九月が永遠に続けば の商品レビュー
うーん、図書館の予約待ちがやっと順番まわって来て、期待していただけに残念。もう、「低俗」の一言に尽きてしまう内容だと思った。 別にエロイ、グロイ話は嫌いではない。桐野夏生の「グロテスク」なんてそうだったけどあれは大好きだった。でも桐野作品と違って、この本にはエンターテイメント性...
うーん、図書館の予約待ちがやっと順番まわって来て、期待していただけに残念。もう、「低俗」の一言に尽きてしまう内容だと思った。 別にエロイ、グロイ話は嫌いではない。桐野夏生の「グロテスク」なんてそうだったけどあれは大好きだった。でも桐野作品と違って、この本にはエンターテイメント性すら感じられなかった。もう、別に展開なんてどうでもいいよ・・と思わせてしまう内容。次から次に新事実が明らかになって行っても、「はいそうですか、で?」とどんどん読み進めていくうちに白けて行く印象。これは一体なぜだったのか。文章は丁寧に書いてある。文体はまずくない。でもとても細かく描写しているのにどの人物にも感情移入できず。丁寧に描写されていてもちっともリアリティがない。これでは面白くないな。加えて人間関係のドロドロぶりや悲惨なエピソードの羅列で小説を構成すると、単なる「低俗」な内容になってしまう。これが私の読書感想でした。 この作者の本はもう一冊読んでみて、それで継続して読者になるかどうか判断しようと思う。
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面白かった。 沼田まほかる著書はユリゴコロを先に読んでたけれど、九月が~の方が断然面白かった。複雑に絡みあっている事実も、登場人物にそれぞれ個性があるのでそこまで不自然に感じることもなく、日本語はやや雑だけれど、それより内容が気になって、一気に読めた。終わったあと、脇役のことも...
面白かった。 沼田まほかる著書はユリゴコロを先に読んでたけれど、九月が~の方が断然面白かった。複雑に絡みあっている事実も、登場人物にそれぞれ個性があるのでそこまで不自然に感じることもなく、日本語はやや雑だけれど、それより内容が気になって、一気に読めた。終わったあと、脇役のことももうちょっと知りたかったと思えるのも珍しい。読後も爽やか(・・・とわたしはおもった)。
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離婚して息子と暮らす私。その息子の文彦が夜ごみを出しに行ったまま行方不明になる。 時を同じくして付き合っていた自動車教習所の教官がホームから転落し轢死する。離婚した夫は精神科医。再婚した妻とその娘の過去。文彦のクラスメイトの親父が私に疎まれながらも世話を焼くがその男の関西弁がねち...
離婚して息子と暮らす私。その息子の文彦が夜ごみを出しに行ったまま行方不明になる。 時を同じくして付き合っていた自動車教習所の教官がホームから転落し轢死する。離婚した夫は精神科医。再婚した妻とその娘の過去。文彦のクラスメイトの親父が私に疎まれながらも世話を焼くがその男の関西弁がねちっこく表現されているのが関西人としてはマイナスポイント。
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遅ればせながら、まほかるワールド初体験の1冊。 書評も事前に目に入っていた為、どろどろ陰湿な世界を期待しての初読となった。 結果、丸1日で一気読みしてしまった。文章力を評価されたという話だが、読みやすい文体である事は確か。最近の日本語の意味の誤解による引っ掛かりは一切なく、淡々...
遅ればせながら、まほかるワールド初体験の1冊。 書評も事前に目に入っていた為、どろどろ陰湿な世界を期待しての初読となった。 結果、丸1日で一気読みしてしまった。文章力を評価されたという話だが、読みやすい文体である事は確か。最近の日本語の意味の誤解による引っ掛かりは一切なく、淡々と綴られる登場人物たちの描写がよかった。 読後★は4つかな、と思ったのだが1つ減じた理由は、2点。 ・物語の中心に存在する文彦が余りに実体を伴わず、上すべりしているように感じられる為、全体を通して現実味が薄くなっている。 ・上記の現実味の薄さが、日常すぐ横にあるような陰湿な不快感を減じている。 という事で、くどくど書いてしまいましたが、一言面白かったです(笑) しばらく著作を追います。
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独特の雰囲気のある作品。でも、これだけ誰も救われないのは何だかおかしいのではないかと、どこかでその歯車をどうにか出来たのではないかと、そんな風に思えて仕方ないです。文彦君があまりにも出来すぎて不自然な感じでした。
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「痺れる」を読んで 乙一のキレのないコピーのような印象をうけたが この本で沼田まほかるの印象が変わった。 乙一にこのドロドロはない。 ありそうな話のような気もするけど ページがすすむにつれ 物語の全体像が描きかえられ さいごにはすごいところに連れて来られたなと 思わされる。 ...
「痺れる」を読んで 乙一のキレのないコピーのような印象をうけたが この本で沼田まほかるの印象が変わった。 乙一にこのドロドロはない。 ありそうな話のような気もするけど ページがすすむにつれ 物語の全体像が描きかえられ さいごにはすごいところに連れて来られたなと 思わされる。 学校の担任の過去とか キーホルダーの爪とか 思わせぶりで 必ずしもきれいに回収できてないかなと 思うところもあるけど 面白かった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
今更ながら、「九月が永遠に続けば」を読みました。「ユリゴコロ」を先に読んで、評判のデビュー作を読ませてもらったとこです。 デビュー作。なるほど、まだまだ未完成っぽい作品でした。読ませる文章力は新人離れ、スラスラ読めるし、物語にも引き込まれるものがありましたが、なんてったってキャラクターが誰一人として共感できない!感情移入させるような描き方をしつつ、共感できない! 雰囲気は独特。そこをつきつめて味のある作家さんになってきたなぁと思います。未熟ですが沼田氏の原点がうかがえました。
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だいぶ前に読んだのに未だに心に引っかかる本。すごく面白かったとかはないんだけど、なぜか忘れられない本。
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息子の失踪直後に、愛人の男が死んだ。もしかして、息子が殺したのか?。第5回ホラーサスペンス大賞受賞作(amazonより抜粋) 恋をしてはいけない人を愛してしまったというキーワードが大きな鍵だったように思います。 その鍵がとても面白かったです。 そしてこうなれば面白いんだろうなっ...
息子の失踪直後に、愛人の男が死んだ。もしかして、息子が殺したのか?。第5回ホラーサスペンス大賞受賞作(amazonより抜粋) 恋をしてはいけない人を愛してしまったというキーワードが大きな鍵だったように思います。 その鍵がとても面白かったです。 そしてこうなれば面白いんだろうなっていう方向に進んでいってくれたのがよかったです。 ただ最後がちょっとごちゃごちゃしすぎたように思う。 綺麗に紡がれた糸が最後、変に絡まってしまったように感じました。 でも興味深い題材でした。 私的には面白かったですが、最後が首を捻ってしまう終わり方なのが好きじゃない。
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