生の本をなぜ今まで読んだことがなかったのか不思議に思うくらい。 頭のいい人ってやっぱり何をしてもすごいと思うし、医師免許を持っている人ならではの視点で解剖について知ることができたのはかなり良かったです。
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この本はブックカフェで読んだ。今朝は体に疲れがあって1日まるで使いものにならなかったけれど、予約してあった美容院で前髪を切り、読書したらだいぶ気持ちが明るくなった。 養老孟司の本は以前誰かと対談している本を読んだのだが、それがおもしろかったから著者の他の本も手に取ってみること...
この本はブックカフェで読んだ。今朝は体に疲れがあって1日まるで使いものにならなかったけれど、予約してあった美容院で前髪を切り、読書したらだいぶ気持ちが明るくなった。 養老孟司の本は以前誰かと対談している本を読んだのだが、それがおもしろかったから著者の他の本も手に取ってみることにした。この本では著者が医師免許を持っていながらなぜ人を治す方ではなく解剖学に入れ込んでいるのか書かれていた。解剖学の歴史もかいつまんで知ることができたのだけれど、日本ではじめて解剖を行ったのが杉田玄白ではないことに驚いた。
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いやぁ、とんでもなく面白い。養老先生の他の著作も読んでみたくなった。 以前もレビューに書いたが、「脱線力」のある人の本や話こそ、面白さに直結するんだろう。 本書は解剖学だけ扱う本なのかと思えば、歴史学・生物学・哲学・美術学・言語学etc…色んな学問に関連づけて話が進む。あらゆ...
いやぁ、とんでもなく面白い。養老先生の他の著作も読んでみたくなった。 以前もレビューに書いたが、「脱線力」のある人の本や話こそ、面白さに直結するんだろう。 本書は解剖学だけ扱う本なのかと思えば、歴史学・生物学・哲学・美術学・言語学etc…色んな学問に関連づけて話が進む。あらゆる学問が横断的にそれぞれ繋がりを持ってることが改めて分かる。 高校から手付かずの生物を勉強してみよっかな〜。
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解剖学のことを、事実だけで語るとつまんなくなるけど、哲学的に語るから面白い。 そして生物として語れるところまで語って、事実の先の先は、哲学的に語ってくれる。 入口と出口が哲学的。 その割り切りがとても気持ち良い。 生きるとは、死とは。 体細胞は50回か60回しか分裂できな...
解剖学のことを、事実だけで語るとつまんなくなるけど、哲学的に語るから面白い。 そして生物として語れるところまで語って、事実の先の先は、哲学的に語ってくれる。 入口と出口が哲学的。 その割り切りがとても気持ち良い。 生きるとは、死とは。 体細胞は50回か60回しか分裂できない。 成長は老い、分裂できなければ壊れてしまう。 こう考えると、生と死はひとつ。 別に考えがちだけど、ひとつなんです。 西洋は心身二元論。 日本は体と心もひとつ、一元論の考え方。 でも心が優先で「心がけ」という言葉がある。 でも心は脳なんです。 難しい。 アルファベットですべてを表現し、モノを分解する西洋の文化と仏教的な世界観をもっと学びたくなる。 おもしろい。
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『唯脳論』(ちくま学芸文庫)で独自の人間学を披露した著者が、専門である解剖学のさまざまな話題をわかりやすいことばで語りつつ、解剖学から人間を見る視座を指し示している本です。 もともとは「ちくまプリマ―ブックス」から刊行された本ということで、中高生に向けて書かれているのでしょうか...
『唯脳論』(ちくま学芸文庫)で独自の人間学を披露した著者が、専門である解剖学のさまざまな話題をわかりやすいことばで語りつつ、解剖学から人間を見る視座を指し示している本です。 もともとは「ちくまプリマ―ブックス」から刊行された本ということで、中高生に向けて書かれているのでしょうか、『唯脳論』や本書に近いテーマをあつかった『カミとヒトの解剖学』(ちくま学芸文庫)などにくらべると、著者の考えがこなれたことばで語られているように感じました。 一般の人びとには「死体」というものになじみがなく、身近なひとの死も赤の他人の死も、その受けとりかたはまったく異なるものの、「生」と「死」を分けて考えることに特別な疑問をいだくことはありません。著者はそのような常識に疑問を投げかけることで、人間についての独創的な考えを紡いでいます。
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いまからもう二十年も前の話になるが、私が初めて買った養老先生の本がこれだった。以来、私は養老先生の魅力に虜になってしまうのである。 この本の何がすごいのか。「ヒトはなぜ解剖をするのか」を考えているところがすごい。著者は解剖学者である。軍人が、「オレはなぜ闘っているのか」と考えはじ...
いまからもう二十年も前の話になるが、私が初めて買った養老先生の本がこれだった。以来、私は養老先生の魅力に虜になってしまうのである。 この本の何がすごいのか。「ヒトはなぜ解剖をするのか」を考えているところがすごい。著者は解剖学者である。軍人が、「オレはなぜ闘っているのか」と考えはじめたら、戦争には勝てない。ふつう、人間は前提を疑うことを嫌がるものなのである。 だから、養老先生の本や業績は、しばしば「解剖学ではない」と言われる。哲学だとか、脳の研究者だとか、とにかく解剖学者だと思われていない。でも、この本を読むと、言葉とは何かとか、心とは何かといった、一見哲学的にも見える問題が、目の前にある死体という歴然たる存在から発しているのだということがわかる。 上に述べた「前提を疑う」こともそうだが、養老先生を読んでいると、「そんな視点があったのか」「いったいどんなふうに世の中を見ているんだろう」といったことが気になってやめられない。あまりに面白いので、じつは人に薦めたくないくらいである。
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養老先生はもうヒトの解剖はやめてしまった。この本は、まだ東大で教えていたころに、中学・高校生向けに書かれた本だ。だからといって簡単な内容かというととんでもない。解剖の歴史から始まって、日本と西洋との考え方の違い(これは言葉の違いに大きく左右されている。つまり、26文字のアルファベ...
養老先生はもうヒトの解剖はやめてしまった。この本は、まだ東大で教えていたころに、中学・高校生向けに書かれた本だ。だからといって簡単な内容かというととんでもない。解剖の歴史から始まって、日本と西洋との考え方の違い(これは言葉の違いに大きく左右されている。つまり、26文字のアルファベットですべて表す西洋と、漢字かな混じりの日本との差)、さらにこころとからだの問題にまで話は及ぶ。もっとも、「バカの壁」以降の著書に比べると、まだまだ理科系のにおいが強く、生物好きの皆さんにはおすすめだ。将来医者にでもなろうという方は読んでおいたほうがよい。死体を解剖する。お腹を開くときはそれほど意識しないでできるそうだ。困るのは顔、そして手。目を見ると、じろっとこちらを見つめているように感じるのだそうだ。顔にも手にも、生きているときには表情がある。死んでしまうとそれがない。そこに違和感を感じるのだろう。死体はモノか? モノと考えるから臓器移植もできるのだろう。しかしよく考えると生きている人間だってモノには変わりない。ただし生きているときにはそのからだを作っている細胞は常に入れ替わっている。昨日の私と、今日の私は、完全には一致しない。そう考えると、やはり生き物は不思議だ。養老先生はいまは昆虫ばかり追いかけている。それが楽しいらしい。
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